民主党衆院議員の石川知裕容疑者らの逮捕で、鳩山政権は昨年9月の発足以来、最大の危機を迎えた。事態は小沢一郎幹事長の進退問題に発展しており、党内では小沢氏の辞任や逮捕の可能性が取りざたされている。これまで小沢氏を擁護してきた鳩山由紀夫首相(党代表)の責任論が問われるのも確実だ。民主党は16日の党大会を夏の参院選の総決起大会と位置づけてきたが、前夜の逮捕劇に激しく動揺している。18日召集の通常国会は冒頭から大荒れの展開となりそうだ。

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 小沢氏が権力基盤である幹事長職を維持できるかどうか、また、鳩山首相が小沢氏を信任していくのか、政権維持のために辞任を求めるのか-が今後の政局の焦点になる。

 民主党では鳩山首相ではなく小沢氏が最高実力者とされ、「小沢支配」という言葉まであった。だが、今回の事態で小沢氏の威信失墜は必至だ。

 昨年の衆院選大勝の功労者である小沢氏は、今夏の参院選を「政治決戦」として党の単独過半数獲得を目標に、連合と連携するとともに、強い政治力で候補者調整など選挙準備を仕切ってきた。だが、今回の事態で民主党は参院選戦略の練り直しを迫られている。

 世論、野党の批判は高まっていく中、通常国会では、平成21年度第2次補正予算案、22年度予算案の審議が控えている。にもかかわらず、鳩山首相がこれまでのように「小沢幹事長」を擁護し続ければ、国会審議で立ち往生し、内閣支持率は急落する可能性が大きい。「支持率は20ポイントは落ち、参院選は惨敗する」(幹部)との危惧(きぐ)も広がっている。

 その半面、小沢氏がすんなりと辞任するとはかぎらない。小沢氏は師と仰ぐ田中角栄元首相らが東京地検特捜部に逮捕されるなど、実力政治家と検察の闘争を目の当たりにしてきた。幹事長ポストを失えば、最高実力者の立場から転落し「検察との戦い」(参院幹部)もできなくなる。

 だが、政権にとって予算案の早期成立は優先課題だ。「予算成立に障害があるなら幹事長としての責任を感じざるを得ないだろう」(生方幸夫副幹事長)と、幹事長辞任に追い込まれるとの見方や「首相は小沢さんを切ることになるかもしれない」(小沢グループ議員)との声もある。

 また、民主党幹部は15日夜、「石川(容疑者)は議員辞職するだろう。その段取りだ」と述べた。

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