神社経営塾

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神社の「価値」を最大化する神社経営のヒント集です。

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神社ファンは「何も知らない」

最近は、神社関連の出版物やテレビの特集が多くあり、
以前に比べて、神社についての知識が広く知られるようになってきました。
実際に、伊勢の神宮や出雲大社などに参拝される若い方は
事前に参拝作法を学んで、マナーよく参拝されています。

しかし、それはあくまで旅行という非日常的な場合でのこと。
暮らし、人生の一部としての神社の役割において、
神社については全くと言っていいほど知識がない、と考えた方がよいでしょう。

以前、弊社が行った20~30代の意識調査では、

自分の氏神神社を知っている人は27%
「祝詞」の名称を知っている人は17%
昇殿参拝を知っている人は19%

に留まりました。
悲しいことですが、これが現実です。

テレビでは、神社特集を行っていますが、
社頭参拝の映像はあっても、なかなか昇殿参拝のことに触れられることはありません。

まれに昇殿参拝の映像が流れることがありますが、
映画の成功祈願など、一部の「特別な人」が行う「特別な儀式」と思っています。

このように一般の若い人たちは神社で何が行われているのか、何ができるのか、を知りません。神社は初詣や観光のためだけに行くものだと思っている人が大勢いますし、
祭りが神社と無関係だと思っている人すらいます(これは決して例外的な人ではありません)。

なぜでしょうか?
神社の側はそのようなことは誰もが知っていると思っていますし、
若者の側は核家族化、団塊の第二世代のため、
神社についてほとんど祖父母や両親から教えられていないからです。

「つまり誰も教えてくれなかったから」です。
それを現在の神社ブームにおいて
新たな神社ファンは独自に学ぼうとしています。
そのためある程度、参拝者に対して「神社の見える化」をする必要があると思います。


参拝客の目線で考えてみる

例えば、アマゾンの奥地の見たこともない宗教施設を訪れた場合、
謎の塔や建物が立ち並び、よくわからない図形が描かれ、
何に使用するのかわからない道具が置かれている状況です。

どこが最も神聖な場所なのか、
道具はどのように使用すればいいのか、
不敬とならないためのマナーは何か、
きっと訪れた人は困ることでしょう。

これは極端な状況ではありますが、新たな神社ファンも神社を訪れた際、
少なからず同様の印象を受けているのです。

人がいれば見よう見まねで手水や社頭参拝はできるかもしれませんが、
神社とはどのような場所なのか、何ができるのか、
深い理解のないまま新たな神社ファンは去ってしまいます。

そしておそらく二度と訪れることはないでしょう。
なぜならば、そこに「価値」を「見つける」ことができないからです。
「価値」があるものが目の前にあるのに「見つけられない」。

これは大変不幸なことです。
だからこそ、神社の「見える化」は必要なのです。