今読み返している本は、「バイアウト」 リック・リッカートセン+ロバート・ガンサー著

アメリカで多い子会社・事業部門独立の際の経営者によるMBOのマニュアルです。

日本のこれまでのMBOは、オーナー+ファンドによる非公開化が多く、何か違うのでは?と思います。

東芝セラミックスなどは本来のMBOに近いのかも。


しかし日本にも、この本にあるようなダイナミックなMBOストーリーを成し遂げた人がいます。

㈱フェローテックの山村社長。よど号事件で人質の身代わりになって有名な山村新治郎代議士の弟さんです。

1980年に米国親会社の日本法人設立に伴い社長。その後、親は経営悪化、資金繰りのため日本法人売却を考えました。そこで事業会社やジャフコの支援を受け、MBO! 1987年の話です。その後、日本で店頭公開。

ここまでがMBOのモデル成功例。

それに留まらず、1999年にさらに経営悪化の米国親会社(ナスダック上場)をなんとTOBで子会社化。国際間のM&Aまで成功させています。

山村社長には中国工場視察時など、何度かお話を伺いましたが、とても魅力的。難局もポジティブに考え、乗り切ってこられたようです。アメリカ・ボストンの大学を出られ、その近郊にある例の米国親会社にも勤務されたそうですが、数年前にはそちらも見学させていただき、当時の米国親会社の経営者の息子さんに、案内していただくという機会もありました。


この本にある事例や山村社長のケース、オーナーでないビジネスマンが、千載一遇の機会に巡り合う運と、そうした状況に対応できるように腕を磨いていたこととが重なって、ファンドの力も借りながらオーナー経営者となる

、一種のアメリカンドリーム。 自分で会社を作ることができる人は生まれつきのDNAのある起業家。大企業で立身出世で社長になるのはこれまた大変。 その中間を行く、このパターン、機会あるならば・・・と考える人が増えると面白いですが。