角川エンタテインメント
コーヒー&シガレッツ

★★★★★

COFFEE AND CIGARETTES(97分)


監督: ジム・ジャームッシュ
製作: ジェイソン・クリオット、ジョアナ・ヴィセンテ
脚本: ジム・ジャームッシュ
撮影: トム・ディチロ、フレデリック・エルムズ、エレン・クラス
ロビー・ミューラー
美術: マーク・フリードバーグ
編集: ジェイ・ラビノウィッツ
 
出演: ロベルト・ベニーニ・・・ロベルト(「変な出会い」)
スティーヴン・ライト・・・スティーヴン(「変な出会い」)
ジョイ・リー・・・双子(女)(「双子」)
サンキ・リー・・・双子(男) (「双子」「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」)
スティーヴ・ブシェミ・・・ウェイター(「双子」)
イギー・ポップ・・・イギー(「カリフォルニアのどこかで」 )
トム・ウェイツ・・・トム(「カリフォルニアのどこかで」)
ジョー・リガーノ・・・ジョー(「それは命取り」)
ヴィニー・ヴェラ・・・ヴィニー(「それは命取り」)
ヴィニー・ヴェラ・Jr・・・ヴィニー Jr. (「それは命取り」)
ルネ・フレンチ・・・ルネ(「ルネ」)
E・J・ロドリゲス・・・ウェイター(「ルネ」)
アレックス・デスカス・・・アレックス(「問題なし」)
イザック・ド・バンコレ・・・イザック(「問題なし」)
ケイト・ブランシェット・・・ケイト/シェリー(「いとこ同士」)
メグ・ホワイト・・・メグ(「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」)
ジャック・ホワイト・・・ジャック(「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」)
アルフレッド・モリナ・・・アルフレッド(「いとこ同士?」)
スティーヴ・クーガン・・・スティーヴ(「いとこ同士?」)
GZA・・・GZA(「幻覚」)
RZA・・・RZA(「幻覚」)
ビル・マーレイ・・・ビル・マーレイ(ウェイター)(「幻覚」)
ビル・ライス・・・ビル「シャンパン」
テイラー・ミード・・・テイラー(「シャンパン」)


◆ストーリー◆

登場人物たちがコーヒーを飲み、タバコを吸いながら四方山話を繰り広げる11編からなるオムニバス作品。



◆感想◆

登場人物がコーヒーを飲みつつ、タバコをふかしながら世間話してるだけの映画。

チェックのテーブル(orテーブルクロス)の上に置かれたコーヒーカップを真上から映すショットは、ほとんどの作品に入っている。(チェックのテーブル(orテーブルクロス)じゃない話もあったと思う。)

はっきり言って、どうでもいい内容なんだけど、これが意外に面白い。(11話あるので、全てが全て面白いとは言わないが・・・)

カフェや喫茶店で隣に座った人の話を盗み聞きしてるような感覚?


「変な出会い」は、ロベルト・ベニーニが座っている席に、スティーヴン・ライトがやってくる。

ロベルトが、「コーヒーを注文しておいたから。」って言うんだけど、もうすでにそこには、テーブル一杯のコーヒーカップが置いてあって・・・

ベニーニの飄々としたマヌケな感じがいい。

スティーヴンのことを、最後までスティーヴと呼ぶ(何度スティーヴンだと訂正しても。)ベニーニが可笑しい。

オチは、”忙しくてトイレに行くヒマもない。私の代わりにトイレ行っといて!”的なオチ。(わかり辛い?オチなので、わかり辛いほうがいいのかも?!)


