クラシックカーと古い車はどう違う? | 交通事故弁護士ブログ

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交通事故の物損というと、車が代表例ですが、裁判所の考えは、その車の市場価格と修理に要する費用を比べて、安い方を賠償額とするという、かなりクールな考えをしています。

たとえば、当該中古車の市場価格が100万円のケースで、もし修理に要する費用が80万円なら賠償額は80万円、もし修理に要する費用が120万円なら賠償額は100万円。ともかく、「事故に乗じて儲けようなどという考えは許さない」というわけです。自分自身は、永年慣れ親しんだ車への愛着を考えると、こういう割り切り方には、疑問があると思いますが、実務は、これが当然という考えです。




それでは、中古車価格は、どうやって調べるか。

実務は、ほとんど「オートガイド自動車価格月報」(通称レッドブック)によっています。このほかには、シルバーブックとかイエローブックといわれる「中古車価格ガイドブック」という本があり、レッドブックには掲載されていない古い車も、このシルバーブックには載っています。

あと、最近は、ネットで中古車市場を調べることが一般化しつつあります。

価格が判明しないときは、減価償却によって計算します。




車が徹底的に古いときはどうでしょう?

徹底的に古い車というのは、価格が両極端にわかれています。いわゆるクラシックかーとなると、これは、非常に高価になります。もしこういうクラシックカーを破損したら、かなりの賠償責任がきます。これに対し、単に古いだけの車、20年経ったカローラセダンなんかは、たぶん、お見舞い金呈度になります。




問題は、クラシックカーと単なる古い車が、現実には、明確に一線を引くことができないことが、ままあることです。市場でクラシックかーとして世間一般に認められていれば問題ありません。しかし、オーナーとしては、この車は、非常に歴史ある車で価値のあるものだと思いこんでいても、市場では、まだ充分認知されていない場合も少なくありません。オーナーの認識と市場の認識が違う、あるいは、市場の認識そのものが不明だ、こういうケースは、それなりにあります。



こういう場合は、ともかく同年式の同車種が高値で売られていないかを調査し、これは、クラシックカーとして認知されているんですよ、と立証するしかないわけです。これが立証できなとなると、単なる古いだけの車になってしまい、賠償金は限りなくゼロになるわけです。


ただ、過去の裁判例を見ると、クラシックカーとまではいえなくても、単なる古い車ともいえない場合なんかは、修理費を、全額とは言えなくても、ある程度は認めてくれるようです。