現役MBA受講生との交流から思うこと | ものづくりエンジニアのたまり場ブログ・・・【mono-B-LOGue】

現役MBA受講生との交流から思うこと

先週、ちょっとしたイベントがありました。
英国C大のMBA受講生が、関西を始めとする大手企業を巡るツアーのため来日していました。

その訪問先企業は、
・某下着メーカ
・某鉄鋼メーカ
・某自動車メーカ
・某医療機器メーカ
・某重工メーカetc...
と、ジャンルも様々、密度の濃いツアーが組まれていました。

その一つ、某重工メーカについては、神戸大学の社会人MBAコースを受講されているこの方が自身が担当しているプロジェクトについてプレゼンをすることになりました。

その準備段階で、関係者への準備依頼メールが、工場も違う、プロジェクトにも関係していない、私のところにも「何故かCCで」回ってきました。


・・・ええ、はい。


見事に釣られました。



こんな機会滅多にないからと、お手伝いでいいから是非ともボランティアで参加させてください、と即返信。
そしたら数分も立たないうちに、案の定、乗ってくると思った、との返事が・・・。


確信犯でした。



担当は資料作成時に言いたい放題の突っ込みと、当日の写真撮影と質疑応答補助、あと企業ミュージアムでの誘導などなど、アシスタント役でした。

今回の話は少し通常業務から外れるので、有給を取得しての参加となりましたが、とても有意義な場に臨場できて良かったと思います。

資料作成時点で「MBA受講生だったらどんな質問をするか?」と自分なりに考えてぶつけていました。
その質問の内容と、実際のMBA受講生の質問を比べたとき、方向性はそれほど違ってなかったのですが、決定的に違ったことが一つだけありました。

私の視点は、技術戦略重視。
でも、彼らの視点は、経営数値からの戦略論。

将来MBAホルダーとして経営の中枢で活躍することを期待・渇望して各国から集まった人達ですから、当然と言えば当然なのですが、技術的なポイントを絡めた戦略論というのではなく、純戦略的な質問が多かったという印象です。


ここから逆に、ものづくりの企業、特に日本の、と言った方がいいのかもしれませんが、ほんの一部の企業を除いて世界の舞台で活躍できない理由がこれではないかと、感じました。

ものづくりの企業が持つ独自技術をいかに活かしながらそれを経営戦略に入れていくか、ということを考えるとき、技術面が解っていなければそれを含めた視点で戦略を立てることはできない、それを強く実感しました。

しかし、彼らの戦略面に関する質問は、非常に鋭いものです。
プレゼンを担当したこの方が、「Any questions? But easy one please.」最後には「Give us easy question!」と半分本気でお願いするほどガチンコで、中には「彼はCEOじゃないから明言できないよ」と、アテンドしていた大学の教授がフォローするくらい企業戦略の根本に関する質問も飛びだしました。


ものづくりの本質を探る!~神戸の企業内技術士の挑戦


実際のところ、このプレゼンはかなりの高評価を得たらしく、これ以前に回ったところではほとんど質問もでなかったとのことですから、彼らの知的欲求をくすぐる内容であったのは間違いないので、関われた自分自身の自信にもなりました。

それと同時に、世界と伍する企業戦略のためには、技術と経営戦略の両方に精通する人財が絶対に必要だということを実感しました。
技術を活かすのに技術を知らないと、数字だけ追いかけてものづくりの本質を見誤る可能性があると思います。


でも、一人じゃ足らんですよね?



今回、一緒にアテンドしていた神戸大学MBAコースの他の受講生の方とも面識ができたので、厚かましくもその輪(飲み会?)に飛びこませてもらって、いろいろな情報交換と刺激を受けられることをとても楽しみにしています。



最後にもうひとつ。

企業ミュージアムを回っている時の英国C大MBA生の方々は、子供のようにはしゃいで楽しんでいました。
子供のような好奇心と高度な知識、そして熱い気持ち。

プレゼンの中で、特に将来の方向性に関する部分は彼らを相当刺激したらしく、質問も集中しました。
最終的な質問への回答は、「これからを担う自分たちが引張っていかなくてはいけないんだ」という、ある種の根性論ではあったのだけれど、これがまた彼らに響いたようです。

結局、なんだかんだいってもこれが重要な要素なんだと、改めて認識できました。

本当に貴重な体験でした。