ホームページ改善のプロフェッショナル
ホームページ経由の売上を最大化させる方法
~専用の目標達成計画書を作り、改善サイクルを回し続ける~
株式会社ミスターフュージョン
代表取締役
石嶋 洋平 いしじま ようへい
株式会社ミスターフュージョン
Webコンサルタント
田所 麻美 たどころ あさみ
「ホームページは実店舗と同じ。企業はホームページに対する認識を捉え直して、自社の売上向上に直結させるべき」、こう語るのは、ホームページを知り尽くしたミスターフュージョン代表の石嶋氏だ。同社は徹底したデータ解析に基づいたホームページ改善で、クライアントの売上向上を実現している。今回は代表の石嶋氏とWebコンサルタントの田所氏に、普段は表に出ない「ホームページ改善のノウハウ」を誌面公開してもらった。
◆ホームページは実店舗と同じ
―御社はクライアントに対して、ホームページ用の目標達成計画書を作るそうですね。
石嶋:はい。ホームページの運営は、実店舗と何ら変わらないと考えています。実店舗は道路に面し、その前には歩行者が通り、その中から来店してくれるお客さまがいる。宣伝方法としては、チラシを近所に配ったり、看板を目立たせたりします。また常連客をつくることも大事です。一度来店したお客さまに、いかにリピートしてもらうか。そのために、飲食店ならメニューや味を絶えず改善するでしょう。
これはホームページも全く同じなんです。ホームページはインターネット上にあり、ホームページに訪れる人がいて、その中から発注してくれるお客さまもいる。宣伝方法としては、※SEOや※リスティング広告などの各種※Webマーケティングがある。そして、何度もリピートしてくれるお客さまも当然います。
しかし、問題なのは「ホームページを実店舗と同じように捉えている会社が少ない」ということです。ホームページの営業計画もかなり粗い、あるいは営業計画という概念すら持っていない会社もあります。
―「ホームページも実店舗も同じ」という認識がされていないと。
石嶋:通常、実店舗を出店する場合は慎重に検討しますよね?商圏調査や競合分析をして、そのうえで慎重にメニュー開発や価格設定をするはずです。これが普通です。でも、こういった“普通のこと”がホームページではほとんどなされていないんです。
田所:これは企業にとって機会損失です。本来得られる利益なのに、認識をせずに資産を眠らしたままにしてしまっている。
石嶋:私の目には、世の中のホームページがホコリまみれに見えるんです。改善すべき点が山のように見える。世の中には商売っ気のないホームページが多すぎると思います。
◆商売の道理に従う
―つまり御社はWebコンサルティング会社というわけですか。
石嶋:違います。従来のWebコンサルティング会社と一緒にしないでください。私たちは「ホームページを実店舗と同じ認識で、商売人の目で捉え直しましょう」ということを提言している会社です。つまり、“商売の道理”に従ってホームページを作っているんです。
田所:たとえば、従来のWebコンサルティング会社は「コンバージョン率を高めることが大事」と言っています。でもコンバージョン率を高めるだけじゃ儲かりません。基本的にコンバージョン率とは、サイトへの「問い合わせ率」なんです。ECサイト以外の場合、受注につながらないケースも多い。だから、当社は「受注率を高める仕掛け」をホームページに施しています。だって、お問い合わせが多くても、受注が少なかったら意味がないですよね?
