先日、大学時代から社会人にかけて付き合っていた元カレに会いました。
彼が仕事で目標としてきた成功を8年越しでおさめ、そのお祝いをするということで。
その目標というのが、私たちを別れさせたのかもしれないけれど、結局、別れてもなお、彼の仕事は応援し続けていました。
目の前の幸せを求める女と、その先の夢を追いかける男。
思えば、ありがちな別れかもしれません。
私も若かったということでしょう。
別れて1年後には、互いに別の人と付き合っていました。
でも、なぜか1~2年に1回は必ず連絡を取って、近況を報告したりしていたのです。
辛いことがあれば、話を聞いてもらったりもしました。
会うと必ず別れる時に、二人とも泣いてしまうのでした。
何が悲しい、という具体的なことは何もないのです。
でも、ただ、
「じゃあ、またね。元気でね。」
と言って別れる時に、涙があふれるのです。
今となっては、住んでいる所も関西と関東で随分離れ、互いにパートナーがいて、違う道を進んでいるというのに、あれから8年も経っているというのに、何が悲しいのか、自分でもよくわかりません。
今回は、彼のお祝いだから、パーッと楽しく飲もう!!と思っていたのに、結局最後は胸が詰まってしまって、いつも通りな感じになってしまいました。
でも、今回ははっきりとした理由がありました。
お店を出る時、靴を履く彼の姿を見て、何となく、ピンと来たのです。
それで、かまをかけてみました。
「もしかして、結婚した?」
彼はグッと答えに詰まった後、
「なんで知ってるの?」
と言いました。本当に、誰から聞いたわけでもないけれど、長く付き合っていた彼女がいるはずなので、何となくそう思ったのです。
聞くと、4日前に結婚式をしたばかりだ、という話でした。
私は、前を向いたまま、
「それは、ダブルでおめでとうだね。」
と言いました。
実は、去年の夏、私が様々な悩みで落ち込み、辛い時期に、彼にプロポーズされました。
「何もかも捨てて、僕のところにおいで。」
とメールに書いてありました。
この8年間に考えたこととともに。
でも、捨てたものや失ったものを簡単に取り戻すことが出来ないのと同様、選び取ってきたものや得てきたものを捨て去ることもそう簡単ではないのです。
仕事も人間関係も、何もかも捨てて関西に帰る、8年もの歳月を飛び越えて彼の元に返る、ということを、私はすることが出来ませんでした。
「去年、君にプロポーズを断られたからね。」
と彼は笑いました。
私の中で、一つの時代・・・というと大げさですが、大きな意味を持った時期が終わった気がしました。