武蔵野中学校では、数年前から受験生に向けた「練成会」を企画しています。

 勿論、武蔵野中学校を受験なさる方々への練成会ですので、パッと聞くと「武蔵野を受けない人には関係ない」と感じてしまいがちです。

 しかし、もっとこのような精神で練成会を企画する学校さんが増えてもらいたいと考えていますので、今回ご紹介させていただきます。


 今年の練成会は、11月21日を皮切りに、12月19日、1月19日の3回が開催されます。

☆武蔵野中学校練成会についてのご紹介ページは、こちらです。


 この練成会は、塾の先生方や受験生の親御さんの声から始まりました。

 どうしても、塾さんは学校と違い、限られた時間しか取れないので、「解法のテクニック」にばかり走ってしまう傾向があります。

 心ある塾の先生方からすれば、解法だけでなく、その背景となる「出題者の意図」であるとか、中学校入学後の学習の方向性の話も伝えてあげたいと考えておられるのですが、そこまで時間も手間も割けない実状があるのです。


 本来、問題を数多く解くことも、とても大切ですが、受験生のどのような力を見たいのかというところから問題が作成されるのが当たり前ですから、挑戦する学校さんの意図というものがより大切になります。

 話をお聞きして、本来それは出題をする学校側から提供して差し上げるものであると武蔵野では考えて、練成会を始めたのです。


 その為には、受験問題を見直しました。

 多くの方は、難易度とか問題形式に拘るのですが、武蔵野では中学校の授業でどのようなことを教え、どのような力が付くことがゴールであるのかを逆算して、問題をそれに沿った形で作ることに腐心しました。

 それは口で申し上げる程容易(たやす)いものではありませんでしたので、現在も努力を継続中です。


 しかし、今回の入試問題から、国語は現在学校長の東出正信先生が直接作成し、問題となる文章もどこかの作品ではなく中学生に訴えたい内容を問題文にするべく東出先生がご自分で作られています。

 また、算数も元学校長の肥沼與四郎先生がご自分で作成なさり、考えて解く問題作成をしてくださっています。

 因みに、MPSSと呼ばれる奨学金試験は四科目ですので、社会と理科も範囲を限定しながらも、論述中心の問題にして、思考力や表現力に配慮した問題にするつもりです。


 難易度がどうであるかよりも、塾の先生等のプロの方々から「良問ですね。」と言っていただけるものを目指しています。

 そして、武蔵野の受験への準備が直接中学校での学習のスタートの準備に結びつくことが最高の姿ではないかと考えています。


 その為に、練成会という機会を設けて、その意図を説明したり、類題を解いたり、学習の方向性を示唆したりして、受験生が「受験は合格する為だけのものではない」ことを感じてくださることを目的にしているのです。


 何度も申し上げるように、これは簡単な道ではないのですが、武蔵野中学校では、このような考え方を大切にして、様々な教育プログラムに活かすことで、武蔵野を選んでくれた子供達が成長してくれることを、日々全員で願っているのです。


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