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木質ペレットの話

木質ペレットといえば、2ヶ月ほど前に、森林ジャーナリストの田中淳夫さんが、木質ペレットに対し、あまり邪険なことを言うものだから、歯向かって、そこはプロとアマの違い、ボコボコにやられたことを思い出します。

■森林ジャーナリスト田中淳夫氏のブログ「木質ペレット」を読んで

私に体力が無いために、一瞬にして終わったあの論争は、一体どちらが、勝ったのでしょう?
という事は、私はまだ、負けたとは思っていないのです。
しぶとく木質ペレットについて、多くの人が関心を持つのはいい事だと考えているのです。

それに、私は木質ペレットの役割について、最近、ある凄いことを思いついてしまいました。
それは、ストックとしての役割です。木質ペレットは、木質エネルギーのストックヤードだと、考えられないでしょうか。命を支えるストックヤードです。そうだとしたら、国民皆が関心を持つのは当然のことなのです。

この発想は、実は私だけのものではありません。ある方のごく真面目な提案から、私が木質ペレットに結びつけて思いついたのです。

ある方のごく真面目な提案とは、今から10年前に、会員誌に投稿されたものです。その会員誌とは、他ならない私が編集長をしている「日本の森林を考える」です。

同誌の創刊号(1999年4月30日)にその記事は載っています。タイトルは、「国産材時代を実現するための発想」で、ある方とは小澤普照氏です。
小澤氏は、元林野庁長官で、アイディア長官として、有名な方です。

記事全体では、12000字の長文ですが、その中で約800字を使って氏は、木材備蓄についてのアイディアを書いておられます。今読むと、それが、とても面白いのです。
面白いというより破天荒なのです。少し長くなるかも知れませんが、その概要を紹介してみましょう。

>今後、わが国で、もっとも大きな需要が見込まれるものはエネルギーである。しかし、わが国の森林成長量のすべてをエネルギー利用しても、10%以下しか賄えず、多くを石化燃料に頼らざるをえない。

>そこで、木質系エネルギーの備蓄政策を具体化する必要がある。本来森林そのものが、備蓄の機能をもっているわけだが、成長量をより大きくするために、間伐などによって、資源を林外に排出する必要がある。そして、備蓄するのだ。

>かつての水中貯材は、300年、400年後でも、利用できる可能性を立証している。土中蓄材についても研究開発が望まれよう。量的には1haの土地があれば、2mの堀削で1万t程度の貯材は可能ではないか。

>貯蔵場所としては傾斜地は防災の観点から避けて、極力平坦地形、あるいは平地を選ぶべきである。

>減反農地だけでも、100万haを超えていると聞いている。1万haで、1億tの貯材というのは、実現可能であるだろうし、カーボンシンク機能としても意味をもつ。

>山林に放置される間伐材(年間200万㎥)などからとりかかるのが現実的である。これを適正価格で買い取り、あるいはその他適正な方法で集積し、土地提供者には、土地リース代を払って保管してもらう。

>これらは公的実施を含めて検討する必要がある。排出土は盛土して、景観とカーボンシンクに配慮した緑化を行って第二の森林とすることが、21世紀の温暖化防止政策としても、地方活性化策としても有効であろう。。


さすが長官です。山林に放置されている間伐材(林地残材)は、まとめて土の中に埋めて将来のエネルギー利用のためにとっておこう、というのです。あんまり大胆な意見なので、ドキドキしてきました。

でも、そうやってどんどん貯めていったらどういうことになるのでしょう。それに実際にエネルギー不足になって掘り出した後は、元の土はほかに使っているわけだし、どうやって復元するのでしょうか。

そこで、私は思いついたのです。ペレットです。ペレットだったら、そんな苦労をしないですむ。

日本は、災害の多い国です。ですから、日頃から、そのための備えがされています。たとえば、東京の日比谷公園の地下には、いざというときのために何万人分もの非常食や水、毛布などが蓄えられていて、使用期限のあるものも古くならないように日頃から管理されているそうです。

そうした常備品の中に木質ペレットを加えてもらうのです。避難の期間が長期戦になったり、野外だったりしても、水と火があれば何とかなると言われます。ペレットだったら、炊事用にも、暖房用にも大いに役に立ちます。それに、使わない場合でも、カーボンシンクの役割を果たす事になります。おそらく日本全国の避難場所には、そうした機能が備わっているのでしょうし、全部あわせれば相当な量になるはずです。

これが私の木質パレットの有効活用に関する思いつき提案ですが、いかがでしょうか。

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