再び、武蔵野中学校練成会の各教科シリーズです。


☆「国語を学ぶ社会的意義」については、こちら

☆「数学を学ぶ社会的意義」については、こちら

☆「社会を学ぶ社会的意義」については、こちら

☆「理科を学ぶ社会的意義」については、こちら


 英語については、また別枠をご用意いたしますので、今回はそれ以外の所謂「実技系」の教科について触れてみたいと思います。


 ここまで申し上げて来ました通り、各教科の本質的意義を武蔵野では、細かい専門的な方向性以前にまず「社会に出て役に立つ感覚やイメージ」を掴む為に有益なものとして、捉え直しています。

 その文脈で言えば、実技系の各教科は、優れて「生活体験に潤いや幅をもたらすもの」として意義があるものと、武蔵野では考えています。


 音楽には、歌や音楽という人間の心を動かすものに接すること自体に意義があります。歌があるから人生の辛い時を乗り越えられたり、楽しい時が演出出来たりということは、誰にでも経験があることですが、それらにおいて音楽という教科から基礎を体験しておくことはとても重要です。

 美術は、生活能力を高める意義もありますし、ものの捉え方や活かし方によってものの印象がかなり変わってくることや、それがそれぞれの表現者の感じ方を表しているものであることがわかるという感性の磨き方にも意義があります。

 体育は、どの人も歩いたりしますし、色々なスポーツを体験したりと、身体を使う機会が日常に沢山ある中、その活かし方を知る意義があります。また、スポーツにはルールがあるからこそ、オリンピック等、世界中の人が統一して楽しめる形まで発展出来ることも理解出来れば、社会そのものにルールがあることへの理解が及ぶという効果もあると思います。

 家庭科のようなものも、生活能力を上げたり、生活の知恵を知りそれを自分で活用することを覚えれば、色々な局面で自分の生活に余裕が出来るはずでしょう。


 つまり、社会生活というと、単にお仕事を頑張って、成果を上げて、評価をもらって、成功をするということだけでなく、組織の一員として仲間がいたり、仕事以外の話も出たり、勿論私生活を充実させる必要もある訳です。

 となれば、生活に潤いを持たせることが、将来社会に出た時に様々な場面で有益なこととなることは言うまでもありません。


 実は、実技系科目は他の各教科に比べても、子供達の好き嫌いが出てしまう科目でもあります。

 毎年、中2くらいになると男子生徒を中心に「オレこの科目下手だから」とか「オレこれ好きじゃないから」とか言い出して、実技系科目を真面目に取り組まない生徒が出て来たりします。

 しかし、好きや嫌いは人間の感情なので否定するつもりはありませんが、他の各教科にも増して、順番や成績以前に、その教科と真面目に取り組んだ達成感がわかりやすいのが実技系科目の特徴であることも事実です。


 武蔵野中学校では、卒業式を高等学校と同じく「セレモニー」としてしっかりやる伝統があります。

 「式」という言葉には「イベント」と「セレモニー」の二つの側面がありますが、楽しむ為のイベントと違い、ご家族はじめ他人様にお見せするのが卒業式であるとすれば、それはセレモニーとしてしっかりとやらねばならないことになります。

 その練習をし出すと、「音痴だから」とか「歌が苦手だから」という男子生徒も出るのですが、下手でも構わず、大きな声で歌うように指導させてもらいます。

 彼等も納得してくれて、毎年卒業式では、下手な歌声が聞こえるのですが、実際はそれこそが来場者に感動を感じさせてくれるものでもあるのです。


 このように、実技系科目という下手と得意が一発で目の前でわかってしまう教科ほど、結果以前に一生懸命にやった成果や達成感が大きいものであるので、武蔵野ではここを軽視せずに生徒達と頑張る工夫を凝らしています。

 将来、社会に出た時に、歌が上手下手以前に感情を籠めて恥ずかしがらず歌えたり、運動神経がある無しにかかわらずスポーツを楽しめたり、器用不器用以前に芸術の与える感動を知ることが出来れば、きっとその生活は豊かになり、仕事に対しても大きな意義を与えることになると、武蔵野では考えています。


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