電波操作の主導権を失ってから、全てのことがマニピュレートされるようになった。それまでもマニピュレーションはあったが、電波操作があからさまに行われるようになるまでは、それぞれの工作に極端に時間が掛かっていた。

 

電波工作をはっきりと行われるようになっても自分の優位な時間が続いたため、彼らは自分にドラッグを投与する必要があった。その状態になると、彼らは間違いなく自分をマニピュレートできた。

 

 しかし、事態は大きく変化した。オーバードーズで死にかけた後、自分がたばこを一切吸わなくなったため、ドラッグを入れるのが難しかった。それでも、時々、彼らは分からないようにドラッグを飲食物の中に入れていたが、それをずっと続けられる状況でもなかった。自分は広範囲の距離を移動しており、いつも彼らのマニピュレーションに嵌っているのではないため、経口のドラッグ投与を調整するのはかなり難しかった。

 

 一方で、電波操作が強力になり、自分は聞こえない声に囚われて、より妄想の中で生きるようになった。その上で、電波操作の主導権自体も彼らに移っており、どうやって抵抗すれば良いか分からない状況になっていた。

 

 その頃には実際にはいろいろな妄想があった。覚えている事象もあるが、ほとんどが事実ではないと思う。例えば、依然として電波操作を通してスパイと頭の中で対決しており、ゴールデンウィーク前までは彼らを落としていた確信があるが、それ以降は自分が騙されていたように感じている。つまり、妄想の中でスパイとの対決に踊らされていた。

 

 と言うこともあって、この時期の妄想は忘れることにしている。そこにはいろいろ楽しい対決があったが、結局はほとんどマニピュレーションの産物であり、ほとんどがフェイクであった。自分はあまりにも操作され、最早、何が真実で何が嘘か分からないようになっていた。

 

そして、それこそがスパイの狙いでもあった。と言うのも、それ以前に多くのスパイの自白があったため、それを覆い隠す必要があり、このように後から完全に妄想で支配することで、全てが真実で全てが嘘と感じるように仕組んでいた。そうなると、自分は電波操作の中から真実を汲み取るのが極端に難しくなる。

 

また、そこにはもう1つ根本的な目的があった。スパイや公安の中にはいろいろな思惑があり、自分を落とそうとする人たちもいれば、そのような犯罪者を落とすために自分を活用している人たちもいた。その人たちもこの妄想の世界に紛れて、その犯罪者たちが過去に行った事件に関する真実を聞き出そうとしていた。

 

 いずれにせよ、当時の自分は妄想の中で生き、何が真実で何が嘘か分からないようになっていた。その中で、毎日、訳の分からない嘘に真剣に向き合って生きていた。

 

 

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