ムログ

現在大阪に住んでいます。劇作ユニット野菜派所属。

細々とお芝居絡みのことをしています。


主にやっているのは劇作です。台本というやつです。

ドラマチックなことはやってません。寂しくて、ともだちのいない人を

探しています。どうかあなた、私とおともだちになりましょう。

あなたに笑って欲しいし泣いて欲しいのです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを見ると室屋のことがよくわかります↓

☆WEBサイト「名古屋演劇アーカイブ


「室屋和美さんインタビュー」記事 http://nagoyatrouper.com/interview/042/

(2012年2月の記事)



Twitter頻繁にやってます。 → @ooiri_muroya

☆今後の活動

(1)毎年盛況の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT:18」に参加します。
脚本私、演出は大沢秋生さん(ニュートラル)、役者は是常祐美さん(シバイシマイ)です。
豪華なユニットが競演するこの機会をお見逃しなく!


最強の一人芝居フェスティバル〈INDEPENDENT:18〉

■参加作品

ユニット【d】
出演:是常祐美×脚本:室屋和美×演出:大沢秋生
『 引くな、引くなよ 』


hikuhiku

↑↑大沢さんが撮影してくれた画像!↑↑

日時:2018年11月22日(木)~25日(日)
会場:in→dependent theatre 2nd
大阪メトロ堺筋線 「恵美須町」駅1A出口 右手(北)5分
詳細:http://independent-fes.com

もしくはインディペンデントシアターHPへ


チケットご予約は

http://ticket.corich.jp/apply/95296/d02/  (室屋窓口)でぜひ!



(2)カヨコの大発明・日替わりオープニングゲストに出演。

劇団・カヨ大さんの旗揚げ公演で前説ゲストやります。旗揚げ公演とは

名ばかりで何度も公演打ってる劇団さんですが、長編作品は「初」とのことです。

本番前に10分間のミニライブをやらせていただきます。今のところ自作官能小説を

朗読する予定です。本編も大喜利をテーマにしていてめちゃめちゃ面白いと思うので

ぜひご観劇ください。なんたって、カヨコですからね。


カヨコの大発明 旗揚げ公演 「園楽」


kayodai

日時:2018年10月26日(金)~28日(日) 

 ※室屋出演は27日20時~の回です。19時45分~から出ます。
会場:in→dependent theatre 1st
大阪メトロ堺筋線 「恵美須町」駅1B西出口 左手(南)1分
詳細: https://ameblo.jp/kayodie/entry-12401529990.html  (カヨコブログ)



(3)動画配信サービス「観劇三昧」にて、私が作・演出を手掛けたお芝居
「そこはかとなく優しくフィット」の上演動画が1年間 期間限定配信中です。

おそらく2019年の1月下旬ごろまでの配信になると思います。
会員登録後(有料/月額980円で全動画見放題)ご覧いただけます。
お試しで3分間の無料視聴も可能です。
作品詳細: http://kan-geki.com/member/play.php?id=962


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コトリ会議「雨降りのヌエ」②

観劇記。遅くなりました。

毎日毎日バイト漬けです。社畜やん。


コトリ会議の芝居の話の続き。


お芝居のいろいろについては

公式のこちら↓をご覧くださいね。




前述の「CUBE05」でお芝居を見ました。

ほんまにこぶりのお部屋。キャパ、15〜20くらいかな。

パイプ椅子がきゅっと並べられていて、すでに

着席しているお客さんがちらほら。


この日は短編・5つのお話の中の2つ

「第形話」(花屋敷鴨/原竹志/若旦那家康 出演)

「第夜話」(三ヶ日晩/山本正典/若旦那家康 出演)

の上演だったのですが、

それの初演ということもあってたぶん

満席やったと思います。

芝居自体は30分くらいの短編×2本の連続上演です。


舞台上手にはイーゼル?があり

そこに上演中のお芝居の場所・設定についての

ガイドがありました。

第形話は「車の中」、第夜話は「家のリビング」って感じだったかな。


舞台上には謎の合体家具?の舞台美術。

どうやらヌエの象徴?なんだろ?

普通に役者たちが舞台に出てきて

「あ、そっち置いてください」なんて

声かけながら準備をしている。

(そういうのも見せていくコンセプトなのだ)

そのもようをぼんやり見ながら客席前方に着席する室屋。


しまった。

上着を脱がないまま着席してしまった。

失態。いつもは絶対に上着を脱いでから座るのに!

両隣にはすでにお客さんがいる…

しぶしぶ厚着のまま芝居を見る。

皆さん、小さな劇場ではコートを脱いでから着席しような。私との約束だ。


まあでも、このこぢんまりした場所で

コトリ会議を見るっていうのはけっこういいんだ。

贅沢なんですよ。


コトリを見たことある人ならわかってくれると思うんだけど

コトリ会議ってさミクロで、マクロなのよ。


まつ毛も凍るような冬の夜空。

サービスエリアにいて、ソフトクリーム買えないなぁとぼやきながら、死んだ兄を、家族を想う。

吐く息は白く、空気は澄んで、肌の表面がびりびりする。


離婚届を出す夫婦。

夜間受付に用紙をもらいに行こう。

思ったより寒い。うわっぱりを一枚手に取る。

これからの膨大な、面倒な手続き

明日の出張に想いを馳せて

車を走らせる。涙も出ない。ただ、段取りの

ことばかり考えてる。


こんな人たちの息遣いが、つぶさにつぶさに

嫌ってほど感じられる。

それがすごく良いし、痛いところつかれて

胸がぐじゅくじゅする。むかつく。泣ける。

見ないふりしてるところを直視する羽目になる。


そうやって正統派会話劇のふりして

舞台上にいるのは

「たぶんおばけの役。兄」

だったり

「時速120キロの未来の車を走って追いかける、たぶんおばけの兄、の、分身」

だったり

(ややこしいよ、おばけ自体が分身みたいなもんなのに…)


そんなSFチックな人たちだったりする。

(未来の車、おもしろかったな。

ドアの開閉の音とか、いちいち入るのツボ。

でもカーオーディオの感じは「平成」なんだ)


このバランスの取り方がすごくよい。


ちょっと不条理な感じでさ。

「説明してくれよ!!!」ってところが

いっぱいあるんだけど、その反面

「いや、説明はいい!もっとやれ!!」という

気持ちが沸いてくる。

すごく不思議。ちょうどいいバランス。

これがコトリ会議の魅力だろうな。


何を言ってるの?と思われるかもしれないが、

コトリ会議の芝居を見てくれたら

きっとわかってくれると思う。

だから、見てくれ!見たらわかるから!

こういうので説明できないんだよ!