「双子」は、ジョイ・リーとサンキ・リーが双子の役。(本物の姉弟だけど、双子ではない。ちなみに、スパイク・リーの妹弟。)

ちょっとワルそうな双子なんだけど、そこにウェイター役のスティーヴ・ブシェミが会話に入ってくる。

双子らしく、返事のタイミングは同じ。

でも、たまに返事が違う(片方が「YES」で片方が「NO」)っていうのが可笑しい。

そして、エルヴィス・プレスリーのうんちくを双子にひたすら語り続けるスティーヴ・ブシェミがまた可笑しい。


「カリフォルニアのどこかで」は、イギー・ポップの席に、トム・ウェイツが遅れてやってくる。

イギーもトムも禁煙したというが、トムのほうが「久しぶりに吸うからこそうまいんだ!」とか何とか言いながら、前の客が忘れていったタバコを拝借し、イギーに勧め、イギーも「久しぶりに吸うからこそうまい!」って言いつつタバコを吸うのが笑える。

イギー・ポップが店を出たあと、一人になったトム・ウェイツの行動がまた可笑しい。


「それは命取り」は、ジョーが、昼食はコーヒーとタバコだけだというヴィニーを戒めるがヴィニーは取り合おうとしない。

ハタから見てたら、オヤジの口げんか。最初のセリフがいきなり「お前はバカだ。」だもん。

でも、親友だからこそ、相手の体を心配してあげてるんだろうなって感じは伝わってきた。


「ルネ」は、一人テーブルでコーヒーを飲み、タバコをふかすルネという美女にウェイターが近づいてきて、勝手におかわりのコーヒーをカップに注いでしまう。

「要らなかったわ。色も温度もちょうどよかったのに。」と言うルネ。

何度言われてもコーヒーを入れようと近づいてくるウェイターが可笑しい。

しかし、ルネの髪型・・・デカイ(ありんこのお尻みたいな)・・・どうやってセットしたんだろうか?!


「問題なし」は、とあるパリのカフェ。

アレックスに呼び出されたイザックは、アレックスに何か問題でも起こったのかと尋ねるが、アレックスは問題はないと言う。

わざわざ呼び出したんだから、何か問題でもあったんだろうと何度も聞くイザック。

しかし、アレックスは「問題ない」と言い、会いたかったかっただけだと言う。

会いたいと言いながら、「順調か?」「問題ない。」「本当に順調なのか?」「本当に順調だ。」ってな会話しかせずに店を出て行くイザック・・・2人の久しぶりの再会はこれでよかったのか?!


「いとこ」は、セレブ女優とアウトローっぽいいとこをケイト・ブランシェットが二役見事に演じ分けている。

2人でタバコを吸ってるときは、何も言われなかったのに、セレブのほうが帰っていとこが一人になると、ウェイターが「禁煙です。」と言いにやってくるのとか、女優は化粧品のCMに出れば、金持ちなのにそこの化粧品がタダでもらえていいわよね~。なんてセリフが皮肉っぽい。


「いとこ同士?」は、アルフレッド・モリーナとスティーヴ・クーガンがイギリス人ということで、テーブルの上にはコーヒーじゃなくて紅茶が・・・

スティーヴのほうが売れっ子俳優で、アルフレッドは、普通の俳優っていう感じの役。

アルフレッドがスティーヴといとこだということを発見して、うれしがってスティーヴに今度一緒に旅行に行こうだとか、電話番号教えてくれとか言うんだけど、スティーヴはやんわりと断る。

でも、アルフレッド宛にかかってきた電話の相手を聞いて、スティーヴは、手のひらを返したように態度を変え、自宅の電話番号教えてもいいよなんて言い出すんだけど・・・

きっと、現実でもよくあることなんじゃないでしょうか?

例えば、昔、フッた男の子が今は芸能人になってるって聞いて急に接近してくるとかってことが・・・


「幻覚」は、ビル・マーレイがコーヒーポットのコーヒーをポットのまま飲むシーンが笑える。



「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」と「シャンパン」は、ごめんなさい、特に心に残るシーンはありませんでした。


私は、コーヒーは飲みますが(1日1杯くらいなので中毒ってほどではないですが。)タバコは吸わないんですね。

コーヒーとタバコがよく合うのかっていうのは、残念ながらわかりませんが、どちらも中毒っぽい魔力を持ってるってことは確か。

コーヒー、タバコ、両方嗜まれる方は、このゆったりとした(悪く言えばダラダラとした)雰囲気の映画をもっと楽しめるかもしれません。

タバコを吸わない私でも結構楽しめたので。

短編だから、飽きる前に終わるっていうこともあるんだと思いますが。






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