奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」で肝臓手術を受けた男性患者(当時51歳)が死亡した事件で、業務上過失致死容疑で逮捕された医師の塚本泰彦容疑者(54)が奈良県警の調べに対し、「(同容疑で再逮捕された理事長で医師の)山本文夫容疑者(52)から、手術を持ち掛けられた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。山本容疑者は過失を否認しているが、県警は塚本容疑者の供述から、山本容疑者が主導し、未経験の肝臓手術を強行したとみて調べている。

 捜査関係者によると、塚本容疑者は06年3月、同病院に年収約1600万円で採用され、男性患者の主治医になった。男性の腫瘍(しゅよう)は良性だったが、「山本容疑者から『肝臓がんということにして手術をしようや。もうかるで』と言われた」という。

 捜査関係者は「報酬が良く、勤め続けたかったので、断れなかった」とみている。【上野宏人、高瀬浩平】

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