とりあえずおもろいから、見てくれよ。


あとあんなに若旦那家康を上手に使う劇団見たことない。若旦那さんにしたたかにあしらわれるの、もう快感になってしまっている。

たぶん今回の全作品に出演してると思うんだけど。存在感がないのに、ある。そんな柔術の達人だ。

コトリの象徴みたいな存在だな若旦那さんって…。


私は物語のあらすじを説明するのが

人類最下位なみにヘタクソなので

ちゃんとしたあらすじは公式さんとか

ほかの方の観劇記録とかでぜひ

確認してほしいのですが。


お話は、5人兄弟の長男が亡くなるところから

始まります。


兄弟、みんな最初からバラバラ。

エエ歳だし、もう実家から自立してて

それぞれ仕事頑張ってたり結婚してたり

とにかく自分の毎日のことに精一杯で

家族そろって何かをすることを失っている。


喧嘩とかしたわけじゃないけど、

嫌いじゃないけど、ただただ疎遠。

こんな経験みなさんもあるんじゃないかな。


話はこの兄弟たちが「兄が亡くなった」という

報せを受けたときの、それぞれのシチュエーションを描いてます。

それが車内だったり、家のリビングだったりするわけですね。

私はそのほかの「第蓋話」と「第空話」と「第糸話」が未見なのですが(注:「糸」だけ番外編の話らしいです)こちらは

占いの館だったり宇宙船だったりという

シチュエーションらしいのでどんなお話なのか

とても気になるところです。

いきなりぶっ飛んだ設定になってんだなぁ。

一応それぞれの話は独立してるんですが

繋がってるといえば繋がっていて、それがまるで

家族の絆のような感じがしないでもないです。


話がリアルだ。

へんてこフィクションのなかに、

リアルが内包されている。


気になるエピソードはたくさんあるんですが、

特に生々しいなぁ〜と思ったのは

第夜話の方の夫婦の会話でね。


離婚届を書いてて、ちょっとした記入ミス(笑)があって…


「俺こういうことはちゃんとしたいんだ」と

役所で新しい用紙を手に入れようとする夫。

「デジタルでいいじゃん。わたしプリントアウトするよ?そのあいだに出張の準備しなよ」と

明日の仕事の準備を促す妻。


「ちゃんとしたいから、二人並んでハンコ押しましょう。座って?」と促す夫。

「書くのは離婚届だよ?わたしは別々に書きたい。並んでるとつらくなる。」と逃げる妻。


なんというリアル。


しかし、そのふたりの後ろにぼーっとした

表情の、兄の幽霊が座ってるんだ。可愛いハンコ持って。


なんというおかしみ。


このおかしみがあるから、笑って見ちゃうんだけど、笑ってる場合じゃないんだよな。

突きつけられてしまう。


「第形話」もよかった。とても。


外は寒くて、まるで信号機の点滅の音が

聞こえてきそうな静けさで。

お兄ちゃんが死んだのに、悲しくなってない、でも罪悪感はある、そんな妹が運転している。


車は全自動運転なのに、ハンドルを握ってる。

未来の車なのに、レトロなオーディオがあって

なんとなく明るい曲をかけてみる。


でも、その曲もしんどい。負荷がかかる。

つけたり消したりする。

昔、父や兄ちゃんとホットケーキを作ったことを

思い出している。笑ってた気がする。

わたしは幻の兄と静かに会話する。


なんという空虚。孤独。深い悲しみ。


あまりにも見たことがない。

あまりにも見たことのある。

そんな芝居。

だからミクロでマクロなのさ。


じいちゃんが死ぬ前のこと思い出したな。

一緒に病院の喫煙所でタバコ吸ったな。

一本おくれ、っていうから一本あげた。

ハッカのやつやけどいいの?って聞いたけど

なんでもいいんだよって言われて

ふたりで黙ってタバコを吸った。

寝たきりになってからは、病室の窓の外ばかり

じっと見てた。そんな日々を思い返した。

さみしかったけど、まだ温かく、つめたく

胸の中でその思い出が横たわっている。


====


めちゃネタバレしてる気もしましたが

お話についてはこの辺で。

とにかく刺さる芝居でした。

みんなも見るんやで、一ヶ月やってるから!

ぜひぜひ。


終演後は、催しのひとつ「ヌ麻雀エ」に

参加して麻雀をしてきました。



かつて劇場で、舞台上で麻雀をする劇団が

あっただろうか。


同時期に劇団に所属していた

渡邊歩惟と一緒になったので

卓を囲んで久しぶりにいろいろおしゃべりした。


途中で山本さんが来て、周りをひとしきり

ブラブラして「ふ〜〜ん」と言ってたり

隣で横になって寝てたり、一緒に牌を

じゃらじゃら混ぜたり、正月の家族みたいに過ごした。


これか。エモいってやつは。


いつまで経っても心はコトリチルドレンです。

山本さんありがとうございました。


だらだら感想書きましたが、

とにかく楽しい催しでした。素晴らしかった。

コトリ会議「雨降りのヌエ」①

一年半ぶりくらいにブログを書きます。

室屋です。書くぜ!


今日は、扇町ミュージアムキューブという

劇場に行きまして、コトリ会議のお芝居を

観てきました。

室屋は2012年〜4年間、コトリ会議に所属

してましたの。

(意外と知られていない)


「雨降りのヌエ」というタイトル。


これのチラシがすごい。



わかります?

タイムテーブルです。

(劇場でもらいました)

(裏面は可愛らしいイラストになってます)


この公演、いろいろルールがあります。

そのへんのコチョコチョしたところは

雨降りのヌエ 特設ページ


を見てもらうとして。


そう。

一ヶ月のロングラン公演なのです。

コトリ会議、一ヶ月、ロング、ラン!


これ話題になってるの?

なってるよね?

室屋三日前くらいにTwitterで知ったんですが。

すごいよね!とても大変じゃん。

感想、Twitterに書くのはどうかしらと思って。

まぁええんやけど、気持ち的にブログに書くことにした。


しかしね。

ここから頭おかしいんですが(褒めてる)


公演場所ね、

でっかい劇場の、

いくつかあるお部屋のなかで、

「CUBE05」って小ぶりなスペースで上演してるんすけど。


そこを朝10時から22時までずっと開放しててね。

いつも誰か劇団員がいて、

必ず何か催し(?)をやってるんですよ。


もう一回言います。

10時から22時まで、

一ヶ月ずっと、なんかやってるんですよ!


あ〜〜想像しただけで気が狂いそうだ。


それは芝居だったり

(短編。予約をお勧めします)


ゲストを招いてのトークイベントだったり、

過去作上演だったり

劇団員の趣味や特技を披露する時間だったり。


お客さん交えて麻雀したり…

もくもくとデッサンをしていたり…

お茶を飲むだけだったり…

舞台上で寝てるだけだったり…


とにかく、なんかしてます。

誰かはいます。

そのためのタイムテーブルです。

全部 説明書いてあります。

(WEB上のタイムテーブルがなかなか詳しくておすすめです)


仕込みをしてたり、バラシしたり、

ミーティングをしたり。

反省会をしたり?とか、そういうのも

全部見ることができます。

シンプルになんで??

ときには険悪なミーティングとかもあるだろうに。

(しかし私がのぞいたときは三ヶ日さんがおにぎりを食べていました。平和。)


終演後にかつての仲間、花屋敷さんと

おしゃべりしたんです。

催しのひとつに自分の誕生日パーティーがあるらしく…


「平日の昼間にやるんよ。マジで誰が来るんやろね??来ないよね??」と嘆いてました。

たぶん劇団員だけでしっぽりやることになるでしょう。私もバイトだしな…


バイトのない人はぜひお祝いしにいってあげてください。今調べたら3月27日(水)の12時半からだった。頼んだ。

※ちなみに若旦那さんの誕生日パーティーもあるらしい。3月24日(日)19時〜。


と、このように

コトリ会議のすべてを体感できる一ヶ月間。

ものすごい公演です。



ちょっと話それるんですが、

室屋が所属していたころ。

2013年の11月にコトリ会議は

「いい匂いの人がブラブラしてる」っていう

公演を打ったんですよね。


こちらもなかなか狂った企画で、

会場は元・カラビンカの「OZCギャラリー」というスペースでやりまして。

短編集って感じだったんですが…


(当時のチラシ一部)


