うそ | やんぬるかな

うそ

 自分の中の嘘つきの部分、嘘をついても平気になった自分、嘘をつかざるを得ない自分を見つけた場合、それに伴う代償は、「一生、自分を理解できる人間なんか現れない」という諦めが、常に自分を締め付けるということだ



 「他者を理解できるわけないだろう、この甘ちゃんが」と罵る人もいるだろう

 「今まで、そんな青臭い考えで、よく生きてこられたね」とうんざりする人もいるだろう


 

 あなたのいう「他者」との離別が、この胸を締めつけているのではない

 「自分と言う名の他者」が、自分の理解を撥ねつけているということ


 それはつまり、今まで存在した自分への認識を否定するということだ

 自分の中の正義を、自分自身で否定すること

 それでも、生きていかなければならない、生きていこうという欲求を持っていること

 過去の否定、下らない現在の延長である未来への消極的な肯定が、この胸を締め付ける



 何なんだろう?

 いや、現実逃避してきた自分への、愚かな自分への、だらしない罰