宇都宮地裁で開かれた足利事件再審公判での森川大司検事(当時)への証人尋問の主なやりとりは以下の通り。

          ◇菅家 17年半もの長い間、無実の罪で捕まっていたことをどう思うか。森川 主任検事として証拠を検討して犯人に間違いないと判断して起訴した。犯人ではないことが判明して非常に深刻に思っている。菅家 全部やっていないと正直に言ったのに、なぜ弁護士や裁判所に伝えなかったのか。森川 どういう調べをするのかは検察官の裁量と考える。弁護士や裁判官に報告する必要はないと考えていた。菅家 謝ってください。森川 新たなDNA型鑑定で犯人でないことをうかがった。深刻に受け止めている。菅家 家族に謝って。森川 今申した通り。菅家 今苦しんでいる。どう思うか。森川 今申した通り。菅家 反省していないのか。森川 話した通り。菅家 私を人間性がないと言った。あなたの方がないんじゃないか。私は怒っている。森川 人間性がないと言ったつもりはない。菅家 テープを聞き、つらい思いをした。謝る気はないか。森川 深刻に受け止めている。菅家 立場を逆に考えてほしい。謝ってください。森川 申し上げている通り。
佐藤博史弁護士(以下佐藤) 菅家さんをどういう性格だと思ったか。森川 強く言うと反論できない、おどおどしていると思った。佐藤 逮捕は上司から自白が取れなければだめだと聞いたことは。森川 近いようないい方をされた。佐藤 死刑になる可能性があると菅家さんに話したか。森川 刑務所から一生出られないという話はした。佐藤 自白がパターン化しており、虚偽と考えたことは。森川 ない。佐藤 92年12月7日の取り調べで菅家さんが否認した。翌8日、本件について「認めているから起訴したわけじゃない」と菅家さんに言っているが。森川 否認しても有罪だと考えていた。公判の証言も重要な証拠だ。佐藤 公判で菅家さんが否認した時、取り調べに否認したことが頭をよぎらなかったか。森川 よぎったというか、やっぱり否認したのかと思った。佐藤 公判では、取り調べ時の否認に言及しなかったのは、隠すためだったのか。森川 隠すということとは違う。言及する必要もなかった。佐藤 取り調べで否認したことを裁判所が知っていれば判断が変わった可能性もある。森川 わからない。佐藤 無実だと思ったことは。森川 それはない。佐藤 科学警察研究所のDNA型鑑定の証拠価値をどう判断したか。森川 DNA型鑑定だけで認定したわけではないが、鑑定が有力な証拠と思った。佐藤 犯人の精液と菅家さんの精液が一致したことを告げ、「同じ精液を持っている人が何人いると思うんだ」と追及したのは、鑑定の証拠価値に無知な菅家さんを錯覚に陥れる取り調べでは。森川 そう思っていない。佐藤 無実の人に自白させたことに反省はないか。森川 証拠はそれぞれの時に判断すべきもので、答えようがない。石塚章夫弁護士(以下石塚) 否認した翌日の取り調べは、足利事件が目的の一つか。森川 そうなるかと思う。刑事責任を免れる虚偽供述だと判断し、信ぴょう性を検討するために確認した。石塚 その際、黙秘権について告知したか。森川 覚えていない。黙秘権は何度も伝えていたので分かっていると思った。泉沢章弁護士 テープを取った理由は。森川 別の2件の幼児殺害事件は証拠が薄く、供述の仕方や態度が証拠になると考え、録音した。

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