二日間で10ステです。


日程の部分をご覧ください。

夜22時、深夜2時、朝6時の公演があったりします。

つまり二日間、劇場に泊まり込み、

ほぼぶっ通しで芝居をしてました。


もちろん休憩や仮眠の時間もありますが、

その間ずっとお客さんがいたりします。

終電後にチャリで来たお客さんをほっといて

ケツ向けて寝るわけにはいきません。

もちろん起きたまま、コーヒー入れたり、おしゃべりしたり対応してました。


食事はどうするの、って感じなんですけど

芝居のなかでカレーを作るので、実際食べるので、

お腹は空いてませんでした。

二日間で何度もカレーです。


ね。


なんでコトリ会議ってこんなに自分たちを追い込むのか……

可愛い名前の劇団なのに…。

ほんとは猛禽類なんです。


ただし、その公演実際やっててめちゃくちゃ楽しかったんですね。

「夜を経由して迎える朝」にしかない面白さよ。


いまだにいろんな人にあの公演は楽しかった、って言われます。伝説の公演なのだ。

自称じゃないよ。公認だ、ばかやろ。

室屋さんの入れたコーヒー、むちゃくちゃまずかったですけど、なんか楽しかったんですよって。

うるせぇ。それより芝居の感想よこせよ。

と言いつつ、私も笑う。っていう。


なのでね、私はこういうむちゃなことをする

コトリ会議が大好きなんです。

今度はそれが、もう一ヶ月遊べるドン!!なんですわ。やばい。


ああ、なかなか芝居の感想に移れない。

ちょっとね、要素が、多すぎるこの公演。

舞台の感想は後半戦に書くことにします。

またね。明日書こうかな。


酢の物はそんな好きじゃないけど

汗だくで唐揚げを揚げています。

10月だぞ。


胸肉を揚げたやつに玉ねぎスライスしたやつ

いっぱい入れて、ピーマンとにんじんも入れて

お酢と醤油のタレに漬けたやつ。

最近これにハマってます。うまーいの。


夫は24時ごろ帰宅予定。

今年の6月、再婚しました。

バツイチ同士の地味婚です。

いろいろ「はしょって」書いておりますが

まぁそういうことです。


前夫と別れ、現夫と一緒になるまで

間がさほど空いてないのでへんな感じなのですが

不貞の類いではないです。


前夫には元気、というか健康でいてほしい。

ときどき思い出します。

こんなこと書くのも気がひけますが…

まぁ、好きなこと書いてこそブログさね。


おとといは、

大好きな三等フランソワーズさんの芝居を

見まして。おもしろかった。

昨日は大好きな岡崎体育さんのライブに

行きまして。最高!盆地テクノ最高。


気持ちが興奮してるのかな〜

胸のあたりが静かに燃えてる感じ。

そろそろ芝居したいな〜〜。

ってなってます。

なので思い立ってブログを書いたりね。


でもバイトばっかしてます。

なんか、高校生くらいからずっと言ってんな。

「バイトばっかしてます」を。

人生かけてバイトしてんじゃないよ。

自分の走馬灯がうどん屋だったり

マックフルーリー作ってたり

コンビニのフライヤーでチキンあげてたりとか

そんなんだったらやだよ……


そろそろホン書きたいね〜〜


とか言ってたら正月になるんかしら。


性格、根はせっかちなので

扇風機を片付けてしまったわたし。

いまエアコンをがんがんつけてます。

本末転倒。(何が?)


ま、のんびりいきます。

どうせ一生、自称演劇人なので。ふふふ。


夫が帰ったら録画してた鎌倉殿を見よう。


一人芝居の祭典

昨日のお昼、新しく出来たインディペンデントシアター2ndへ

「INDEPENDENT 4th Season Selection」を観に行ってきました。あれです。皆さんご存知一人芝居のお祭りのやつです。


新しい2nd。かっこよかったですよねー。

あの客席の勾配と、高い天井と。そしてふかふかの椅子に、ゆっくりできる受付周り。素敵。

早く演る側になってじっくり楽屋も見て回りたい。

「アグレッシブなインディペンデントシアター」を体感できた気がします。

ここまで長かったね…また新しいバトンを手渡していきたい。


大変恐縮なのですがスケジュール的に

ワンブロックしか見ることができなくて。

ドヰさんの講談のやつ、

有元さんのフィッシュヘブン、

石畑くんのYAKISOBAの3演目を観ました。


絶対「あー全部見たかった!」ってなるだろうと思ってたけど、案の定帰り道にムキーってなりました。

「もしもし」とか、くいかがりのやつとかも見たかったな〜。


劇場に入って、DJ T.A(でしたっけ?)の音楽を

全身に浴びまくる。

個人的にこのDJタイムがすごく好きで。

もう、音量が爆音なのがいいですよね(笑)。

そうそう!この音量!って感じ。

これお祭りだもんね!ワクワクしてくる。


特典でいただいたパンフレットをぱらぱら読みながら開演を待つんだけど、途中で読むのをやめて

じっと音楽に聞き入ってみる。


ぜんぜんこの「畑」は詳しくないけど、曲に込められたメッセージから大いに元気をいただくし、このイベントへの想いのようなものを感じ取り、涙腺にクる。

素晴らしい選曲…ブリッジもかっこいい。

演者さんたちにとったら、恐ろしい緊ソンになるのかもしれませんが(笑)。

プレッシャーかけないでよ!みたいな感じ…?

どんな気持ちになるんだろうね。


少しずつだけど感想。



ドヰさんの「夜嵐のさめて跡なし花の夢」。

もう、そりゃもう巧いよねっていう。

殺陣をバチバチにやるんじゃなくて、斬首の刑としてひと太刀で…っていうのがいいですよね。渋っ。

役の演じ分けも巧み。構成がっちり。

講談も照明であんなかっこよくなるねんなぁ。

30分フルでモリモリでやってはる。

セレクションでいろんなものを観たいというこちらの願望を叶えてくださるような作品。


あの超重そうな机?バチバチ鳴らすやつ。

着物もそうですけど、あれがちゃんとしてるの

いいですよね。友達に借りたIKEAのテーブルだったら

絶対アカンもんな。

連日の雨の稽古であれを運んでたのか…と思うと涙が出てくる…(変な見方してスイマセン)


ちょっと申し訳なかったのは

ドヰさんのTwitterやらなんやらを見てて

別日に「やらかしてしまった」みたいなことを

書いてはって、どうしても「今日は大丈夫でいらっしゃるのかしら…」ということが気になってしまい

お話に没入するまでに時間がかかってしまった。


それだけに冒頭のタクシーの話題あたり、ありがたかったですよね。実際浜口さんのこと存じてますからエピソードが身近で笑っちゃったし。

あんなホン書けるの、やれるのすごいなぁと。ひたすら尊敬します。



有元さんの「Phish Heaven」。

これは前作見てて、見ながらあーやっぱり面白いな!こういう回収していくタイプのホン、好きだな!と

再確認。というかやっぱり有元さんは肝が据わってんな。ナチュラルなようでめちゃ堂々と芝居してますよね。あれは有元さんの強いとこだな。妬ける。

仲良くしてもらってるけど、やっぱ舞台の先輩なんやな〜すげ〜な〜とか思ってしまいます。


先日お芝居仲間がこのフィッシュヘブンを先に見ていて「泣けたんですよ!」と話してて、

私は「え…?フィッシュヘブンの話やんね…?」と

頭にクエスチョンマークが付きまくったのですが、

なるほど見て納得。


有元さんね、全身から「おしばい!たのしい!ありがとう!!」ってオーラが出まくってた。漲るエネルギー。


そっか、仲間たちはこのオーラにあてられたんだなと。今このオーラにあたったら、同世代の役者はぐっとくるよな、泣けるよな。実際私もちょっとウルウルきた。なんでだよ。まぁ、なんか説得力があって。


全身からミネラルウォーターだか、ポカリスエットだかのシャワーがバーっと出てるみたいでした。

それを私は顔面でバチバチ受け止めてました。

これが芝居の幸せだなって思った。


帰り道にバイク乗りながら、あれはポカリやな。

オロナミンCでも、マッチでもないな…

すごく清らかな透明の、元気の出る水だな。

そんでシャワーだな。スプリンクラーでも

レーザービームでもなくて、シャワーだわ。

なんやったら朝シャンだな。

みたいなこと考えてた。


何が言いたいかっていうと、元気もらったって

ことです。



石畑くんの「YAKISOBA」。

けっこう楽しみにしてた演目。

勝手にコメディだと思ってた。だからびっくりした。

超シリアスじゃん。


石畑くんが役者さんとしてすごく好きで。

どんな舞台でも豪腕で自分のモノにしている感じがすごいなぁと。お客さんに愛される役者。


コロナ禍の話が出てくるとは思わなかった。

ありがとう、って思った。

シンプルなシチュエーションですけど

演出は凝ってるし、エネルギーがすごいですよね。

石畑くんの集中力がすごい。一度も集中力切らしてない。緞帳あがったら、もう仕上がってた。

迫力のある役者なんだな、ということに気付かされる。


個人的にはもうちょっと、怒りを全面に押し出さない演出が好みなんですが、でも今演じるなら、舞台に乗せるなら、まぁこうするよな。やるならやる。だよな。たぶん私でもこうなる。

