正午から札幌で読売ビジネス・フォーラムの講演会があり、講師が森喜朗元総理なので私も拝聴させてもらった。
 演題は「東京五輪決定と日本」ということだったが、前半は五輪決定への裏話等を踏まえ、オールジャパン、日本全体の力で誘致が成功したものと締めくくられた。
 後半は日露関係について森元総理とプーチン大統領との信頼関係の中で現実的解決に向けて交渉してきた経緯を話された。
 2月21日、プーチン大統領と会談した時も時代によって価値観は変わる、お互いプラス思考で歩み寄ることが大事であること、「引き分け」の意味について率直に聞いたこと、小泉政権5年間で日露関係が駄目になったこと、ロシアとの関係強化が北海道にとって地政学的に極めて重要であり、サハリンと北海道をつなぐトンネル・パイプラインを作ること、北方領土問題でも北海道から現実的解決に向けて発信する必要があること、等話された。
出席者も外交の歴史に立ち会った森元総理のお話に熱心に耳を傾けられていた。
 北海道新幹線の見通しについて質問があり、森元総理は「北海道はフリーゲージトレイン(車輪の幅をレールに合わせて走行)が良いのではと言われた。私も在来線を活かす面でも現実的だと思う。
 私は函館までは青函トンネルがつかえるので、一日も早く完成させるべきだと考えているが、その上で今のルートでの札幌延伸で良いのかよく考えるべきでないか。
 人口の多い室蘭・苫小牧を通らず、かつ千歳空港も活かさないルートで、しかも今の計画である長万部駅から小樽を廻ってのルートは、トンネルばかりである。雄大な北海道の景色が見られない。北海道新幹線は暗かったと言われたのでは話にもならない。
 森元総理の提案を聞きながら、北海道の政治家・経済人も45年前に特定の政治家が自分の選挙を考えて引かれたと言われるルートを見直すことも検討すべきでないか。
 森元総理のお話を聞きながら新しい北海道作りに、日露関係が重要なことを改めて認識し、自信を持ってこれからも活動して参りたい。