アナログゲーム療育講座~学童編(前)【す箱 in 高円寺】 | モンハウスのボードゲーム日記

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日夜ハウス内で繰り広げられるボードゲームのレビューをあげていきたいと思います。

 すごろくや主催、松本太一さんの【アナログ療育講座~学童編(前)】に参加してきました。

 前回の幼児編に続き、今回は第二回になります。

 

 今回は学童編という事で、前回の幼児編より参加者も多かったです。

 学童の先生や、おもちゃ屋さん、養護学級の先生が一緒の席でした。

 前回の幼児編より、今の仕事で関わっている児童の年齢が対象のため、すごくわかりやすく聴けました。

 

 実際に僕が仕事で使っているゲームもたくさんありました。

 (インカの黄金とか、ヒットマンガとか!)

 

 紹介されたゲームは、

 【ファイアドラゴン】※

 【すすめ!海賊さん】※

 【インカの黄金】※

 【ストーンエイジジュニア】

 【ヒットマンガ】※

 【ゴーストブラスター】

 【わたしはだあれ?】

 【禁断の島】

 ※試しプレイ有

 

 今回、松本先生が講義の冒頭で話していた「デジタルゲーム」と「アナログゲーム」の教育的意義における違いは、ストンと落ちる内容でした。

 デジタルゲームは、ルールを破ることができない。つまりルールが他律的であり、プレイヤーはそれに従うしか無い。

 アナログゲームは、ルールを破る事が物理的にはできる。例えば、勝手にサイコロの目を無視してコマを進めてしまうとか。しかしそれをしてしまったらつまらなくなる。

 

 

 僕自身、このルールの自律性について、ボードゲームをこども達に展開する中で、象徴的に感じた場面がありました。

 それは【いかさまゴキブリ】というゲームを展開した時です。

 【いかさまゴキブリ】は、ルールに従ってイカサマするゲームです。シンプルに言うと、1手番に1枚、カードを落としたりして消して良いというルールがあるのです。

 このゲーム、こども達に提供しようか、大分悩みました。大人同士で事前に試していたので、とても面白く、こども達に大人気になるだろうという予測はありました。しかし、私は、保育のプロとして、意図と目的を持って教材を提供しなければいけません。イカサマというズルをする事が、ルールの中で推奨されているゲームを提供する教育的意義って何でしょうか?

 もう一つ心配がありました。このゲーム、本当にイカサマ(ルールで認められている範囲から逸脱したイカサマ)がされると面白くなくなるという点です。例えば手番に2枚以上のカードを消しても、わかりづらいという点です。本当にズルができてしまう所が、大人と違ってこどもに展開する際には心配でした。

 

 ところが実際に【いかさまゴキブリ】を展開してみると、ほとんどの子が、きちんとルールを守って遊べました。ルールを守れない子がいると、「それじゃつまんないじゃん!」と他の子が指摘します。

 「つまんない!」これ、遊びの中で一番言われたくない言葉ですよね。アナログゲームをこども達に展開していくと、途中でゲームを投げ出す子がいます。その子にも「つまらなくなるだろ!」という言葉がかかります。

 アナログゲームを児童に提供する一番わかりやすい利点は、これなのではないでしょうか。「皆がルールを守らなければ、つまらない」「最善の結果を全員が最後まで追って遊ばなければ、つまらない」「皆で遊ばなければつまらない」

 裏を返せば「皆がルールを守って遊ぶと面白い」「最善の結果を追って勝ち負けする事は面白い」「皆で遊ぶのは面白い」

 

 松本先生の講義を聞いて、本当に大事な事は、遊びを展開する中で起きるドラマを、援助者が上手に拾い、こども達に投げ返す事で、如何に子ども達の学びや気づきにきっかけにしていく事であると、改めて再認識させて頂きました。

 

 次の療育講座は、実は私自身が、職場で一切導入していない【協力型ゲーム】がテーマになります。何故、如何にも教育的意義のありそうなゲームを導入していないか、それは次回の講座に出た後に書かせて頂きます。

 いつか協力型ゲームを取り入れていきたいな、という希望はあります。ただ、ハードルの高さをリアルに感じているだけなのです。次回の講座を経て、私の職場にも協力型ゲームを導入していけたら幸いと考えています。

 

 珍しく長文になっちまったで~(^。^)y-.。o○

 

↓【ファイアドラゴン】

 

↓【すすめ!海賊さん】

 

↓【インカの黄金】

 

↓【ヒットマンガ】

 

↓【ゴーストブラスター】