メッセージの芝居やもんな。これは好みの問題。


ほんと、オープニングの焼きそばの、

あの湯気だけでいいと思うんよな。

あれがぜんぶ物語ってる。


誰も出ない電話に「もしもし」って、

あそこもゾクゾクする。


いや、やっぱりあの芝居は声をあげて叫ばないと

ダメな気がしてきたな。うーん、匙加減が難しい。


とりあえず「焼きそば」がモチーフになっているのが素晴らしいなと思った。平和の象徴。泣ける。

あの物語の「彼」にはつくづく幸せになってほしい。



感想ここまで。皆さんツアー頑張ってください。

室屋はバイトに行ってきます。

取り止めもなく書きました。


Pityman「どこか行く舟」を観る

Pitymanさんの上演してくださった

「どこか行く舟」の話を書こうと思います。



コロナ禍ということで

行くかどうかけっこう悩んだのですが、

これを逃すと後悔しそうだと感じて

東京まで舞台を拝見しにいきました。

「せっかくだし観に行きなよ」と背中を押してくれた

I君も一緒でした。


彼はほとんど演劇を見たことがないのですが

(一度ふたりで中野劇団を観たくらい)

私の書いた芝居を見ることも初めて。

わくわく…というよりいろんな意味で緊張してました。



Pitymanの山下さんは、

去年の12月ごろ上演依頼のお話を持ってきて

くださったのですが、

それよりもっと前から彼のことを認識してました。


10年くらい前に山下さんが私の戯曲を読んでくださって、そのあと東京の知人が「山下さんが室屋のホンやりたいって話してたよ」とSNSで教えてくれて。

恩師の鈴江俊郎さんからも「上演に持っていきたいと話してましたよ」と聞いたりして。


ほんとにずーっとずーっと

「どこか行く舟」が好きです、やりたいです、と話してくれていた貴重な方でした。


それは私にとって自信になってましたし救われてましたし、ほんとにいつか上演が叶ったらいいのにな〜と

思っていました。

そしてその想いはようやく叶ったわけです。

うれしいねー…


会場の新宿眼科画廊、はじめてお邪魔しました。

こぢんまりしててイイ雰囲気の会場です。


関西でいうと

かつてのジャントゥトゥクーのような趣き。


(関係ないけど近所に吉本の本社があったのでとてもテンションがあがりました)


ここは「オヒトリ」さんが

私の短編の別作品「スーパーウーパールーパー」を上演してくださった会場でもあります。


こっちも二人芝居ですが、「舟」とはぜんぜん違うテイストです。ウパルパも自分で好きな作品です。

(コトブキさん、その節はありがとうございました)



===



お芝居の感想。


ふたり芝居、110分の上演時間。

すぐそばにいるお客様たちの熱いまなざし。

演者にとってはたいへんな負荷でしょう。


撮影:大口葉さん



まぁでも、そんなプレッシャーを受けていることはぜんぜん感じられなかったです。

舞台のうえには登場人物の由香子(ユキちゃん)がいて、哲二(てっちゃん)がいました。

あのそっけないリビングがそこにありました。


「どこか行く舟」が上演されるたび、

まるで答え合わせをするように…

『自分の中の由香子と哲二』と比較して

役者たちを見ていましたが

今回の舞台を見て、それはつまらないモノの見方だなと感じさせられました。


いろんな由香子と哲二がいるんだな。

そして私は、この作品を通じて彼ら、彼女らと

出会ってるんだな。そんな風に思いました。

はじめましてと久しぶり。両方の気持ちです。

(うーん、これ伝わるかな)


由香子を演じてくださった北村美岬さん。

なんとまぁ。とても色艶のある演技。

あれが由香子そのものの色艶というよりは哲二に向けられた「媚び」だということがはっきりわかる。

「女であるということ」「本音を売り物にしている、という体(てい)」、そして『母親の役目』を盾に哲二と向き合ってる。自分自身を守りながら。

そのバランスがすごくよい。


変な例えだけど、

化粧水のCMの女性みたいだよね。

うるおいすっぴん素肌!と言いつつ、薄いメイクで

自分を良く見せてる感じ。

それを哲二は「やっぱりオンナはすっぴんがいちばん可愛いな!」と浅はかな発言をしてる感じ。

もう、哲二さんたら!手のひらで転がされちゃって…。


そんな哲二を演じてくださった辻響平さん。

こちらも好演、素晴らしかった。

甘ったれの、ワガママの、子供そのもの。

でもそうだよね、本来みなさんこういう側面があるよね…とたくさん頷かずにいられない。

由香子への好意が、エゴが、束縛が、指先足先にまで滲み出てる。ああ!もう!しっかりしろ!

わんわん甘えてるシーンも良かったですよね。

(しかしあのシーンのセリフは自分で見返してもすごく恥ずかしい…)


こんな言い方していいかなって気持ちがあるけど、

良い意味でふたりとも私を置き去りにしてくれたんですよね。

この世界に、由香子と哲二のふたりきり。

あそこはそんな感じになってた。

好意の矢印の向きがはっきりしてた。

そこがとても良く。小さな会場だったから

それが余計に生きてた。まさしく小舟のような。


ふたりの短い相槌のせりふが、またとても良かったんですよね〜。ひとつひとつ丁寧に汲み取ってくださってて、感動しました。


本来なら台本のセリフとして


「う、うん(苦笑する)」

と書きたいところでも

こちらはぐっとこらえて


「うん」

とだけ書いてますから。

その役者さんの作業・演出家の作業をきちんと丁寧にやってくださっていて、わたくしはほんとに嬉しかったです。


演出もすごく興味深かったです。

あ、こんなふうにできるんだ!って発見が

たくさんありました。

由香子のスピーチのシーンとか、信者を小馬鹿にしてる感じがあっておもしろかったなー。

舞台下手の、まるで座礁しているような小さな灯籠もよかったですよね。


とにかく、自分の知らない景色をたくさん見れました。ありがとう、チーム・ピティーマン。

面白い場所に連れてきてくれてありがとう。



ほんの少しだけご挨拶させて頂きました。

ご時世と、2ステある日だったので早々に退散してしまいましたが。

北村さんが五味太郎シャツに反応してておもしろかったな。あーたくさん喋りたかった!


====


終演後。

劇場の外で女性に声をかけられて振り向くと、

なんと相手は中学時代の同級生。


彼女は「どこか行く舟」の名古屋初演を

観に来てくれたコで、当時は神戸に住んでたのですが

いまは東京に住んでて。

今回Twitterを見て、舞台を観に来てくれていて。

わたしに会えたのは本当に偶然のことでした。


不思議だなぁ、こんなところで出会うなんて。

もうお母さんになってバリバリかんばってる彼女だけど笑顔はあの頃のままです。


まだまだ流れて、ぶつかって。

でも時々こうやって、誰かと合流して、また流されていくんだろうな。


帰り道、I君にお芝居の感想を聞いたら

「みんな声がおおきかったー」と話してました。

中野劇団を観たときとまったく同じ感想でした(笑)。


あの手紙は結局誰が書いたん?

灯籠はなんのモチーフなん?

自伝、みたいなところもあったりするの?

いろいろ聞いてくれるI君。


たのしいね。着いてきてくれてありがとう!


芝居以外どこも遊びに行かなかったけど、

ふたりでアイス食べて大阪帰りました。



感謝をこめて。

チームPityman、本日が最終日です。

最後まで頑張ってくださいね。









新宿で「どこか行く舟」の上演


もうすでに暑い毎日。
かろうじて扇風機で寝苦しい夜を乗り越えています。


さっきI君が仕事のために朝早くから
出かけて行くのを見送ってきた。
朝3時半出発。
早い。早すぎる。
I君、3時半は私のなかでは全然夜だよ…

たまに6時くらいに見送る日もあり、
前夜に「じゃあ明日はのんびりの日だね〜やったー」とコメントをすると
「和ちゃん、それ◯◯(I君の会社の名前)に騙されてるぞ」とかいうので面白くて笑ってしまう。

この人は何時起きでも何時間勤務でも
ぜんぜん仕事の愚痴を言わないのでほとほと
感心してしまう。
こんな人の前で6時間しかバイトしてない私が
いつも文句ばかり言っているのだから
見習わなきゃいけないなぁと頭が下がる。

働いているすべてのひとへ。
いつもありがとうございます。
あなたはえらい。すごくえらい。
もちろん、私もえらい。のだ!よね!

