今月のオーベルジュ・ド・リル | ムーさんのご気分日記

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気の向いた時のモノローグ

今月は、ワインを選んで、それに合わせてコースを構成していただきました。

ワインは、これ。


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シャトー・オーブリオン・ブラン1996
ソーヴィニヨン・ブラン、セミョン。

柑橘系の糖蜜の香り、ナッツ、バター、バニラ、燻したオークの香り。
ふっくらと丸みを帯びた上品で気品の有る味わい。
物凄く繊細で、それでいて消える事の無い酸味。
ふくよかな、と言って後に残らない甘味。

けして強く主張する事は無いが、絶対に自分を曲げない強さを感じる。

このお題で、コースを作るのは大変だろうね、ちょっと意地悪かな。
確かに、性格Sだけど。
ムルソーを選ばないだけ優しいと思うが。

たまにこんなお遊びも良いかと。

で、内容ですが。

オードブル
天然ホタテのタルタルとパートフリックに包んで揚げたホタテ。

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タルタルのライムの酸味とワインの酸味がベストなくらい上手く調和して美味しかった。
揚げた方のバターソースの味わいがワインの中のオークの香りを引き立てて面白い余韻を感じた。
流石天然だね、食感と風味が素晴らしい、火を通すと弾力と甘味が舌を魅了する。

シャンパンで蒸した金目鯛と蛤のアラムール、ハーブバター添え

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とろける様でいて確り味わいの有る火の通しかた。
こくと深みの有るソースで美味しかった。
ワインの甘味とソースの深みが良いバランス。
ただ、せっかくのワインの魅惑的な酸味が、普通の酸味に感じられてしまう。
ただのシャルドネなら十分な味わいなのだけど、このワインでは勿体無い。
ふむ、ワガママな感想かな。

魚料理は
ブルターニュ産オマールのラグー、モリーユ茸とアスパラのフリカッセヴァンジョーヌの香り

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毎回言ってますが、ここのオマール料理は素晴らしい。
食感と味わいの深さが絶妙。
オマールの旨味とソースの味わいがワインの酸味と甘味に丁度良くバランスして美味しかった。
アスパラの味わいがワインの味わいと共鳴して凄くすっきりしたアクセントに成って、料理を引き締めていました。
この時間になるとワインもかなり香ばしい香りが出て来るのでオマールの香りと共鳴してより美味しい香りに感じられる。

素晴らしい。

メインは、
和牛フィレ肉のポワレ、牡蠣と生ハムのルーロー、マデラソース

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弾力の有る食感と凝縮した旨味、良い焼き加減。
牡蠣て一緒にいただくとワインのミルクっぽい余韻と調和して濃厚でありながらさっばりした味わいで美味しかった。
牡蠣が無いとマデラの酸味がワインで強調されて今一。
たぶんこの時間のこのワインには、上質な牛の油が良く合うと思う。
この時間だと、常温に成っていて、クリーミーな余韻が出て来て、かつ、酸味や甘味以外の複雑な味わいが感じられる様に成って来てるので肉の味にも負けない、香りもナッツや燻製などの香ばしい香りが出て来るので肉の油が美味しく感じられる。

フロマージュ

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流石に、選んでいただきましたが。
シェーブルとブルー
シェーブルはワインのクリーミーさとブルーは香ばしい香りと甘味に良く調和して美味しかった。

プレデセール

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ブドウのゼリーにカシスの実、シャンパンのシャーベット。
さっぱりして気持ち良い

デザート

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デコポンのスフレ、黒ビールのアイスクリーム
デコポンがこんなに香り高いとは、初めて気付いた。
良い香りが美味しい。
黒ビールのアイスクリームはキャラメル見たいな味わいで美味しかった。

ワインの最初の柑橘系の糖蜜の香りと締めのデコポンのスフレの柑橘系の香りで、起結で韻を踏んでなかなか詩的な演出でしたね。
白がベースなのでセレナーデの様な落ち着いた構成なんだけど、その中にも強弱が有って面白い流れでした。
ありがとうございます。
このワインでこう成るかと色々面白い発見も有り、楽しめた食事でした。