松竹
シェフと素顔と、おいしい時間

★★★★★☆彡

パリのシャルル・ド・ゴール空港。

12年付き合った暴力的な恋人セルジオ(セルジ・ロペス)から逃げ出すためメキシコへ旅立とうとしているエスティシャンのローズ(ジュリエット・ビノシュ)は、ストで飛行機が飛ばないことを知り、慌てて携帯で友人に電話をするが、誤って携帯をトイレに落として流してしまう。

一方、元シェフで現在はアメリカで冷凍食品の会社を経営しているフェリックス(ジャン・レノ)は、別れた恋人の親類の葬式に出るため、アメリカからミュンヘンに行く途中、天候不良のため、シャルル・ド・ゴール空港に足止めを食らっていた。

焦っているローズは、携帯を持っていたフェリックスを見つけ、携帯を借りる。

恋人から逃げ出したい女と別れた恋人を忘れられない男が出会った。


ジャン・レノの映画って初めて観た。

ジャン・レノって短髪のイメージがあるのですが(あくまでも私の中のイメージ)、この映画では長髪で(長髪っていっても、前髪が長いだけですが。)繊細な感じでした。

一方、ジュリエット・ビノシュは、「ショコラ」の彼女のイメージとはまったく違い、すんごい厚化粧で、フランソワーズ・モレシャンかと思いました。(モレシャンさんもお綺麗ですけどね。)

でも、映画の途中で素顔になるんですが、素顔が美しい。(若干化粧してるのかもしれないですが、限りなく素顔っぽかった。)

だから、邦題に「素顔」って入ってるのかな?

ストーリーは、平たく話せば、偶然出会った男女が、ひょんなことから一夜を一緒に過ごすことになる。

お互いあまりいい印象を持ってなくて、絶対くっつきそうにないし、何度も別れるんだけど、反発しあいながらも次第に惹かれあっていく・・・っていうような、ラブコメによくありがちなストーリー。

でも、その過程がフランスっぽくておしゃれなのよね。

ジャン・レノがホテルの厨房を借りて、料理をするシーンとか、ジュリエット・ビノシュが素顔からメイクを作り上げていくシーンとか。

この映画、ほとんど主演の2人しか出てこないし、(ちょっとだけローズの恋人のセルジオが出てきますが。)主演の2人がものすごくインパクトの強いキャラってわけでもなく(若干細かいことにこだわりを持ってるキャラかもしれないけど。)笑わせるわけでもない。

でも、観てるうちに映画の世界に引き込まれていくんですよね。

ラストもよかった。

2人で抱きしめ合って、キスしてっていうのはなく、2人別々の場所にいるラストなんだけど、心が温かくなるようなラストでした。

「携帯電話」と「夢の家」がこの映画のキーワードかなぁ?(携帯電話がなければこの映画は成り立たないような・・・)






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