美香「車バックしてる時あるじゃん?」


皐月「は?」


美香「自分が助手席座って、彼氏が運転席。

   で、車をバックさせんの」


マリ「なんの話ー?」


皐月「分かんないー」


美香「だから、車バックさせてる時に助手席ポジションから

   見た運転席の人ってかっこよくない?ってこと」




マリ「…何これフェチの話?」」


皐月「じゃない?」


美香「なんで?かっこよくない?」


皐月「……あー…まあね」


美香「この間さ、マジでそれあったんだよね」


マリ「それこの前言ってた人?」


美香「うん。車持ってるってだけで高ポイント。

    しかもカッコイイとかマジありえない…!

    絶対私あの人と結婚する!」


マリ「えーでもウチらまだ中学生じゃん。

   絶対それ相手にされてないって」


皐月「ってか今初めて聞くんだけどさ、その人何歳?」


美香「27」


マリ「27-!?」


皐月「知り合う経路が想像できないんだけど…」


美香「んー?なんか普通に電車同じでー。話しかけてー。

    んでメールしてー。この前一緒にご飯ーみたいな」


皐月「うわ怪しっ」


美香「怪しくないよー。いい人だよー?」


マリ「うん…まあ怪しいけど……。美香がいいならいいんじゃ

   ない…かな…?いやいいのかコレで…?」




景子「……あの、皆川さん」


マリ「あ、ごめん景子ちゃん机借りてるー。」


景子「いや、あの、次の授業は移動だから教科書取らせて

   ほしいんだけど…」


マリ「あ、ごめんねー。いいよー取って取ってー」


景子「ご、ごめんね」




マリ「ばいば~い」



美香「……景子ちゃんって苗字なんだっけ」


皐月「平野だよ。覚えててあげなよ~」


美香「平野ってさァ、なんかキショくない?」


マリ「誰平野って」


皐月「景子ちゃん」


マリ「へ~あいつ苗字平野っていうんだー」


美香「あいつさ、いちいちアタシらに話しかける時さ、

   ビクついてんじゃん。キモくない?」


皐月「あー分かる。でもウチら平野になんもしてないよね?」


マリ「ってかさ、あいつオタクじゃない?」


美香「マジで?」


マリ「なんか昼休憩とかにさ、オタク系の女子と一緒に1個の

   机にかたまってさ、オタクの絵とか描いてんじゃん。」


皐月「キモー…」




美香「あ、メール来た」


皐月「誰から?」


美香「あの人」


マリ「27歳さん?」


美香「うん」


マリ「なんて?」


美香「今日の夜会える?って」


マリ「…犯罪の香りがする」


皐月「同感」


美香「何よー。いいもん行くもん」


皐月「マジで行くの?」


美香「うん、がんばってくる」


マリ「何をだよww」




距離は3人分 2 に続く



櫻井「おー、どうした達也こんな所で」


達也「先輩、」


櫻井「誰もいない野球部の部室に男一人か。

   ……まあこれから新しい恋が待ってるさ」


達也「失恋じゃないです先輩」


櫻井「違うのか」


達也「大幅に違います」


櫻井「なんだよ、肩でも痛めたか」


達也「違います……将来のことです」




(沈黙)

(なんか音楽かけてー!)




櫻井「言ってみ」


達也「…俺、成績下がってきてるんです。

   それに将来の夢も無いし、熱中してる事といえば

   部活くらいです」


櫻井「そっか」


達也「でも俺、部活でやってるような事とかのプロ選手とかに

    なろうなんて思ってないのにっ…、これくらいしか俺に

    できることなんて無くて…」


櫻井「そうか」




(間)




達也「……先輩、今年受験ですよね」


櫻井「ああ、調理学校」


達也「料理得意だったんですか」


櫻井「別に」


達也「えっ」


櫻井「得意ってわけじゃないんだけどさ。

    なんかスゲーじゃん。こう…チャチャッと料理

    できるとさ」


達也「…それだけの理由ですか」


櫻井「いいんだよ、そういうもんじゃんか」


達也「何がですか」


櫻井「なりたいからなるってことだよ」



(ちょっとだけ間)



達也「…俺は、なりたいもんなんか無いです」


櫻井「じゃあお前なんで今の部活やってんだよ」




達也「…考えます」


櫻井「おう」






喧嘩3 へ続く

櫻井(男)

達也(男)






達也「お疲れ様でしたー」


櫻井「おう、お疲れー。あ、達也。

    水樹先生が呼んでたぞ」


達也「あ、はい!ありがとうございます」




水樹「達也くん、英語の提出物がまだなんだけど?」


達也「ヤベ……すいません、明日出します」


水樹「英語の成績、良くないわよ。提出物くらい

   出さないとねぇ…」


達也「すみません」


水樹「部活に力入れるのもいいけどね、一応聞いて

   おこうと思います」


達也「…なんですか?」


水樹「あなた、将来のビジョンはちゃんとある?」


達也「今それ関係ありますか?」


水樹「ちゃんと答えなさい。」


達也「……まだ何も決まってません」


水樹「やっぱり。もうあなた2年生よ?しかも後半」


達也「はい」


水樹「部活にうつつを抜かすヒマがあるなら、ちゃんと

   学業の方をしっかりやってほしいですね!」


達也「え、さっきは部活に力を入れるのはいいよって…」


水樹「両立できることが前提です、それは!」


達也「……分かりました」


水樹「ちゃんとするのよ」


達也「はい…」





達也「……将来…」




喧嘩2 に続く