コマンダンテ(03・米・西) | no movie no life

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・・・映画を見て思ったことをツラツラと。ネタバレです。

かなり昔に書いたのも。


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「コマンダンテ」ってどういう意味かと思ったら「司令官」と言う意味らしい。

(写真はキューバの記念切手。初日の最終回、先着24人にプレゼント~ってことでもらってきました。)


アメリカ合衆国が上映拒否した問題作って言うけど、それほど懸念されるようなことはない気がした。どちらかと言うと、映画はフィデル・カストロの人物像に迫ったつくりになっている。内容は革命前夜やゲリラ戦、そして革命後のキューバやキューバ危機などの話もあるが、プライヴェートな部分にも及んでいる。監督はオリバー・ストーン。監督とカストロ議長のインタビュー形式で撮られている。


カストロ議長が誰かに似ているだと思ったら、最近見た映画「クィーン」のエリザベス女王だ。

国のカリスマであり象徴であること。
そして、「公」と「私」を完全に分けていること。
ずっと長い期間、権力の座についているということと(アメリカ大統領のニクソンやケネディのことを話すあたりは、女王がブレア首相に「チャーチルのときは・・・」なんて話すあたりとダブる。)。何人ものアメリカ大統領と渡り合ってきたその「重み」が伝わる。
決定的な違いは、女王は否応なくその座に座らされたということだが。


言葉の使い方や選び方がうまいし、慎重だ。変な質問にはまずそれを指摘するし、仮定を前提として答える。本人は、文章を書くことよりも、話して、相手を説得することを好むと言う。さすが国民相手に何十年も演説してきただけのことはある。


そして、キューバにも訪れる資本主義の波。カストロ自身、NIKEの靴を履いているし、街にはコカコーラの缶が転がっている。彼はそれを変化なのだと認識している。世の中は常に変化していて、だから今はこうすべきだということを考えている。かなり柔軟な考え方をする人だと感じた。


実は私、チェ・ゲバラが好きで、結構本読んでます。彼の葬儀のとき、カストロがゲバラの手紙を読み上げるシーンがあるが、それは私も覚えている。「自分は、物質的なものを妻や子どもに残してはあげられないが、それは心配していない。それはこの国が与えてくれるはずだから。」教育費はほぼ無料と言う。教育を受けるためにキューバに来る中南米系のアメリカ人も多い。


今、この世界の中で、キューバが稀有な国のひとつであることには違いないのだと思った。


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