森田稲子のブログ
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

編集後記 ー最新号(通巻39号)ーから

37会員制寄稿誌
「日本の森林を考える」

シリーズ(10)
続・森林の可能性 第3号
【通巻39号】


内容詳細はこちら


編集室に次々に投稿原稿が集まってきた。そうした中、2020年までに1990年対比25%CO2の削減を目指すと表明した、鳩山首相の国際舞台での演説が、何度も伝えられた。演説は、森林・林業について言及したものではなかったが、改めて森林・林業についても考えさせられるものがあった。

つい最近まで、3.8%の森林吸収源を実現させるため、
森林整備だ間伐だと、必死の取り組みを行ってきた。それだけに、6%から急躍25%への目標拡大は、森林吸収源3.8%も次のステージに飛躍的増大を期待されることになるのかということになる。

しかし、日本の森林面積は國土の7割に変わりなく、どんなにがんばっても、樹木の生長を急激に高めるわけにもいかない。

直嶋経済産業大臣が25%について、笑いをかみ殺しながら、「できるわけ無いが、その達成には、すべての主要国の積極的な参加を条件としている」と解説した、いささかトリック的な言葉を思い出す。

そういうことが許されるのであるならば、森林の吸収源についても、国際間での広い解釈とカウントが可能となる。当然木材のカーボンニュートラル、森林の公益的機能、森林バイオマスなどを新しい視点から捉え数値化すると、日本の森林吸収源の評価は、飛躍的に増大するのではないか。せっかくのチャンスである。会員の皆さん、チャレンジしてみてはいかがだろうか。

本号には、4名の方が投稿されている。最初に「長伐期を見据えた森林林業への道」のⅡを渡邊定元氏が書かれた。
50年生の伐期に達した人工林を、100年後を想定して、皆伐せずに間伐を繰り返して、7カ年毎に10万円/ha、百年後に1000万円/haの資産を造成する施業計画を立案している。

二番目に執筆されているのは、赤堀楠雄氏であるが、そのタイトルが変わっている。「間伐材=エコだけでいいのか」氏の間伐材に対する最近の思いを示したものだ。

三番目の嶋瀬拓也氏は、本誌では投稿の少ない製材業について執筆された。林業サイドから製材業を見るとき〔国産材をどれぐらい使うか〕「いくらで買うか」という点に終始しているように思われる。製材業を地域の街づくりや地域文化・経済の中にきちっと位置づけることが、林業再生にとっても重要ことだと熱く述べている。

最後に、森林ジャーナリスの田中淳夫氏は、“消える森林”として、今、森林林業にとって大問題になっている森林境界の現状について、当事者の立場から書かれている。このテーマも本誌では、初めてである。

〈森田〉


◆参加しています。応援どうぞよろしくお願いします。
true-blogLank←クリック

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>