青いパパイヤの香り-水滴

水のない国で

水の有難さを知り

道のない国で

道路の便利さを知る



四季のない国で

季節が移り変わる美しさを知り

自由のない国で

自由であることの幸せを知る



無くなって初めて分かる

あるのが当たり前だったものの大切さ


青いパパイヤの香り-はっぱ

エコロジーという名のもとで

リサイクルセンターに売り飛ばし

最新の流行を追い求める

これって本当にエコロジー?

これじゃ  商人のてのひらで踊らされている

ただの資本主義のブタ

青いパパイヤの香り-犬

勝ったときは 

狂ったように喜び

負けたときは

「負けるが勝ち」と勝ち誇る

それじゃまるで

いつだって僕が負け犬みたいじゃないか

だけど

勝ったか負けたかを決めるのは

全て考え方次第

青いパパイヤの香り-筆

「手紙」がトイレットペーパーで

「娘」がお母さん

そんなのヘンテコだよって

ゲラゲラ笑いとばしていたけど

ある日ふと気がついた

間違えているのは僕のほう

だって向こうは

漢字が生まれた国


青いパパイヤの香り-調味料

3種類の調味料で  

さぁ料理をつくろう

甘くなめらかな味を出す  ひらがな

シャープな切れ味には カタカナ

そして 漢字は苦みと渋みを醸し出す大人の味

この3つの調味料加減で  

仕上がりが自由自在に変化する

そう  日本語は魔法のクッキング

青いパパイヤの香り-マシュマロ

虹色に輝くシャンパンをぐびぐび飲み干して

ふわふわ雲の上を散歩し

くらくら渦潮に巻き込まれた瞬間

ぼくは一気に深い深いの海の底に落ちていった

もう二度とアルコールは飲まないと

今まで何度誓ったことだろう

おんなじ失敗を繰り返す

ぼくの脳みそはマシュマロ

青いパパイヤの香り


宇宙へ行きたい

瑠璃色に輝く地球を見るために

宇宙へ行きたい

月の上で軽やかなステップを踏むために

宇宙へ行きたい

エウロパに隠されたミステリーを解くために

宇宙へ行きたい

想像を遙かに越えた未知なるものと遭遇するために

青いパパイヤの香り-マカロン

その曲が流れると

ぼくのお部屋はパリの街角に早変わり

マロニエの並木道で春色のマカロンかじって

小鳥たちと一緒に歌おう

シャンゼリゼ通りで淹れたてのカフェオレすすって

ギャルソンと一緒に踊ろう

その曲が流れると

ぼくのお部屋はパリの街角に早変わり

青いパパイヤの香り-ハチミツ


東の空で  サーモン色のお日様がニヤリと笑い

朝を告げるおんどりが勢いよく歌い出した

さぁ、今日もハチミツパーティーの始まりだ

青いパパイヤの香り-おたまじゃくし

ボタ ッ  ボタボタッ

屋根から響く音が鳴りやまず

窓の外を覗いてみると

琥珀色のおたまじゃくしが大量に舞っていた

そういえば、今日の天気予報は

晴れ、時々おたまじゃくし