「市場をゆく⑧補遺 ~国際労働市場~」 (街角小景) | むろいたかしのブログ

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前回、「国際結婚」についてふれましたが、その補足です。


「国際結婚」が流行った末期、70歳夫と18歳妻のカップルなど、想像を超えた結婚が行われました(当然、日本側の親族は全員反対します)。


もっとも悲劇だったのは、たとえば70歳の夫が亡くなったとき、

奥さんが追い出され、帰国するケースが続出したこと。


ところが、一見悲劇に見えて、思わぬ幸運がもたらされました。

それは「遺族年金」。


日本国の年金は、日本国民である限り、世界中のどこに住んでいても支給されます。

国際結婚をし、遺族年金の受給資格を得た奥さんは、故国に戻っても、遺族年金を受け取ることができます。


たとえば、物価が10分の1の国から来た場合、年金額が月10万円だとすれば、

故郷では月収100万円が、何もせずに入ることになります

(さらに日本国内に不動産・住民票がないので、固定資産税・住民税・国民健康保険税は免除されます)。


日本国の年金制度の「うまみ」は、裏社会に一気に広がりました。


数年前まで「国際結婚」は、国外から日本に来るのが主流でしたが、

日本での「結婚」が厳しくなると、退職世代が逆に、国外へ移住・結婚するケースが増えました。


今はこちらのブローカーが増えているようです。


国際結婚や移住は、人生をリセットをするには魔法のような話です。


が、人生に簡単な魔法はない。

ある国に移住した瞬間「死ぬまで生かさず殺さず」軟禁される日本人が想像以上に多い、

という話を、アジアに拠点をもつ会社の方に聞きました。


さて、先日新聞にこんな広告が載ってました。
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マレー○○に移住するというセミナーです。


これは、「どこの国に住んでいても受け取れる」日本国の年金制度を利用したもので、

移住した国にとって、いいカモが来ることになります。


マレー○○についていえば、

①住居の値段が日本と変わらないこと、

②今後経済成長によってインフレが起きると予想されること、

③医療費が高いこと

④食費が想像以上に高いこと

など考えると移住は危険なのですが、セミナーではリスクは説明しないでしょう。

現在、マレー○○の物価は日本の3分の1ですが、移住するには「格差」が小さすぎます。


さらに海外移住するには、現在の不動産を売却する必要があります。

日本国内に不動産を持ちつつ移住すれば、

固定資産税の住宅減免がなくなり、今の6倍になってしまいます。


私の町内では、空家5%、高齢世帯25%ぐらいで、更地が相当増えてます。

賃貸アパートは空室率が50%。

これから十年で不動産市場は一気に変わるでしょう。

場合によっては、解体費と税金の節約のため

「タダでもいいから住んでくれ」という人も出てくるかもしれません。


海外移住の最大のメリットは、不動産が安いことにあったのですが、

もうこの恩恵はなくなると思います。


10年前の日本の景気が良いころは、住居費や年金額を考慮しても移住は十分合理的でした。

が、今の日本の物価(デフレ)や年金額を考えると、そんなにおいしい話はないようです。


とはいえ、一つだけ「移住」が合理的なケースがあります。

それは「介護」です。

これについては、またふれたいと思います。