裁判所というのは、これまでの人生で何度か行ってます。

高校か中学の時の社会科見学(国会議事堂とセットだったなぁ)。
モンゴル語通訳として、モンゴル法曹界の人の研修セミナーに同行したとき。

仕事関連でもありますね、そういえば。

我が家はサスペンス好き、ミステリー好きなのですが、やはりドラマチックなのは裁判所での法廷傍聴・・・かなぁ?

新聞・雑誌や本では知りえない事件そのもののナマナマしさが言葉で、語られる。
それは必ずしも真実かどうかは別にして、少なくとも、テレビの報道の「その後」だったり、事件が起きる「きっかけ」というか「要因」など起承転結を垣間見ることができるのです。

モンゴルでの裁判については制度としてはなんとなくわかるのですが、まったくの素人。
私の担当弁護士は、裁判好きというか、法廷での勝利を得ることが得意なタイプです。

日本でもそうらしいのですが、「法律顧問」あるいは「法律アドバイザー」は月定額ですが、法廷で争う場合には、別途料金が加算されるので、弁護士にとっては利益率が高いようです。

しかも、民事にしても刑事にしても、相手の方が、「辛い」というか「勝ち目がない」場合、モンゴルでは多くの場合、相手が「裁判所に来ない」という理由で、「流れちゃう」ことが多いため、時間もかかるし、お金もかかる、というなんだか、「弁護士、ぼったくり?」みたいなことになってしまうのだそうです。

ふぅ。

裁判は判決が出て、実際に解決するまで、常人の私たちにとっては、途方もなく膨大な時間がかかります。その間のストレスもただものではなさそう。

地方競馬で人気の若手女性騎手が、厩舎の男性調教師にセクハラ&パワハラを受けて、解雇された・・・ということに対して、訴えていましたが、今日の新聞で、「裁判で時間を取られるよりも仕事に専念したい」という理由で訴えを取り下げた、という記事が出ていました。

事件としては日本のニュース番組でも大きく取り上げられていましたし、どう考えても、男社会の競馬界というところに、若くて元気で可愛らしい女性が騎手として参入してきたために起きた事件であります。

どこの世界に、調教師と騎手の信頼関係を確かめ合うために、全裸を見せ合う必然性が求められることがあろうか?
「割りきった関係」をせまられ、断ったことために仕事の足をひっぱられ、挙句の果てに解雇される・・・

じゃあ、この調教師は、男性騎手相手にも、全裸を見せ合うことを強要し、かつ「割りきった大人の関係」を携帯メールで迫るのだろうか・・・

裁判で争えば、きっと女性騎手が勝つことができるでしょう。

でも、精神的なストレスは解消されることはないだろうし、男社会である競馬界に若い女性が飛び込んだ以上、デリカシーのない男たちの精神的な弾圧は受けることは、今後も続くことでしょう。

かつ、調教師とトラブルを起こした、となると、今後、他の厩舎の調教師たちも敬遠するかもしれない。

競馬界では、やっぱり、コネとかってあると思うんですよ。
若い女性騎手が、強い馬に乗ってレースに出るためには、いろんな苦労もあれば、使える武器もあるでしょう。(たとえば、人気とかね)

何年も法廷に足を運び、セクハラの嫌な思い出に悩まされる時間のロスより、それはそれとして割り切る、それも一つの判断でしょうね。

裁判沙汰を起こす、というのは、なにはともあれ、時間とお金の浪費と精神的ストレスを覚悟しなければできないことなのだなぁ。

最近は、サスペンスやミステリーものでも、弁護士目線よりも検事主役、というものに興味があります。

ともあれ、昔、会社の先輩に「裁判傍聴マニア」がいました。
とっても面白い社会派ドキュメンタリーの企画をバンバン出して、ガンガン作るすごい先輩でした。

こんな本を購入して、今日の新聞記事での告訴取り下げを見て、なんだかよくわからないけれど、その先輩のことを思い出しました。

いろいろなことが、てんでバラバラに思い浮かんでしまうのですが、今回の一時帰国中に、ちょっと法律のことに関心をもって世の中を見てみようと思うのでした。





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