こういうニュースを見て、つくづく税金を払うのがバカらしくなるのは筆者だけであろうか。

 

斎藤経産相、次世代半導体ラピダスに最大5900億円を追加支援(Bloomberg) - Yahoo!ニュース

 

 斎藤健経済産業相は2日の閣議後会見で、次世代半導体の量産を目指すラピダスに最大5900億円を追加支援する方針を明らかにした。今回の支援が成立すれば、同社に対する累計1兆円近くに上ることになる。

 日本政府はラピダスに対し、昨年度までに累計3300億円の支援を決めるなど強力な支援を続ける。同社は昨年9月から北海道千歳市で半導体工場を建設中だが、同工場には5兆円規模の投資が必要と見込まれており、今後も政府による支援が継続する可能性がある。

 

 この支援の見返りには、いったい何があるのか。まさかこの会社が成長して利益を上げるようになったら、「めでたし、メデタシ」で済むというのか。あるいは「支援した返済すればいい」で済むのか。

 

 資本主義経済社会、株式市場における資金調達、そういった大原則からすれば、仮に支援するならば、それは即ち「出資」でなければならない。

 ニュースを見た限り、支援、支援というばかりで1株当たりでいくらの出資になるとか、金利何%での貸し付けという言葉は出てこない。

 いったいどんな条件で支援するのか、納税者に対して説明せぬのか。

 ラピダスのHPをチェックすると、株主には大手企業8社と二人の経営者、12人の創業個人株主の存在が明らかにされている。国は株主として掲載されてはいない。

 いいなぁ、この株主たち。

 巨額の支援を国から受けて、会社が成長すれば、その果実は自分たちの物。うまくいけば、株式の価値は数十倍、数百倍に膨らむか。

 支援が出資ならば、まだ理解できる。会社が成長すれば、その支援のリターンを株式価値の上昇として得ることができるからだ。

 こんなわけのわからぬ政策で、経済が成長するわけもない。