今日もがんばろう。


***


今週末に、東京の
新宿眼科画廊スペースO というところで
以前わたしが執筆したお芝居
「どこか行く舟」が上演されます。

上演してくださるのは山下由さんが主催している
「Pityman(ピティーマン)」という劇団さんです。


めちゃくちゃ可愛いデザインのチラシ。
わー、由香子とでっかい舟だ。
うれしいなーー。

詳細などのもろもろは
公式ホームページのこちらか…


劇団のTwitterアカウントをご覧いただけると
よいかと思います。


もともと小さなスペースの会場で、
コロナのこともありお席が少ないです。
すでに予約完売の回もありますので、
公式さんのアナウンスをご覧になって
観劇をご検討くださると嬉しいです。

観劇前のコロナのガイドラインも発信されてます。
(マスクしてね、とか検温しますとかのやつ)
どうかご一読をお願いいたします。


基本的に自分の作品が上演されると
すごく嬉しいので、移動が可能な距離なら
できるだけお芝居を観に行っています。

今回はコロナのこともあり悩んだのですが
演出の山下さんにいったんご相談させていただき、
恐縮しつつも舞台を観に行くことに決めました。

県外への移動なので、なんとなく誰かに
眉をひそめられそうなのですが。
それはあくまでイメージなので、実際に
誰かに文句を言われたことがないので、
ほんとに文句言われちゃうの?とか思って、
どうしても行きたいので行くことにしました。
もちろんちゃんと対策はいろいろやります。

このコロナ禍でめちゃくちゃ稽古も
上演の実現も大変だったと思います。
上演するかどうかも一旦悩んだと思うんです。
(まだまだ予断を許さない状況でもありますが)

そんで「どこか行く舟」のことをいちばん
好きで、観たいのは間違いなく私です。

「私お客で行くつもりなのに!大阪から室屋さん来ないでよ〜」と言う方がいらっしゃったら連絡してください。
そのために事前にこうやって書くことにしまして。
すんなりいいよと言うかわからないけど話し合いましょう。TwitterのDMとかリプライで声かけてね。
よろしくお願いします。

***

「どこか行く舟」は、私が人生で息切れしてしまった時期に書いたホンで、
落ち着きのない私からしたら信じられないようなすごい集中力で、
一ヶ月くらいかな、毎晩毎晩24時間営業のマクドに
行って、行き場のない、眠りこけたおじいさんおばあさんたちのとなりに座って、カチカチカチカチ、すごいぐちゃぐちゃの気持ちで執筆したホンでした。

AAF戯曲賞という名古屋の戯曲賞のために
書いたホンだったんですよね。
どこかの座組の上演を前提に書いたホンではなかった。自分と向き合う時間がすごく長かった。

あんな気持ちでホン書くこと、
後にも先にもあったかな?と思う。
すごくしんどくて、すごくかけがいのない時間。

なんか、こんな私、私、と
自分の話ばかり書いてしまって、恥ずかしいね。
でもあれは誰のためでもない、自分のために命を燃やして書いたホンだったなと思います。

あの、その、ホンが面白いか面白くないかは別としてね…(保険かけまくりだな〜)
当時は、ほんと、そうでした。
芝居に出会えてよかったなと思う。あんな夜があったから。

演出の山下さんとは面識がなかったのですが
すごく前から「どこか行く舟」が好きですと
お話をしてくださってて、
いつか上演したいんです、と話してくださってて。
今回それが実現したことが心底うれしいです。
ほんと何事もなく上演が叶いますように。


お近くの方は観劇をご検討ください。
上演時間は110分程度ですって。
すごいなー、二人芝居で110分て…
ご出演のお二人にも感謝の意をこめて。

兆し

つくづく、自分は愛にしか、愛でしか生きられない

人間なんだなぁと思う。

また恋人の話を書きます。



恋人のI君のウチに引越して3ヶ月になった。

張り切ってテレビの前に置いたコタツは

速攻お役御免になって、いま「ウチ」のリビングには

ストーブと扇風機と青い座椅子が並んでいる。


ようやく決まったバイトが軌道に乗り出した。

普通の生活まであとちょっと、ってな感じ。

ちょっと恥ずかしいのでバイトの話ははしょるけど、

ふたつの仕事を掛け持ちしていて、初めて、やっと、

もうすぐ両方の仕事のお給料が入ってくる。


長かった…しんどかった〜


土日はメンタル的におうちに居たいので、

平日みっちり仕事をしています。


めちゃくちゃ吟味して仕事を決めたので

シフト的には申し分なく、

家事との両立や遊びの部分もちゃんと

やれそうなのですが


まぁ元々性根がメンタル激弱のサンドバッグ

人間なので

(頑張ってるけどね!)

仕事の些細なことでばりばりに落ち込む。

んでいろんなことがうまくいかない。


家に帰ったらご飯をモリモリ作って、

I君は缶ビールを、私はレモンサワーをつくって

乾杯して、ふたりで漫才とかドラマを見て

過ごす。


あんまりにも職場で怒られるので

やんなってしまって、ついつい


「わたしは経営者になる」

「ふたりで無人島へ行こう」

「宝くじで500億当ててくれ」


と毎日めちゃくちゃなことを言いつつ

ユニクロのかわいいステテコ(リラコ)で

ごろごろ床を転がっている。


なんかもう10年くらい一緒に生きてる感じが

する。不思議だ。


毎日ぶちぶち文句を言うわたしを横目に、

I君はさんまさんの向上委員会を見ながら

すいすい美味しそうにビールを飲んで

『明日はいいことあるよ』なんて励ましてくれる。


いいやつだなぁ、ほんとお前!!!


と言おうと思って振り返ると

たいがい彼はだらしなく寝落ちしている。

いびきもかいている。


いいねぇーー

普通っぽいなぁ!この暮らし。



…なんでこんな日記を書いているかというと。


こないだもぶちぶち話の延長で、


「ふたりでお店をやろう!私は美味しいトーストを焼くぞ!I君はコーヒーを入れる喫茶店のマスターになってくれ。あーでもやっぱりお店をやるのってすごくお金かかるよね!どうしたらいいかなぁ!!」


と話したら、


『かずちゃんはちゃんとお金が稼げるでしょ。お芝居の本を書きなよ。』


と言われる。



I君は私の書いた作品を見たことがないし、

私が役者で出た舞台も見たことがない。

(ここ数年私なんもしてないからね〜)


たぶん、芝居のことをよく知らないから

こういうことを言うんだなと理屈で理解できる。


けれど、なんだか疲れていたのか、胸の奥底から

熱い塊がごっっっと溢れてきて、

私はぐじゅぐじゅ泣いてしまった。


このひと、私のこと

才能あるひとみたいに思ってくれてるんだなぁ…


などと思ってしまった。

今思い返してもかなり恥ずかしい。

すぐ我に返って泣き止んだ。


「あのね、もうね、書けないんだよ。最近。なんにも書けないのよ。意欲がない。」


『えーでもツイッターでおもしろいこととか書いてるじゃん。毎日なんか書きなよ。書けない日は日記でも、しりとりでも書きゃいいんだよ』


「じゃあ書いたらそれ読んでくれるんかい」


『俺もしんどい日あるから読まない日もあるけど、読みたい日は読む』



…なんという素直人間か……


この、ほんとに彼の思いつきの、

上手に励まそうとか、アドバイスしてやろうとかの

意図があまり見えない、

ただ思ったことを楽しくぽんぽん言ってるだけの感じがね。


いまの自分にはすごく必要で

ありがたかった。


そのあとも二人でユーチューバーになろうとか

ラジオはどう?とか適当な会話をして過ごした。



ちゃんとノートを作って、「執筆ノート」

みたいなタイトルをつけて、手書きで、真面目に毎日書こうかなぁ、という気持ちにも一瞬なったけど


どうせI君は毎日ビールを飲んで

リビングで寝落ちをするので

ノートなんて見ないだろうから


それが有りがたいから


とりあえずブログにでも

お礼の言葉を書きます。

いつもI君ありがとうございます。


あと、まわりの人もいつもありがとう。

(なんかついでみたいになっちゃった…)


