クラス3b&CIN3で私はLEEP法による円錐切除を受けました。



円錐切除Conization/Cone biopsyとは


CIN3と妊娠希望のⅠa1期の場合は、検査 兼 治療目的で実施される。

実際には、Ⅰa1期なのかⅠa2期なのかは、円錐切除をしないと確定診断できない



円錐切除の方法はいろいろ。

術前にあらかじめコルポで病変部位を十分確認し,切除範囲を決めておく必要がある。


①レーザー(593施設中302施設、全体の51%が利用)

  *CO2レーザー(91施設)

  *YAGレーザー(134施設)

  *KTPレーザー(77施設)


 ・麻酔:局所浸潤麻酔or腰椎麻酔

 ・止血効果はCO2レーザーよりYAGレーザーやKTP/YAGレーザーの方が優れているらしい。 

 ・レーザーでの問題は熱による組織変性。

  術後の切断端の組織所見が不明になる可能性あり。コールドナイフと比べて診断の不確実性が欠点。

  内子宮口側は熱変性を防ぐためにメスかクーパー(ハサミ)で切除することも。

 ・出血量が少ないのが利点である

 ・器具が高価。


②コールドナイフ(539施設中202施設、全体の34%が利用)

 ・Cold Knife(手術で使うメス。よくテレビドラマで皮膚を切るときに使うやつ)=安価。

  クーパー(はさみ)で切ることも。「古典的方法」だとか。

 ・麻酔は腰椎麻酔が多い。

 ・入院期間が2泊3日以上の病院が多い。

 ・他の方法に比べ術中の出血が多い。縫合で止血することがある。その場合は切断端が埋没して

  術後のコルポでの経過観察が困難になることも。

 ・切除の際に組織に熱変性が起こらないため切除断端まで組織の確認が可能

 ・子宮頸部を一塊に摘出できるため組織の再構築が不要。

 ・病理診断の面からは最も適切な方法

  

③LEEP(539施設中197施設、全体の33%が利用)

  ・Loop electrosurgical excision procedure高周波電流水蒸気爆発。

  ・レーザーよりも機械は安いがコールドナイフよりも高い。

  ・麻酔:局所麻酔or腰椎麻酔。

   私は静脈に薬を入れて眠っている間に終了だったので日帰り

  ・ループ状の電極で移項帯を含めて子宮頚部を円錐状に切除

  ・止血をしながら切開ができるから、他に比べて出血が少ない

  ・病変が広範囲だと、何個かに分けて切除するから、摘出検体の病理組織の再構築が困難になることも

  ・熱変性による組織診断の不確実性があるのも欠点

  ・煙が発生。

  ・レーザーと同様に切除後に出血があるときは吸収糸で縫合

  ・手術手技が簡単,手術時間が短い

  


④ハーモニックスカルペル

  ・超音波振動熱編成による粘着性コアギュラム

  ・超音波振動のエネルギーを利用して組織を切除する装置

  ・出血量も少ない

  ・レーザーなどに比べ熱変性が少ないという

  ・切除断面への組織変性効果が少ないので切除断端が陽性の場合の残存子宮への

   治療効果はあまり期待できないらしい

   →LEEPだと蒸散も一緒にできちゃうらしいからそれと比べてってことかな?


⑤電気メス(48施設)



上記の施設数のうち、71施設は今後別の方法で治療する予定があるらしく、

71施設中67施設はレーザーを候補にあげているらしいから、今後レーザーが増える?ってこと?

   



術後合併症


①術中・術後の出血

    ・コールドナイフ>レーザー>LEEPの順に頻度が高い

    ・止血困難な場合は子宮摘出の必要性も。

    ・術後4~3週間までの発生が多い。

    ・生理の出血と混じるから、円錐切除を受けるには月経終了直後がいい時期らしい。 

    ・術中の出血が多くなってしまうことも。

    ・術後1週間以降の大量出血が多い。

    

   

 ②感染

   ・コールドナイフの1~25%に感染症の発生が報告されている。 



③頚管狭窄

   ・コールドナイフで4.7%、レーザーで0.8%の発生の報告があり。

   ・一般にレーザー後の発生頻度は少ない。

   ・狭窄を起こすと、月経困難症、子宮留血症(生理の経血が出て来れない?)が生じる(月経モリミナ)と

    外科的処置が必要だったり、不妊症の原因になることもあるらしい。腹痛が起こる。

   ・お産の後7か月頃にCIN3で円錐切除をした方が、月経モリミナで単純子宮全的をしたらしい(矢野,2009)。

    →産後は無月経になるから子宮の入り口がどんどん癒着しちゃったのかな?

その他

 ①おりものの減少(頚管粘液減少)による不妊が指摘

  →一定の見解が得られず。

    頚管因子による不妊では、人工授精が考慮されるけれど

    まだそれについての研究はないらしい。



 ②術後の妊娠時の頚管縫縮術(シロッカー、マクドナルド法)が必要?

  →効果は明らかではないらしい


 ③術後の妊娠時の早産率は30%と高い

  →コールドナイフとLEEPに早産と低出生体重児が多い

  →コールドナイフは帝王切開術が多い、

  →LEEPは前期破水が多い  トカイロイロ・・・??????



CINおよび初期浸潤癌に対する保存的治療後の産科的予後に関する27論文のメタアナリシスで,

cold knife,LEEP,レーザー円錐切除が,早産,低出生体重あるいは帝王切開のリスクを高める

傾向があることを報告(Kyrgiou et al. Lancet 367, 489,2006)


とかあるけど実際どうなの~? 結論にいたらずってこと?