ファンなどという中途半端なきもちじゃなくて | バンドのおいしいつまみ方

ファンなどという中途半端なきもちじゃなくて

23才のとき。


芸能人などという半ばバーチャル的な人間に恋してしまったことがあった。
ファンとかそういう生半可な気持ちではなかっただけに実に息苦しい一人相撲で
熱が冷めるまでの2年半、まるで夢遊病のような暮らしぶりだった。


人生、後にも先にも芸能人を好きになったのはこれっきり。


当時、彼のコトは何でも把握しないと気が済まない病で、雑誌のインタビューで「ハリウッドランチマーケットが好き」という彼のコメントにより、服に疎いアタシのハリウッドランチマーケットという店のリサーチがはじまった。
猿楽町?なんて読むんだ?しかもどこだよそのサルなんとかってのは。


柏に住んでたあの頃、よそに行くことなどほとんどなくて
行ってせいぜい上野が限界だったアタシにとって東横線なんてのはもう旅に近かった。


この人生初の代官山は酷かった。
徒歩6分のはずのハリウッドランチマーケットには、1時間半かかり、
なんとなく見ていたおもちゃみたいな時計を店員に勧められるまま断りきれずに買うことにしたらなんと36000円というリアルにゼロがひとつ多いんじゃないかという高額で、スリにでも遭った気分で帰宅した。

もうもう二度と来ないし、って思った。



あれから12年、
もう来ることなんてないと思っていた代官山に、
あのころカメラなんて触ったこともない自分が
この日はFlowerFlowerさんのライブの撮影に来ていて、
しかも待ち時間中蔦屋スターバックスで恐れ多くも「はいざらこうかん」の皆さんと一緒に
コーヒーを飲んでいる。


なんか嘘つきみたいになってんじゃん、アタシ。
来ないって言ったくせに、みたいなね。
アタシがわるいのか?これ。

ははは、もうなにがなんだか。


ギャラリーにこの日の「はいざらこうかん」のライブの写真を追加させていただきました。
はいざらこうかんの皆さん、ありがとうです。ほんとうにね、あったかいライブでした。


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