ときどき文章を書こうかなぁ。

りんごごりららっぱぱなき。

年の暮れ

近鉄電車に揺られながら日記を書いています。
前更新したのいつやったかな。

最近、近鉄の電車に乗るのがとても好き。

世間のことぜんぜん分からないけど
大学生は冬休みなんだろうか。
なぜかいつ乗っても空いてる。

私が大学に通っていたときに
足繁く利用していた電車。
ぼんやり車窓を見ながら座ってると
大学時代のあれこれが思い起こされて
ノスタルジックな気持ちになる。
今は年末ということでその想いもひとしお。
大学中退の届けを出した日、遊歩道の桜が
満開に咲いててすごく綺麗だった。
わざとらしく咲いてるな、と思った。
昨日のことのように覚えている。

詳しくは書けないんだけど

この冬はずっと調子を崩してしまった。
といっても風邪でもコロナでもなく、
女性特有のなんちゃらかんちゃら。

とうとうここ数年バイトしてたところも
辞めてしまった。
数時間座ってられない。
数時間立ってられない。
情け無いなと思った。
わりに好きな仕事だった。

ダイエットするぞ!と意気込んで
高い金払って通い出したパーソナルジム。
あと5回くらいで終了、というタイミングで
身体の限界を感じてしまって
めそめそトレーナーさんに電話をした。
すごく軽いプログラムに変えてもらって
なんとか最後まで通いきった。

弱音を吐いてしまった私に対して
いつもの鬼コーチ(褒め言葉)は嘘のように
優しくなって、最後の日は温かい言葉をかけて
見送ってくれた。ほんとに涙が出た。

ここもやれなくなってしまったら
もう私には何も出来ない気がしていた。
だから最後まで頑張れてよかった。
他人は「ダイエットくらい近所を走れよ!」と
言うかもしれないけど、自分にとっては
新しい自分、新しい環境にしたい、という
チャレンジの一端だったので大事な
ルーティンになっていた。

お医者さんに数回通って、私の身体は
普通の元気な人になった。
安心してください。健康なの。
頑丈なんだよ私は。

でも気持ちがまったく「戻って」来ない。
36歳。

おばさんだ…
まだ若い!と一応思ってみるけど。
求人誌を見ても何もやれる気がしない。
バイト先でみんなにいじめられてしまう気が
してしまう。

店長のペットの犬が吠えまくるコンビニで
働いて、入って3日目に
「オマエはそういう(仕事のできない)人間だよ」と
怒られたりした。
倉庫の南京錠の開け方を忘れちゃったんだ。
だって「メモするな」とか言うから、
忘れることもあるじゃん、っていう。

モップの掛け方が下手なだけで人間性の
すべてを否定されるわたくし。
なんやねん。店が綺麗になればええやん。

「平凡な仕事をしたくない」という
思いがある。くだらん。
選べる立場か。家賃の払いどうすんねん。
今すぐ働かなあかん。
いま仕事を探してます。無職つらすぎる。
働くのわりに好きなんだけどな。急げよ私。

コロナで舞台がことごとく中止になったことも
私のやさぐれに拍車をかけた。
最近は友人たちは頑張ってぼちぼち舞台をやったりしている。
私も官能小説朗読ライブをやりましょうよ、と
声をかけていただいている。
でもなんにもやる気が出なくて。ごめんなさいね。
ほんとどうしちゃったんだろう私。

鬱ではないと思う。言い訳でしょう。

いい事もあった。
最近恋人ができて、その彼がとてもいい人
だった。彼も私もお笑いが大好きで、
復活したばかりのなんばグランド花月に
漫才を見に行ったりもした。

ふたりで唐突に佐久間一行さんの
井戸の歌を口ずさんだり、
ごっつええ感じのお葬式コントのやりとりを
したりする。そういう何気ないふざけ合いが
私の気持ちをニュルニュルと癒してくれた。
ありがたかった。I君はしれっとした表情で
くだらないお笑いに付き合ってくれるので
すごくセンスがいいなぁと思えて、
あっという間に彼のことが好きになった。

家賃が全然払えなくなってしまった私は
この冬のうちに引越しを検討していて
(今年2月に引越したばかりなのに)
(手伝ってくれたお友達たち、ごめんね)

その彼のウチに居候することになりそうで
いま少しずつ互いの家の片付けをしている。
彼は仕事がとても忙しいので留守の間に
勝手に片付けをさせてもらっている。

片付けをしているととても落ち着く。
断捨離ってやつ?すごく無心になれる。

恋人のIくんは私同様バツイチで、大きな家に
ひとりで住んでいる。(本人は謙遜してる)
初めておうちにお邪魔したとき驚いた。

まぁ男の一人暮らしなので散らかってるのは
当たり前なのだけど、そんなことより
「ヒヤ〜〜っとしてる」と感じた。

仄暗くて寂しい雰囲気だった。
TVで面白い番組をつけていても
ふたりでキッチンに立って鍋の準備を
していも、ずーっとこびりついた澱(おり)の
ようなものが家中を支配していた。
家族の面影があちこちに残っていた。

勝手にこんなこと書いたら怒られるかな。
でもこんなところに一人でいて大丈夫かなと
心配になってしまった。
お邪魔してる、という感情がずっとありつつ、
ここを明るくていい感じの場所にしたいなと
出しゃばりおばさんの気持ちになった。

仕事を探さなきゃいけないんだけど
私は夢中になって彼の家で掃除をしている。

おせっかいだと思う。
でも、きれいにして、花を飾りたい。
人には歴史があるんだ、
そんな当たり前のことを想う。

大人になったらいろんな人を笑わせる
喜劇女優になりたいなと子供の頃思っていた。
少しはそれっぽいことはしてるけど、
どうだろう。子供の私が今の私を見たら
がっかりしてしまうかもしれないな。
人を笑わせるどころか、自分のことがね……

それでも毎日がやってきて、毎日は背中を
蹴り上げてくる。
惚れっぽい私は恋のおかげでなんとか
生きてるんですが、来年はどうやって
過ごしているだろう。

引越しをしたら、彼んちのテレビの前に
私んちのコタツを置こうと話している。
テレビを見て、おミカンを食べて
今日あった仕事の話をお互いにして
時には舞台稽古に出かけて爆笑をかっさらって
それを自慢げに彼に話して。
そういう風に歳を重ねられたらいいな。

何者にもなれてないけど、そういうふうに
生きていけたらいいな。
普通を目指そう。





くやしいよな


写真は大喜利イベントのときの室屋。
お客様に撮っていただいた写真です。
とても気に入ってます。

最近夜眠れなくて。久々にブログを書きます。
なんとなしに過去ブログを遡って読んでたら久々に書いてみっかな、と言う気持ちになりまして。
お久しぶりです。室屋和美です。
だらだら書くね。

PC立ち上げて書こうかなと思ったら、ブログ管理画面に行くだけで10分くらいかかるんですよね。
なんでこんなにネットおそいの??
パソコンのスペックの問題なの?
こういうの、とんと疎いのでほんとどうしていいか分からない。
バカバカしいのでスマホからブログを書いています。
今度からそうしようかな。スマホなら30秒だよ。

効率よくタスクをこなすってのが好きなんです。

と言っても、仕事をこなすというかっこいい感じじゃなくて、自分のなかで無秩序になっている日々のことをルーティンワークにして、誰も見てないときにそれ黙々とやるのが好きなんです。

たとえば、朝にテーブルを絶対拭く、トイレを掃除するとか。
必ずこの自販機でコーヒーを買う、とか。
お湯を沸かしてる間に冷凍庫のお肉を解凍して、お湯が沸いたら食材の下ごしらえをして、お肉の解凍が終わったら食材を炒めて…みたいなことを順序立ててやる、とか。
それがとても気持ちいい。好き。

