ザ・ガンマン | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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緩急のついたサスペンスとアクション。 孤高で果敢な男の最後の戦い。


2016年2月6日公開
監督:ピエール・モレル
出演:ショーン・ペン
ハビエル・バルデム
マーク・ライランス 他


【賛否両論チェック】
賛:緩急のついた展開に引き込まれる。ボロボロになりながらも、陰謀を暴くために戦い続ける主人公が印象的。
否:最初の設定がやや分かりにくくて、理解出来た頃には後半になっていそう。グロシーンもあり。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも



 引退した元特殊部隊の男が、再び戦いに巻き込まれていきます。主演はショーン・ペン。


 始まりは、鉱物資源の利権を巡る争いが絶えない、2006年のコンゴ共和国でした。元特殊部隊の凄腕スナイパーだったジム・テリア(ショーン・ペン)は、今はかつての仲間達と共に、コンゴで活動する企業やNGOの警備を担当していました。NGO職員の恋人・アニー(ジャスミン・トリンカ)もおり、緊張感の中でも幸せな日々を送っていたジム。そんなある夜のこと、企業との仲介役のフェリックス(ハビエル・バルデム)の指示の下、ジム達は“鉱物相の暗殺”という、裏の仕事を実行することになります。フェリックスからは、
「実際の狙撃手は追って伝える。狙撃手は犯行後、国外へ逃亡すること。」
という指示が出されていましたが、果たして配置についたジムの下へ、フェリックスから連絡が入るのでした。ジムはフェリックスにアニーを託すと、狙撃を実行。鉱物相は死亡し、コンゴの情勢はさらに混迷を極めていくのでした。


 それから8年後、ジムの姿は再びコンゴにありました。その1年ほど前からコンゴを訪れ、償いのためにNGOの活動を手伝い、井戸を掘る作業を請け負っていたジム。ところがそんなある日、作業現場に1台の車がやって来ると、武装した3人の男が
「白人野郎はどこだ!!」
と探し始めます。ジムは隙を突いて反撃し、格闘の末3人を殺害しますが、自身が狙われていると気がつき、一路ロンドンへと向かいます。彼が訪れたのは、かつてコンゴで行動を共にしていた1人・コックス(マーク・ライランス)。今は事業で成功しているコックスでしたが、ジムの話を聞くと顔色を変え、
「他の仲間にも警告する。」
と話します。


 ジムはその足で、旧知の仲であるスタンリー(レイ・ウィンストン)ともバーで逢い、協力を求めますが、スタンリーはこれを固辞。するとそこへ、酔っ払った他の客がぶつかってきますが、それを見たジムは突然激昂し、相手に殴りかかってしまいます。慌ててジムを連れてその場から去るスタンリーでしたが、ジムは途中で倒れてしまいます。翌日、スタンリーに病院に連れていかれたジム。そこで彼は、自身が脳に重い病気を抱えていることを知らされるのでした。それでもジムは、今回の襲撃の黒幕を突き止めるべく、8年前の仲介役だったフェリックスを探して、スペイン・バルセロナへと向かうのでした。フェリックスもまた、スペインで実業家として成功しており、その妻はアニー。ジムは意を決して、2人に接触を試みるのでしたが・・・。


 心と体がボロボロになった主人公が、かつて身につけたスキルを駆使して、迫り来る陰謀を暴いていく様子が、切なくも痛快に映ります。


 壮絶なアクションと、重厚な人間模様が場面ごとにしっかり描かれているので、緩急がついている印象を受けます。


 設定はやや分かりにくい感はありますが、孤高な男の最後の戦いを、是非ご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※マーク・ライランス・・・本作では、コンゴでの一件後、ロンドンで実業家として成功したコックス役。最近では「ブリッジ・オブ・スパイ」での、拘束されたソ連のスパイ・アベル役で有名な方ですね。


※地雷・・・本作中、バルセロナに滞在していたジムの部屋に仕掛けられた地雷は、恐らく「SP 革命篇」で、テロリスト達が国会議事堂に仕掛けたものと同じかと。爆発すると、内部に仕組まれた細かな鉄球が飛び散る、非常に危険な地雷だそうです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>C