幸福な食卓(06・日) | no movie no life

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・・・映画を見て思ったことをツラツラと。ネタバレです。

かなり昔に書いたのも。

家族の分だけ、物語がある。


「おまえんち、ひょっとしてものすごい不幸なの?」ってハタから見ればそんな感じの中村家。佐和子(北乃きい)の父は父であることを辞め、母は家を出て、兄は「天才」と呼ばれながら大学には行かず農園に通う。そんな家庭を切り盛りする佐和子は受験を控える中学3年生。そして佐和子の前に転校生の大浦(勝地涼)、そして兄の恋人が現れ・・・


家族にしか出来ないこと
他人にしか出来ないこと


それぞれあると思う。
そして、「自分にしか出来ないこと」も。


いつしか自分に出来ることのキャパを越えてしまってることに気付かない人間たち。
無理するのをやめたときに、解放され、傷つき、そして分かることもある。
「お前は、お前の気付かないところで守れられてるんだよ。」


自分が「こんなに幸福でいいのかな?」っていう絶頂から突き落とされる。
この気持ち、どうしたらいいの?
どうやったら悲しみは癒されるの?
そこへ、ズカズカ踏み込んでいく兄の恋人、小林ヨシコ。


大浦くんや小林ヨシコという「他人」がいい味を出している。
大浦くんは、「ああ、こういう気の回りすぎる人っているよなあ、こういう人って長生きしないタイプだよなあ」なんて思って観ていた。あの流れも読めてしまったし。でも、彼の真剣な気持ちにはほろりとさせられる。


小林ヨシコ(さくら)はそれこそ「なんだこの人?」って感じなんだが、意外と「わかってる」。彼女こそ謎に包まれてるが、それはそれでいいのだろう。シュークリームで許せてしまえる不思議な人。


「朝食は家族全員で」。
久しぶりに揃う家族4人の食卓。それがその家族の幸福ならば、それでよいのだ。



P.S.
大浦くんの新聞配達は、映画「いつか読書する日」の牛乳配達をする田中裕子をちょっと思い出した。



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