比較的受けやすい、ハンドマッサージをしてて思うこと。



見ず知らずの人の手を握るという行為自体が非日常的で、

だからこそ、この仕事(アロマセラピスト)は

他人と触れ合うことができ、

おまけにそれが老若男女問わず喜んでくれる。


私はただ、それぞれの植物が持つ香りの成分を仲介に

こうして他人と触れ合うことができているのです。

改めて自然に助けられ、共存しているのだなと思う。


手と手が触れあうだけでなく、

必然的にそこには、今まで何の接点もなかった人と

話すきっかけにもなる。

他愛もないことから、ふと共通点を見つけて話が盛り上がったり、

人生の先輩だったら、先輩の視点から教えられることもある。

ほとんどが女性ではあるけど、時には男性の方も。


そして、手を見るとやはり年齢を重ねた分、

深くしわが刻まれ、そこにはもしかしたら沢山の苦労があったり、

今までこの手で沢山の仕事をしてこられたのだろうなと思うと

どうぞ、この瞬間だけでもゆっくりと手を休めて、

今までのご自分を褒めて頂きたいと思うのです。


分厚く、黒光りした手からどれだけのものが生み出されてきたのだろうかと思う。


たくましく、力強い手ばかりでない。

年齢には勝てないようで、やっぱり10代、20代の手は綺麗。

意外と手は年齢を現すのだなと自分の手との違いにはっと気付かされる。


そんな若く綺麗な手をしているのに、腕にはリストカットの後がある子がいたり。

触っていいのか躊躇する。

かと言って、そんなプライベートなことに触れることはタブー。

心の中で、何か辛いことがあったんだろうと思うだけで、

ただ単にこれからの人生前向きに生きていって欲しいなと思うしかないのです。


簡単なハンドマッサージくらいでは、クライアントとコンサルテーションはしないけど、

トータルなトリートメントとなるとコンサルテーションは必須。

もしかしたら言いにくいことにまで触れるのかもしれない。

こんな見ず知らずの私に。


でも、最終的にはアロマのマッサージは植物の力がもたらしてくれる

根本的な物理的な恩恵以上に、

メンタルな部分までに施してあげれるのがセラピストの役割なのではないかと

今まで出会ってきたクライアントさんを通して思うのです。


しかし、私達は心療内科医でも、

心理カウンセラーでもないので、その辺の専門的なことはわからないけど、

人と人とが誠意を持って触れあえる、それだけで人は少なからず安心し、

心を開いてくれるのだろうと思う。

それは仕事の面だけでなく、日常生活の中ではとても大切なことなのだと思う。

きっと最近の所在不明高齢者問題についても、その辺りが日常欠けているのは見逃せないのではないか。



マザーテレサが言った言葉にこういうのがあります。



「人間のほほえみ、人間のふれあいを忘れた人がいます。


これはとても大きな貧困です。」



「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。


だれからも自分は必要とされていないと感じることです。」



そう、みんな触れあって話を聞いてくれるだけで人は救われるのだと思う。


この言葉をしっかり心に刻み、少しでも安らぎの時間を与えられるようになりたいと思う。



just R's style
  緑に囲まれたテラスでハンドマッサージ体験。