ひとに指図されるのが嫌いでね。
典型的なマイペース。
『自分ルール』を作るの大好き。
悪意ある表現をするならば、自分大好きで、興味ないことにはとことん冷たいんです。
「無駄なことしたくない」とか思っちゃうんですよ…
(他人から「無駄とか言うな!」って言われちゃうから黙ってるけど)

こんな私がですね。
演劇をやっているわけです。


たった本番一日のために、2ヶ月も3ヶ月も稽古をする演劇を、20年くらいやってるわけです。

演劇の魔力はすごい。
こんなにめんどくさいのに!
いっぱい大変なのに!
あの刹那的な悦びに全てを捧げてしまう。


なぜこんなポエムを書いているかというと。
まぁコロナのせいで今いっぱい公演が中止になっていて。
Twitter厨の室屋は毎日Twitter眺めてるんですけど、
みんなの悲痛な叫びが散見されていて、非常につらくて。たまんなくて。


たくさん稽古したやろなぁ。
せりふ覚えるの大変やったろうなぁ。
この公演はオーディションもあったな確か、とか。

照明音響舞台美術衣装小道具制作、ぜんぶおじゃんだ。小屋さんも大打撃だ。
予定をむちゃくちゃ調整してチケット予約したお客さんもいると思う。

稽古場を抑えるのとか地味に大変なんよな。
公民館とか、いま演劇の稽古できるところ少ないから。今どきFAXで予約かよ!とか。えっ、◯◯市民じゃないと予約できないの?ここ。とか。
まぁそんな風に、一個のことにどれだけの労力を割いていることか。

エンディングの曲を決めるのに、レンタルCDショップで何時間も試聴コーナーで粘ったりね。
DM発送も大変だ。お金かけたら専門の業者さんにお願いできるけど、いまだに切手を一枚一枚貼って、封筒のり付けして宛名ラベルを貼っているところも沢山あると思う。

ただすてきなものを創るために。
誰かに笑ってほしくて泣いてほしかったりね。
もしくは自分を掬いあげるために。
気持ちが溢れでて立ったり踊ったり言葉にしたりするために。

そのために、演劇を、やる。

あってるよね?
少なくとも私はそう。



演劇は必要ない、みたいな傾向の世論があるようです。
いろんなひとがいて、いろんな考えがあるからしかたないと思う。その点は諦めてる。

でも、
いろんな世界のなかにいろんな神様がいるように
キリストだったりブッダだったり
◯◯教の教祖さまだったりね、
信じたいものは自分の中にあるでしょ。


なにを信じてもええやんね。
そのひとが救われるなら
騙されてたっていいじゃんか。

私は演劇に騙されていてもいいのです。
力を信じてるし。
救われたので。たくさん。

口が達者じゃないからうまく言えないけど…

サッカーやら相撲やら
楽団の演奏やら絵画やら
いろいろあるけど、
必要のないもんなんてない。
誰かがどこかで必要としているもので
だから今この世界にそれがあって。
だからやってるひとがいる。

上も、下もないんだよ。
だからずーーーっと好き勝手言ってるひとに
むかついてる。
逢いに行って、あなた好きなものある?
あるでしょ!ね!じゃあわかるでしょ!って言いたい。
貴方がいらんだけで、みんながいらないものじゃないんだよ。
私にはすごく、いるもんなんだよ。


「野菜派」仲間の、プラズマみかんが最近公演中止になった。

ほんとに気の毒になって、メンバーのシマコに
「どこか他の会場でやらない?延期してもやりなよ」とLINEしたんだけど、
会場の規模とかお客さんの客層とかいろんなことを考えて書いた新作だから、ほかでやることには納得がいかない、というようなニュアンスのお返事だった。
どんだけ悔しかっただろうか。
客演さん(ゲスト俳優)がいないことが不幸中の幸いだね、と苦笑していた。


コロナで自粛しよう、はわかる。理解。
私も家族にうつったりすることを想像したらすごくやだし。
でもそれと表現をこき下ろすことになんの関係があるんや。

怖いひとは行かない。
行くひと、やる人は十分な対策をとる。
ひとに迷惑をかけてまでやらない。
それでいいはず。

コロナは連日報道されまくってるので
その威力とか規模とかどんな影響が出るとか、
そういうのはみんなよく分かっていると思う。
風邪やねんで結局、とかね、そのへんのあたり。
怖くない。ちゃんとすれば。

さいきん音楽系の会社が共同で

#春は必ず来る

というハッシュタグを使っていて
ちょっとクサいけどとてもいい言葉だなと
思った。
よかったら検索してみてね。

呪文みたいに何度も口に出してます。
春は必ず来る。
春は必ず来る。
解決策はわかんない。先が見えなくてつらいよね。

あんときしんどかったね、って
この先笑える時間がいっぱいあるといいね。

いまはいっぱい本読んだり、おうちで映画見たり、
漫画読んだりゲームしたり音楽聴いたり、そういうことしたいね。

今までもそうやってたくさんの先輩たちに
たくさんの神様に気持ち救ってもらえたからさ。
またたくさん充電して、たくさん面白いものをまた作ろう!

そうやって、また別の誰かに春が訪れるはず。

まとまりがなくなっちゃったな。
なんか、気持ちがウワァーってなっちゃって。

私の好きな岡崎体育さんの
「The Abyss」という歌の歌詞を紹介します。

『夢の中で迷わないように
そっと種を蒔くみたいに残した言葉
誰かの記憶の奈落に潜むようにここに立つ
僕はここに居た』


あーいい。いいな。
音楽も私の神様です。

最近引越しとか離婚とか離職とかいろいろあったので、そのいろいろも書きたかったんですけどね。
今夜はこのへんで。

また会いましょう。私はウルトラ元気です。
生活が不規則なだけ。
本を書くぞ。
カヨコの大発明の顔合わせが明日あります。
芝居できるって幸せやな。幸せを噛み締めて。明日へ。


朝がまた来る

写真は「屍体は歩かない」初演時に楽屋で撮ったやつ。

30GPのときの話を書こうかなとずっと思ってるんですが、

〇〇さんはウマいだの、〇〇さんのホンは面白いだの、誰彼構わず批評チックなことを

書きそうで、しばらく書けずにいる。でもたぶんそのうち書きます。

 

今から暗くて長い話を書きます、30GPの話じゃなくて日々の雑記なので、

なんやったら回れ右してください。

 

===

 

日々がするすると零れ落ちていきます。

朝のごみ捨てを終えて急に世界が終わりそうな感覚に囚われる。

怖くなって慌ててパソコンに向かう。「ロマンチック」にならないように。

 

今自分はすごく不安定な場所に居り、いつ墜ちるかわからないまま

前に歩いています。というかそもそも前に進んでいるんだろうか。

 

このブログは2003年5月から書いている自分の日記を一本化したものです。

16年前やから・・・わたくし高校生。おお。

高校生のときはワケわからんままインターネットを始めて、「BBS」に日記を

書いてました。その後、「mixi」「teacup.」「アメブロ」やらに手を出して。

物量はスカスカだけど、ゆっくり素直に、率直に気持ちを書いてきました。

今後もそうしたいと思っている。

ずっと「わざわざ人に話すことではない」と思ってなるべく伏せてきたし

ブログで発信せんでもエエやろという想いがありますが、でも書きます。

 

自分の夫はいわゆる「心の風邪」を患っています。ウツです。

ちょっと前にエッセイや映画であった「ツレウツ」ってやつです。

ウツには理解があるつもりだったし覚悟して夫と一緒になりましたが、

正直こんなに日々が大変だと思ってもみませんでした。舐めてました。

 

私たちは今年6月で結婚6年目になります。

他人との共同生活というのはそれだけでもう大変ですが、

ウツの人と暮らすのはもっともっと大変です。

 

こういうことを書くと、「本人の身にもなれ」「いろんな境遇の人がいる」と言う人が

出てきそうですがいやいや、私もけっこう脆いんです、むしろ同じエリアにいるんです。

傍にいて私は日々彼の痛みを分けてもらいますし、共感して泣けちゃうし、

どうにもならない無力感に苛まれてる。荷物をほんの少しわけてもらってる。

赤の他人がいろいろ推測で書いてたらアレですが、身内ということで赦してください。

(あー身を守りながら書いてるなぁ、よくない)

