ミクロイドS | 図書館居留守猫

ミクロイドS

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田舎で暮らし始めてから読書のはばが拡がりました。


以前は読まなかった自然科学系の本を読むようになりましたね。


これも図書館の新刊コーナーで見つけて興味をもった一冊。
赤池学『昆虫がヒトを救う』


4億年もの歴史を生き延びてきた昆虫のもつ生体機構を解明し応用すれば、行き詰まりつつある人類を救えるのでは、と思わせる研究の幾つかを紹介した本です。



さて、日本最凶の猛獣といえばスズメバチですね。


東京に住んでいたころはテレビニュースで見るくらいだったけど、


3年程前から山の中で暮らし始めてからは、頻繁に見かけるようになりました。


田舎暮らしでは、熊よりマムシよりスズメバチがこわいですよ~。


蜜蜂の巣を襲い、でかい顎でムシャムシャと幼虫を貪り喰うスズメバチの映像をテレビで見たことのある人も多いと思います。


でもね、実は固形物は食べられないらしいよ。


毒針を360度死角なく振り回せる戦闘力と引き換えに、胴はクビレて細くなり、液体以外は食べられなくなったそうな。


肉団子は自分の巣の幼虫たちへのオミヤゲで、代わりに幼虫の出す分泌液を舐めて生きてるそうです。


だから巣を撤去してしまえば、スズメバチの成虫を取り逃がしても、2・3日で餓死してしまうらしい。


でね、そのスズメバチの幼虫の分泌液を分析して商品化したのがアミノ酸ドリンクのVAAMなんだって。


マラソンの高橋尚子選手のCMで有名なスポーツ飲料だけど、どうせたいした実効はない宣伝だけの清涼飲料だと思っていました。


けどね、体重と羽の大きさからして航空力学的には飛べないはずのスズメバチに、抜群の飛翔機動力をもたらしている奇跡のエネルギーだよ。


脂肪分解作用も抜群で、運動しなくても脂肪が燃えるらしいし。



あまりにも特異な生態メカニズムから、実は昆虫類は地球外から飛来したエイリアンだ、というトンデモ説もありますが、


長い種の歴史の中で地球に究極に適合して発展してきた生命体なのだな、とつくづく思います。


さあ、モトも明日からVAAM飲むぞ~☆