ハーバード大学・サンデル教授の講義「Justice(正義)」 | モ~グのブログ

ハーバード大学・サンデル教授の講義「Justice(正義)」

今日、初めて、サンデル教授のJusticeの講義を知りました。
NHK 毎週日曜 午後6時~7時 日英の2カ国語放送です。
既に第9回の講義間ですすんでいたので、前の授業も聴講したかったと
思ったところYouTubeにアップされていました~!有り難い!
なんか、こういう授業を見ると、日本人がグローバルな会議で、
議論まけするのが分る気がしてしまいます。
聴講するだけでも、すごく興奮して授業を楽しめるので、オススメです。

今日は、第9回 「入学資格を議論する」でした。
Lecture17 私がなぜ不合格?
 アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を議論する。
サンデル教授は、1996年にシェリル・ホップウッドが起こした訴訟を取り上げる。
彼女はテキサス大学ロースクールを受験したが、白人女性である彼女は、
合格したマイノリティの出願者よりも成績がよかったにも関わらず、不合格となった。
サンデル教授は、アファーマティブ・アクションの是非を議論していく。
私たちは教育環境の不平等を是正するために、人種を考慮するべきなのか?
そのような方法で、奴隷制や人種差別のような歴史的不正を償うべきなのか?
人種など多様性を増すという大学側の論理によって、白人を不合格にすることは
権利の侵害になるだろうか?

Lecture18 最高のフルートは誰の手に
 古代ギリシアの哲学者アリストテレスの正義論を紹介する。アリストテレスは、
正義とは人々にふさわしいものを与えることだと考える。正しい分配をするため
には、分配される物の目的を考えなければならないと論じる。最高のフルートは、
誰の手に渡るべきだろうか。アリストテレスの答えは、最高のフルート奏者である。
すばらしい演奏がなされることが、フルートの目的だからだ。目的から論じることは、
正義について考えるには不可欠だ、と言ったアリストテレスの正義論を理解した
上で、サンデル教授は再度、アファーマティブ・アクションの是非の議論を振り返る。


Harvard University Justice with Michael Sandel
ハーバード大学・サンデル教授の講義「Justice(正義)」
http://www.justiceharvard.org/
http://athome.harvard.edu/programs/jmr/




ハーバード大学・サンデル教授の講義「ジャスティス」白熱教室より抜粋:
http://www.nhk.or.jp/harvard/about.html
創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が
最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業
「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える
学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバード大学では、
授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。
ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。

サンデル教授は、私たちが日々の生活の中で直面する難問において、
「君ならどうするか?何が正しい行いなのか?その理由は?」と、学生に投げかけ、
活発な議論を引き出し、その判断の倫理的正当性を問うていく。
マイケル・ジョーダンやビル・ゲイツはその仕事で、すでに社会に貢献しているのに
なぜ税金を納めなければならないのか。また代理出産、同性愛結婚、人権など
最近のアメリカ社会を揺るがす倫理問題も題材となる。絶対的な答えがない
このような問題に、世界から選りすぐられた、さまざまな人種、社会的背景を持った
学生が大教室で意見を戦わせる授業は、ソクラテス方式(講義ではなく、教員と学生
との闊達な対話で進められる授業形式)の教育の最高の実例と言われている。

世界の若き頭脳たちの堂々たるディベート能力、知的探求心、考える力など、
世界最高レベルの知的エリートの能力は、私たちに強烈な知的刺激を与える。
さらには、宗教、人種、貧富など複雑に入り組んだアメリカ社会の構図を読み解く
糸口にもなる。また副音声による英語放送によって、今のアメリカの生きた英語を
学ぶ絶好の教材ともなるはずである。


アリストテレスの目的論的論法、こういう風に授業してもらってたら、
もっと哲学が好きになっていたと思うな~。
アリストテレスの生きた時代の、自然は意味のある秩序があった時代と、
現代の時代背景や文化をふまえた
テロス(目的論)を正義論とともに解説していくのは、
直感的な説得力を持つということを、納得せざるをえません。 
面白かった~!

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