アスタリスク | Names Of My Sadness

アスタリスク


愛車に跨りクルマの間を擦り抜けている時、

風が肌を突き刺す程になり、

露出した手足が凍える程になると、


ああ、もう、秋なんだ、

とふと感じる。


僕は、秋や冬が好きだ。

痛くさえある冷気は、思考を尖らせ洗練させてくれる。


木々は、赤く染まり、やがてその葉を落とす。


葉を落とした木々は、

寂しそうに見えるけれど、でも、凛として立っている。

目を刺激する程の鮮やかさはないけど、

その立ち姿は、キレイだ。


この口から吐く息は、

白く煙り、虚空に絶ち消えて行く。

それは、一瞬だけど、確かに僕がここにいるコトを教えてくれる。


僕は、秋や冬が好きだ。

僕は、確かに、この季節になじむ。

多分、秋や冬は、僕に似ているから。