N205 : 石勝線特急列車脱線火災事故から1年 現場判断での避難誘導訓練実施 | 一日一鉄 ~ほーぷの鉄道ニュース~

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日本全国全鉄道路線(JR・私鉄両方)を完乗した経験を元に、鉄道業界に関して戯言をぶちまけていくブログです。現在は日々の鉄道ニュースへのコメントがメインですが、そのうち乗り鉄記録を整理して載せていくかも知れません。

 北海道占冠村のJR石勝線のトンネルで特急列車が脱線炎上し、79人がけがをした事故から1年が経ち、28日未明、事故のあったトンネルで、当時の状況を再現した大規模な避難誘導訓練があった。
 1年前の事故では、乗務員がJR本社の指示を待ったために避難誘導が遅れ、身の危険を感じた乗客がドアを開けて脱出した。訓練では現場の判断を最優先し、車掌と運転士が停車5分後に避難を決めた。

もう石勝線特急列車脱線火災事故から1年が経ってしまったんですね…本当に早いものです。

石勝線特急列車脱線火災事故ですが、2011年5月27日22時頃、JR石勝線占冠駅~新夕張駅間を走行中の特急「スーパーおおぞら」が清風山信号場内で脱線し、トンネル内で停止後に車体が炎上してしまった事故です。

当時の映像が北海道新聞によってYoutubeにアップされていますので紹介します。

闇と煙、トンネルから命がけの脱出(2011/05/27) 北海道新聞


石勝線の特急火災、車両搬出(2011/05/29) 北海道新聞


この事故により、乗客248名のうち79名がけがをしたわけですが、その原因の一つとして「避難誘導の遅れ」が指摘されていました。
これは、当時のマニュアルでは現場の判断で避難誘導をすることが許されておらず、危険な状態だったのにもかかわらず乗務員がマニュアル通りに対応したために、避難誘導が遅れてしまったことに起因しています。

その後、マニュアルが改訂されて現場の判断でも避難が可能になりました。
今回の避難誘導訓練は、改訂されたマニュアルに従って現場で判断を行い、現場の力だけで的確な避難誘導が出来るかどうかを訓練したものになります。

このような訓練を繰り返すことにより、当時の忌まわしき事故を記憶から呼び覚まして、二度と同様の事故を起こさないように気持ちを新たにするのと同時に、もしも緊急事態が発生した際に現場で的確な判断を下しながら避難誘導できるように訓練してほしいなと、切に願います。