◆受注率を高める仕掛けとは
―御社は最後の受注の段階まで考えて、ホームページを設計しているわけですね。
田所:その通りです。当社ではクライアントのお客さま、実際の商談、そして受注までの営業プロセスをクライアントと共有し、常に改善を繰り返していきます。つまり、アプローチからクロージングまでの営業プロセス全体の中でホームページの役割を最適化させるわけです。
石嶋:実店舗の場合を思い浮かべてください。自動車販売店であれば、試乗会を実施して、潜在顧客に新車のハンドルを握ってもらいますよね?アパレルショップであれば、試着をしてもらう。これが「受注率を高める仕掛け」です。
そして、ホームページでも同じことが可能です。シンプルに言えば、「これまでのお客さまが購入した理由」を探し、その中で比較的割合の高い理由を表現していくわけです。
たとえば町の歯医者さんの場合。この歯医者さんは矯正歯科の実績が高いと仮定しましょう。その場合、まず矯正歯科に特化したホームページを作ります。得意分野に特化して、差別化戦略を採るわけです。
そのうえで、ホームページ上で簡単な「無料カウンセリングシート」を記入してもらいます。こうして、「問い合わせ=カウンセリングシートへの記入」にすると、単なる問い合わせよりも、来店率はぐっと上がります。これはどんな店舗・商材でも使える当たり前の施策です。
田所:次のステップでは「カウンセリングシートの記入を増やすこと」に注力して、Webマーケティングやホームページの改善を実施していきます。こういったことをしっかりとやっていけば、そもそもホームページ経由の売上というのは事前に計算できるんです。逆算すればいいだけ。商品単価、受注率、問い合わせ率、ホームページの閲覧数…。実際、当社ではクライアントの目標数字を共有し、それを元に「目標達成計画表」を作成しています。
◆売上目標から逆算し、各プロセスの目標値を設定
―「ホームページ用の目標達成計画表」について、もう少し詳しく教えてもらえますか。
石嶋:最初にホームページ経由の売上目標を決めます。1ヵ月単位の目標を1年分作成するんです。次に売上目標から逆算して、各プロセスで必要な数値を設定・検証していきます。先ほどお話しした受注率、問い合わせ率、ホームページの閲覧数などですね。たとえばラーメン屋だったら、「1ヵ月に○人のお客さまに来てほしいので、食材を仕入れて、麺とスープを作って、その原価にいくらかけて…」といった風に、数字を基準に商売をしていますよね?ホームページでも一緒なんです。
―どのようにして、各プロセスの数字を向上させているんですか。
石嶋:まず直近1ヵ月間のホームページのデータを集めます。そして、そのデータをもとに検証して、売れない理由を見つけ出していくわけです。
また実店舗のラーメン屋を例にしましょう。ラーメンが人気なのに餃子の人気がなかったら、餃子が売れない理由を考えますよね?それを考え、改善できる店が繁盛店になるんです。
そして、ホームページで重要なのがアクセスログ(ホームページの閲覧記録)の解析です。ホームページって数字が全て分かるんです。でも、このアクセスログ解析は職人技。まず普通の人ではムリでしょうね。様々なチェックポイント、数値の基準を理解していなければ、データからホームページの問題点は読み解けません。これはお医者さんのようなものです。もちろん素人でも「頭痛がある」、「体がだるい」の症状は分かります。しかし、その症状から、どんな病気なのか、その病気にどのような治療が最適かなどはわかりませんよね。それと同じです。
田所:アクセスログ解析において、重要なチェックポイントは6つあります。まず「①訪問者数」、これはお客さまの訪問数ですね。「②滞在時間」、お客さまがどれくらい長居しているかです。「③直帰率」、メニューすら見ないで帰るお客さまはどれくらいか。「④平均閲覧数」、お客さまがメニューを何ページ見たのか。「⑤新規訪問者率」、新規顧客と常連顧客の割合はどれくらいか。「⑥問い合わせ率」、実際に注文するお客さまはどれくらいか。以上の6つをチェックし、病気を特定して当社で処方箋まで出します。
石嶋:ラーメン屋のたとえ話ばかりですが「何人のお客さまが、どのくらいの時間お店にいて、食べないで帰る人がどのくらいで、メニューを平均何ページ見て、新規のお客さまがどのくらいか?」ということです。
