みんなかけがえのない双子

全てのものは双子です。

物質だけでなく、抽象概念も双子です。

そしてその双子の性格は正反対です。

全くの真逆なのです。

でも双子です。

切ることができない。
分かつこともできない。

ずっと消滅するまで双子のままなのです。



どういうことでしょうか。

例えば「右」という言葉、概念。

右には「左」という双子がいます。

これは絶対に離れられない双子です。

性質は真逆ですが、世の中に「右」しかないことはありえません。

同時に「左」しかないこともありえません。

「右」には「左」という兄弟がいて初めてお互いに存在できるのです。

光と影も

成功も失敗も

勝ちも負けも

生も死も


「幸せ」も。


そう「不幸せ」という双子です。

双子であり切り離すことはできないのです。

誰もが幸せになりたい。

でも幸せとは「不幸せ」の上に成り立っている。

どんなに「右」が好きだったとしても

「左」を見ないようにしても左がなければ右は存在できないのと同じように。

幸せしか見ないことはおろかなことなのです。

もちろん幸せを望むことは普通ですし、だれもが不幸せにはなりたくない。

当然です。

ただしワンセットの双子なのです。

ではどうすればいいか。

私は感謝だと思います。


ずっと永久に今の幸せの状況が続くことは考えにくい。

とってもとっても愛している人と一緒に入れる幸せ。

しかしいつかは別れが来ます。

それが死なのか、別離なのか。

理由は問わず逃れられません。

一緒にいる「歓び」が大きければ大きいほど

失う「悲しみ」は比例して大きくなります。


これらも双子です。


だからといって別れを恐れて憂えることもおろかです。

先のことは誰にもわかりません。

それを心配して気持ちを病むことはおろかな行為です。


ただ、一緒にいれることに感謝すべきです。

今の幸せは永遠ではないかもしれない。

でもこの気持ちは紛れもない真実であるなら

それをただ感謝するべきだと私は思うのです。


同じように過去を悔いても仕方がない。

過去を変えることはできない。

私たちはそのような中で生きています。

私たちは「今」以外生きたことがないのです。

過去を生きたことも未来を生きたこともないのです。


ずっと永遠に今しかないのです。

永遠に続く今しか生きられない。

そしてものごとは双子で成り立っている。

これらは大いに関係していると思います。


この双子の存在に気づくこと。

そして目の前に起こる出来事から何を感じ取るか。

人間の完成に向けて、どこまでこの生でたどり着けるのか。

この与えられた命を何に使うのか。

なぜ命を与えられたのか。

なぜこの悲しみを、大いなる挫折を経験する必要があったのか。

それらをしっかりとまっすぐに見つめることが大切だと思うのです。