 

日々のアレコレはさておき。

 

冬、ってのがホントにしんどいんです。毎年闘いです。

ご存知の方も多いと思いますが、「冬ウツ」という言葉があります。

あれは我々の「冬になると訪れるウツのような倦怠感」を指しますが、

もちろんウツの人も冬に気分が落ち込みます。

 

3月くらいになったらあたたかくなるし大丈夫でしょ?というとそうでもなく、

「皆暖かくなってきて元気に暮らしているのに、自分はこんなにも体調がすぐれず

気持ちも晴れずおかしい、ダメ人間だ」といった風に、周囲の人間と自分を比べて

やはり落ち込んでしまいます。私の夫も年間通して冬がいちばんつらそうです。

 

毎朝夫を起こしてまして。布団の中で格闘してる彼を見ている。

ダンゴムシみたいに丸くなって、ストーブにあたって世界の終わりって顔をしている。

正直私は夫に「仕事なんかいかなくていいよ」って思ってるんです。

週1でブックオフみたいなバイトしなよ。音楽好きだしCDショップの仕事探そうぜ。

私がじゃんじゃん稼ぐやん君は主夫やってくれよって。

でも彼は闘っていて、本当に済まないけど、朝起こしてくれ。自力でも頑張るけど力を貸してくれ。

絶対に仕事に行かなきゃいけないんだ。変わりたいんだ、と話してくれてる。

 

私は15分くらいかけてゆっくり夫を起こします。

身体を揺さぶったり触るのはすごく負担になるんで。カーテンを少しだけ開けて

「今行っちゃえばあとが楽だよ~」「パン焼くから一緒にたべよ~」みたいな言葉をかけます。

 

夫が顔まで布団をかけたらギブアップのサイン。

会社の方に欠勤の連絡を入れます。会社の方々はすごく私たちの境遇に寄り添って

くださっていて、ありがたいことに「ゆっくり休みなさい」と言葉をかけてくださいます。

もちろんいい風に思わない方もいるだろうと思うけど、なんとかやれているのは

職場の方々の協力あってのことです。

ウツはぜったい1対1で向き合ってはいけません。周囲の人の力を借りることが

めっちゃ大切です。

 

春は周囲の人を妬み羨み、夏は暑さにやられ、

秋は人恋しさに悶え、冬は毎日逃げ出したいと苦しむ。

そんな夫をいつも見てきました。

 

冷たい言い方ですが、

自分はけっこう楽観的なので(というか他人に期待しすぎない、物事を深く考えない)

「絶対に巻き込まれないし冷静でいられる」、そういう自信がありました。

 

夫が風邪気味でも「あったかくして寝ぇや~」といってポカリとおかゆ置いてさっさと

舞台稽古に行きますし、

「仕事に行くのがつらい、みんないい人ばかりで仕事も好きなのに」と心の内を

話されても、隣で煙草ぱかぱか吸いながら

「行かなくて大丈夫、来週行けたら行こ。誰も責めないよ。アイス食お」と話します。

(職場の方々には申し訳ないですが)

 

なるべく近すぎず遠すぎず、よい距離感で居られるように。

いろんな工夫を編み出して、気持ちの置き方を考えて。

それらの発明のおかげで今はかなり「一緒にいられる方法」がわかるように

なりましたが、別に日々が豊かになったわけではない。

マイナスがゼロになっただけ。

 

泣き叫んで彼を責めてしまったり、「できない」彼をねちねちと追及してしまったり

自分だってもっと大切にされたいとキツい言葉を投げかけてしまったり

病気だからえらいんか、と最悪な言葉を投げつけてしまったり

そういう試行錯誤の時期が終わっただけ。

 

未だに二人で人混みの中は歩けないし

予定を立てて行動できないし(予定に縛られると気持ちがしんどいのだ)

夜中時計の音で何度も目が覚める彼を見てるし

長距離移動はできないし泊まりでどこかへはいけないし

ふつうの人と同じ生活はできない。

 

彼に「ウチらが大笑いしてなごむ、そういう1日が来ることあるかな?」と聞くと

「ない」と即答されてしまいます。

一生のうちの、たった1日ですら、想いは叶わない。

ウツは治るって最近言われてますけどもちろん完治はむずかしいです。

いつか彼と見晴らしのいいとこにピクニックとか行って、一緒におべんと食べたいな。

 

長々と書いてますが。何が言いたいかっていうと今自分がしんどいんです。

 

気持ちに余裕があるときはいいのですが、舞台の本番前とか、そういうときに

自分の気持ちをコントロールすることがものすごく難しいです。

夫は基本的には演劇活動を応援(黙認)してくれているのですが、私が頻繁に

家を出ていると数日後に大きく体調を崩してしまいます。(はっきりとした理由はない)

 

しかし私は演劇をやらないと自身の気持ちが晴れないので、二人のちょうど

折り合いのいいところをその都度探らなければなりません。

連続三日よる外出はしない、みたいな感じですね。

夫は何も言わないけれど、ドンドン体調が悪くなっていく。こわい。

私が単身長期旅行に行ったらこの人どうなってしまうんだろうなぁ。

 

実は今度、3月から私が新しいバイトを始めることになりまして。

久々にフルタイムの仕事をすることになりまして。

かなり難しそうな仕事で、なおかつコミュニケーション能力も必要なので

ずっと漠然とした不安が自分にまとわりついている。

今新生活の準備を進めています。

 

わたしアルバイト、長続きしないんです。どこ行っても嫌われちゃって。

ヘビに睨まれたカエルみたいになって。もちろん遅刻とか、自分が悪いことがほとんどですけど

「アンタはどこ行ってもやっていけない」「オマエはくだらない人間」そういう刺さる言葉を

どこでも投げかけられて。社会こわいほんと。

 

だから、ここんとこ人と関わりの薄い工場バイトばっかしてたんですけど

このままじゃいけないと思って、夫のこともあるし安定した仕事しなきゃと思って、

あたらしい仕事決めて。採用決まって。

面接のひとめちゃくちゃ優しくて。長期で働けたらめちゃめちゃいい条件で。

でも、ずっと、不安。こわい。こわい。

また誰かに嫌われてしまう、あたらしい仕事に行くのがすごくこわい。

 

私もまた、自分の深淵を覗いていて、

そして隣にはほぼ1ヶ月仕事に行けてない夫がいて、

このまま新しいハードな仕事始めて大丈夫かな、家庭と、夫婦仲と、仕事と、演劇と

ぜんぶちゃんとやれるのかな、と胸が張り裂けそうな想いでいる。

 

私はぜんぜん丈夫じゃないし、ほんとは楽観的ではない。

しかし私にはすごく信頼している「メンター」のような人が何人かいて

つらいときにはその人に愚痴を話すようにしてて、その人のアドバイスのおかげで

自分をなんとか保てている。私は人に恵まれているので、それがなにより幸運。

 

「朝をつらいものにするな。朝にパワーをもらえ。日の光をあびろ。

深呼吸しろ。ストレッチしろ。お前は呼吸が浅いねん。毎日やんなくていいから

気が向いたら深呼吸しろ。人間の「イラっとする時間」は3秒くらいだから、そんなものに

支配されるな。鼻で吸って、口で吐け。自分をいちばんに大切にしろ。」

 

「暗い話を聞かせてください。僕も暗い話をするので、聞いてください。

相槌はいらないので、ただ聞いてください。僕もなにも言いません。

暗い話が面白いんです、気を使って言ってるんじゃなくて、ほんとです。

あなたと僕はさみしいんだなぁと思ってホッとするからね。いつでも連絡してください」

 

一人じゃないってことが、私と夫をなんとか支えてます。

これを書きながら、「絶対大丈夫!」って自分に呪文をかけています。

 

絶対大丈夫!案外大丈夫!

今までここまでやってこれたんだもの。大丈夫。

 

朝にパワーをもらう。生きていく。

 

夫に苦情言われたらブログ消しますが、今は気持ちを書いておきます。

あんとき大変だったな~といつか夫婦で苦笑いできる日がくるといいな。

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