今年35歳、今まで彼女どころか友達もほとんどいないという。
小学生中学年まではかわいらしく、明るい少年であったが、
高学年頃から周囲に敬遠され始め、休み時間は机で寝たフリをしたり、ゆっくり時間を掛けて手洗い場を往復するなどして過ごしていた。
食べ方は汚く、カレーを食べると口の周りにルーがベトベトついていた。
知れば知るほど無謀な挑戦と思ってしまったが、神様には強い味方がいた。
たまたま散歩をしているときに書店の棚で大きく飾られてあった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら」という本。
その時は面白半分で買って読んでいたのだが、ついに実践する日がやってきたのだ。
まず神様は自分のポジションをマネージャーとした。
マネージャーとは支配人。経営者。管理人。監督。
ちなみに…
マネージメント 管理。処理。経営。
ドラッガーのマネジメントは「企業経営」について書かれている本で
神様には理解不能のレベルであったが、この本は小説で読みやすく、
しかも野球部を甲子園に連れて行くためにはという目標が神様と近かったので、
親近感が沸いた。
神様が本を読み進めていくにつれてまず最初のつまづきがあった。
もしドラの主人公、みなみもかなり考え込んだシーンだが、
マネジメントするためにはまず初めに『組織の定義づけ』をしなければならない。
岩男とはなんなのか?お笑い芸人だから芸を披露するための組織?
だが本書には
自らの事業は何かを知ることほど、簡単で分かりきったことはないと思われるかもしれない。鉄鋼会社は鉄を作り、鉄道会社は貨物と乗客を運び、銀行は金を貸す。
しかし実際には「われわれの事業は何かとの問いは、ほとんどの場合答えることが難しい問題である分かりきった答えが正しいことほどほとんどない」
つまり岩男はなんなのか、一晩考えても結局分からずじまいだった。