エソのかまぼこ | 外道魚を喰らう

エソのかまぼこ

祝い事には欠かせないこのかまぼこの歴史は古く、室町時代には魚をすり身にして串に付けて焼いていたそうです。その姿が蒲(ガマ)の穂に似ていたことから蒲鉾と呼ばれたとか。かまぼこの現在の主流の材料はスケトウダラ。たらこの親で知られる魚です。そのすり身の冷凍技術は昭和35年に開発されて以来様々な研究努力により、現在スーパーで見られるような形になりました。大量生産型のかまぼこは冷凍技術と銘打たれた処理によって様々な薬品が添加されています。また使う魚によっては練りの段階で自然に出てくる粘りが弱く、でんぷんや品質改良剤などの添加物が多く使われています。まさに現代科学の粋でもって作られた食品であるわけなんです。
 今回の食材はエソ。釣り人にとっては非常に迷惑な魚。歯は鋭くハリスを傷付け、針はずしが困難。さらには表面のヌメリからは特有の匂い、持って帰っても小骨が多すぎて焼いても煮ても美味くない。当然のことながら釣られる度に海に捨てられる残念な魚ですが、かまぼこの材料として名高いということをご存知のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。そんなエソを余計な添加物を使わずにかまぼこにしてみました。

エソのかまぼこ
 材料
  エソ・・・・・・・・・・5匹
  酒・・・・・・・・・・・100cc
  塩・・・・・・・・・・・小さじ1

作り方
1.エソを三枚におろし、皮を剥ぎます。(すり身にするので皮を剥ぐというより削げ落とす感じですると楽に皮がはずれます。)

2.細かく切った後に10分ほど水にさらします。(これで魚の臭みや余計な脂肪分がなくなります。さらしすぎると魚の風味もなくなるので注意。)

3.フードプロセッサに2の身を十分に水気を切った後入れ、塩と酒を加えて、粘りが出てくるまで練ります。(フードプロセッサがない場合は包丁で粘りが出てくるまでたたいたあと、すり鉢等でよく練ります。)

4.作りたい大きさの皿にラップを敷いて、3のすり身を入れて形を整えます。

5.4を20~30分蒸します。(蒸し器がない場合は鍋とざるを組み合わせて簡単に作れます。)

6.蒸しあがりを爪楊枝などで刺して確認し、(中心まで同じ力で通ればよい。)すばやく流水につけて冷まします。(雑菌などの繁殖を抑える効果があります。)

7.水気を切って冷蔵庫等で完全に冷やしたら完成。

早速出来上がったかまぼこをわさび醤油で食べたのですが、市販の歯ごたえだけのかまぼことは似ても似つかぬ味。芳醇な魚の風味が口いっぱいに広がり、強すぎぬ歯ごたえ。ビールのつまみには最高ですね。また魚の風味が強いのでお吸い物などの具に入れても主役を張れる十分な存在感があります。エソのかまぼこは最高級品。釣り人なら手に入るこの魚、そんなに難しい料理ではないのでエソが釣れたなら挑戦してみてはいかがでしょうか?