◆2ヵ月に30回の改善を行う
―なるほど。それらの重要な指標を解析して、ホームページを改善するわけですね。
石嶋:大事なのは、一度だけの改善で終わらないことです。ホームページというのは、実店舗よりも変化のスピードが速い。それに追いつかないといけないし、そもそも改善活動に終わりなどありません。実店舗だったら季節に合わせて装飾したりしますよね?まずやってみることで「ここはマズかった。今度はこうしよう」って、分かることもある。すると、「それを改善して、またやってみて改善して、またやってみて…」ということです。
田所:当社では、平均して2ヵ月に30回はホームページの改善を行います。もちろん、検証も改善もすべて数字に基づいています。だから確信を持って、継続的にやり続けられるんです。
石嶋:当社の田所は「売上を上げているホームページ」の分析が得意で、豊富な知識と経験を持っています。つまり、「繁盛している飲食店」を数多く食べ歩いて熟知している。だからこそ、クライアントのホームページを繁盛店にできるんです。繰り返しになりますが、繁盛している店には理由があります。そして、私たちは繁盛店を注意深く観察しています。だから、繁盛している理由が分かるんです。
◆地道な改善こそ命
―どうすれば、ホームページを「繁盛店」にできるのでしょうか。
田所:何よりも改善を一つひとつ積み上げることが大事です。繁盛している飲食店は毎日きちんと掃除しますよね。新しいメニューも開発する。味も磨く。ホームページの改善も同じなんです。
ですから、はっきり言いますが、初月で目標を達成するケースはほとんどありません。だいたい満足いくレベルまでいくのに2ヵ月はかかります。この2ヵ月は大幅な改善を実行します。飲食店で言うと、看板も内装もメニューも大胆に変える。場合によっては商品の価格も変えます。その後の3ヵ月目以降は、小さな改善を積み重ねていきます。たとえるなら、毎日そうじを続けて、お客さまを注意深く見ているイメージです。この「ホームページ改善サイクル」をスピーディーに回すことが大事です。
石嶋: 実はホームページって、本当に小さな差がものをいうんです。小さな差が100個も200個も積み重なると大きいですよ。商売は小さな差を積み重ねるのが一番いいんです。もし数個の工夫で一時的に成功しても、長続きしません。何度も言いますが、ホームページは商売そのものなんですよ。
そんなことばかり言っていたら、おかげさまで年間10社のコンサルタント契約の枠が埋まりました。今後も“商売をする”ホームページをたくさん作りたいと思います。
※SEO:Search
Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化のこと。検索エンジンにキーワードを打ち込んで検索した際に、Webサイトを上位表示させるような技術手法。
※リスティング広告:検索エンジンのキーワードに対応したテキスト広告のこと。
※Webマーケティング:インターネット上で行うマーケティング活動の総称。代表的な活動として、自社のホームページや商品専用のホームページを通じた商品・サービスの宣伝活動などがある。
石嶋 洋平
いしじま ようへい
1981年、栃木県生まれ。3歳から20歳まで才能教育でバイオリンの教育を受ける。2003年に日本大学文理学部(マーケティング地理学を専攻)を卒業。2007年に株式会社ミスターフュージョンを設立し、代表取締役に就任。これまでに、のべ2000以上のWebサイトをプロデュース。「若手No.1のWebマーケティングプロデューサー」との呼び声が高い、注目のプロデューサーである。
田所 麻美
たどころ あさみ
2006年、株式会社ベンチャー・リンクに入社。事業開発コンサルティングに従事し、フィットネスクラブ約700店の出店に貢献。その後、ソフトブレーン・サービス株式会社を経て、2010年に株式会社ミスターフュージョンに入社。同社のWebのノウハウと事業開発コンサルティングで得たノウハウを融合させ、Webサイト(特に女性向け商材)と実店舗との連動を得意としている。現在はWebコンサルタントとして、のべ200社以上のWebサイトの解析・改善コンサルティングを行っており、全国各地の中小企業から「ホームページ改善セミナー」の講師依頼が集まっている。