「ラード」か「加工油脂」か。「生きる」か「死ぬ」か | 無添加パン屋むーにゃんの店長ブログ

「ラード」か「加工油脂」か。「生きる」か「死ぬ」か



こんにちは。
むーにゃんの村上綾子です。

ときどき、お客さまから、こういったご質問を頂きます。

「むーにゃんは、無添加をうたっていて、
ラードを使っているんですね。どうして?」

それには、いつもこう答えています。

「ラードは、豚の脂からとったもので、食品添加物には
相当しません。でも、ご質問してくださるお客さまの
お気持ちはわかります。

きっと、お客さまのホントのお気持ちは、
『無添加とうたっている以上、体に良いものだけを
厳選して、パンの材料に使っているべきなのに、
体に良くないラードをつかっている!』
と、ご指摘してくださっているのだと思います。

むーにゃんのこだわりも、お客さまのお気持ちと同じで、
体にいいものを厳選して、美味しく召し上がって頂く
ことに尽きます。

そこで、なぜむーにゃんがラードを使っているのか
について少し,説明をさせてください。

パン,特に食パンなどの食事パンを作る際につかわれ
る油は、大きく分けて2つあります。

「ラード」と「加工油脂」です。

ラードは,豚の脂の部分をあつめて、
溶かして作ったものです。
なんら合成処置をしていない天然のままの
豚の脂です。

一方、加工油脂は植物油を水素添加反応で固体に
したもので、自然界には無い、合成した油脂です。

ほとんどの製パン業者さんは、加工油脂をつかって
います。
理由は,ラードに比べて値段が格段に安いからです。

加工油脂には、皆様おなじみのマーガリン、
ショートニング、
食用精製加工油脂などがあります。

注意して頂きたいのは、これら加工油脂には、
どれでも心臓病などを引き起こすリスクの高い
トランス脂肪酸というものが入っています。

すでに先進諸国は,トランス脂肪酸の危険性が
確認されて以来、使用禁止の方向にすすんでいます。

事実、ニューヨーク市のレストラン街は、数年前に、
すべてのトランス脂肪酸の入った
加工油脂をすべて使用禁止しています。

ところが日本は世界の流れを逆行して、トランス脂肪酸
の入った食品を野放しにしています。

マーガリン、ショートニング、クッキー、パン、
ケーキ、ドーナツ、ポテトフライなどなどのラベルを
見てください。

ラベルの原材料のところに、加工油脂などと表示され
一般の人には、トランス脂肪酸が入っているのが
分からないようにしています。
先進国が表示しているようにトランス脂肪酸とは書い
ていません。


むーにゃんは、この「加工油脂」を使うのをとても嫌います。
いくら日本では許可されていると言っても、
お客さまの健康を願うのに、健康を損なう油「加工油脂」を
使うのは全くおかしいからです。

これで
パンに使われる2つの油、「ラード」と「加工油脂」で、
むーにゃんは、「ラード」を選んでいる理由が
お分かりとおもいます。

もちろん、パンに使える油は、ラード以外にも
いくつかあります。
例えば,バターとかオリーブオイルがそうです。

むーにゃんは、バターとかオリーブオイルを使っている
パンがありますが、食パンなどの主食用のパンには、
バターとかオリーブオイルはつかっていません。
理由は、しっかりとしたおいしいパンをつくるのが
技術的に難しいのです。

以上が、むーにゃんは、なぜラードを使っているの
かの理由です。

もちろん、これで良いんだとは思っておりません。
むーにゃんは、お客さまのご意見をお聞きしながら、
体の健康に良いおいしいパンを作るべく、
日々のパン作りの中で,お応えしていきたいと願っています。