民俗レポートちょっと怖い話かな。 | 独眼竜(>.<)y-~政無念ブログ☆

民俗レポートちょっと怖い話かな。

山形県の村山・最上地方のお話しです。


一度、テレビでも紹介したこともあります。


この地域では寺院に、「ムカサリ絵馬」といわれる絵馬を奉納する古くからの風習があります。


「ムカサリ」とは「結婚」という意味の方言で、新郎・新婦が描かれている絵馬です。


幼い歳で亡くなったり、未婚のまま亡くなったわが子に、あの世で良い縁に恵まれ幸せになってほしい・・・。


天国での結婚式を想像し、残された親御さん達が、亡くなったわが子と架空の伴侶を描き、願いを込めて奉納するのです。


「ムサカリ絵馬」を奉納する時、決してしてはいけない決まりがあります。


それは、亡くなっているわが子の伴侶に生存している人の名を書くこと・・・。


生前、恋人がいても、けして生きているその恋人の名前を絵馬に書いてはいけないのです。


恋人が望んでも、親がよかれと思っても・・・けして・・・。


名前を書けば、その恋人は命を落とすことになるでしょう。


「ムサカリ絵馬」には、亡くなった人の名前は書かれていますが、その伴侶には名前がありません。


あくまでも、あの世で亡き子が出会っているだろう架空の伴侶。


架空の伴侶に、名前は必要ないのです。


亡くなったわが子に幸せを・・・「ムサカリ絵馬」は親の切ない思いが描かれているのでしょう。


実は、大学のゼミの先輩がこの地方の風習、暮らしについて卒論のために、聞き取り調査を行っていた時に、


伝説の絵馬師がいるということでお話を伺った時に、


伊藤さんという八十歳越えたおばあちゃんが、ムサカリ絵馬を作っておりまして、


この方が絵馬を作るきっかけになったエピソードがちょっと怖かった話でした。


このエピソードの話については、長くなるので、また、次の機会にアップしますね。