【小桜舞子歌謡ショー in 尾張温泉東海センター DATE:2012/10/04】~序章~ | -縁歌妄想族-

-縁歌妄想族-

下世話な、とるに足らない妄想記事です。

♪は~るばる来たぜ、


     『尾張温泉』~!!(←字余り)



-演歌妄想族-




名古屋の演歌ファンが集う聖地、


『尾張温泉東海センター』。



なぜなら、



毎週木曜日、ここで収録される東海ラジオの公開録音には、

毎回、演歌ファン垂涎の豪華ゲストが

登場するからであります♪


たとえば、

今月のラインナップは、こんな感じ。



-演歌妄想族-






う~む、今月はまた・・・

素晴らしすぎる!!

許されるものならば、毎週来たい。


そして、

本日のゲストは、【小桜 舞子】さんだ。



-演歌妄想族-



小桜さんは、

ぼくが初めてこの”尾張温泉”を訪れた時の、

思い出のゲストでもある。


そんな小桜さんに、

ふたたびこの地で相まみえようとは。



さあてと、

ではさっそく”歌謡ショー”をビックリマーク



・・・まあ、まてまて、あわてるな。


この時点で、午前9時半。

ショーは午後1時からだ。



早すぎる・・。



たはっ(^▽^;)



時間もあることだし、

まずは、ひとっ風呂浴びるか。


玄関からロビーを横切り、浴場へと向かう。

と、そのとき視界に入ってきたのは・・。


「ん?」



-演歌妄想族-






「ゲーセンかあ・・・。」


そのど真ん中の、目立つところに”デン!”と居座ってるのは・・。


「”UFOキャッチャー”だ♪」


懐かしさに、

ついフラフラと近づいてゆく。




若いころは、よくやったもんだ。

各地のゲーセンで景品をゲットしまくり、

”吊るし屋のヤモちゃん”と、恐れられたものさ。

  (ウソウソ(^^ゞ)


うーん、なんか血が騒いできた。

ひさびさに、トライしてみるか。


そういえば昔、

親父とふたり、よく遊んだなあ。


持って帰ったところでおふくろに、


「邪魔やろ!!」


と一喝されるのは目に見えているのだが、

お互い競うように景品を袋詰めにして

意気揚々と帰宅したものだ。



まず、ケースの中を見渡す。


とくに、これといって欲しくなるような物はない。

だが、そんなことは問題ではない。

肝心なことは、”取れるか、取れないか!?”という、

その一点に尽きる。


獲物は、なんでもいい。


・・・そう、言ってみればこれは、

来客へ静かに叩きつけられた、

尾張温泉からの”挑戦状”なのだ。


ならばこの勝負ー、



受けて立つで!!



とはいえ、

こちらも何の思慮もなく、勝負に挑むわけではなかった。

もちろん、勝算があったからにほかならない。


まず第一に、


ここが”宿泊施設を兼ね備えた温泉”である、

ということだ。


つまり、


施設内にいる客は、かならずお金を払って入っている。

ただでさえ金払ってきてるのに、

ゲーセンごときで意にそぐわない散財をしたとしたら、

とうぜん、客は不機嫌になる。


ヘタしたら、


「こんな温泉、二度と来ねえ!!」


な~んてことになりかねない。


したがって、

施設側はそのあたりに配慮し、

各ゲーム機器の設定を”甘く”する。


必然的に、

クレーンゲームの”アーム”も強めに設定され、

その保持力も、かなり信頼度の高いものになるのだ。


第二に、


コイン投入口に目を落とすと、

『200円』とある。


「げ!!( ̄□ ̄;)」


と、二の足を踏むところだが、

過去のデータに照らし合わせてみれば、

100円よりも、200円のクレーンゲームのほうが、

景品取得率は高い。



これらのファクターから総合的に判断した結果、

使用金額1,000円以内で、景品をゲットする確率は、

じつに”97%”という、

驚異的な数字がはじき出された。


もはや戦わずして、勝利は我が手中にある。


「なあに、千円もいらないさ。

一発でキメてやるぜっ!!」


揺るぎなき確信のもと、薄い財布から百円玉を二枚取り出し、

投入口へと立て続けに叩き込んだ。


そして、クレーンを動かすわけだが、

ここでひとつ、懸念すべきことがあった。


それは、機械の”感度”だ。


クレーンは、ボタンを押している間動き続け、

離せば止まる。


だが、感度の悪い(メンテナンス不良)の機械だと、

ボタンを離してもすぐに止まらず、

大なり小なり”オーバーラン”してしまうのだ。


これは、少々やっかいな問題なのだが、

こればっかりは、やってみないとわからない。


見たところ、

いちおう本体の清掃はキッチリしてあるようで、綺麗な状態であるし、

ある程度は信用していいのではないか・・、

という結論に達した。


ならば、

あとは自分の”腕次第”、ということになる。


”標的”を定め、大きくうなずく。

呼吸を整える。

(←)ボタンを、黄金の人差し指が静かに押し込む。


”ウィーーーーン”



-演歌妄想族-



かすかなモーター音とともに、

クレーンが左方向へ、ゆっくりと動き出した。


((いい動きだ♪))


予想以上に、反応は良かった。

確かな手ごたえに、気分は上々だった。


((3,2,1・・・、ここだっ!!))


絶妙のタイミングで指を離すと、

じつに理想通りの位置に、クレーンは停止した。


「よし!」



さあ、


そしていよいよ、クレーンを”縦方向”に動かす。

いうまでもなく、

次に停止したときに勝負は決まる。


距離感が掴みづらい、むずかしい場面だが、

そこは百戦錬磨。


”達人”の手にかかれば、造作もない。



-演歌妄想族-



(↑)ボタンを押し、数秒後、

これまた絶妙のタイミングで指を離す。


「ふ。」


これ以上はないだろうという、

完璧な位置で止まった。


直後ー、

二本のアームが左右に広がり、

目標へとまっすぐに降下しはじめた。



「しゃあああっ!この勝負、もろたで!!」



早くも、ガッツ・ポーズが飛び出す。


頭の中にはもはや、

観念したように吊り下げられ、

落とし穴へと運ばれてゆく獲物の光景しか浮かばない。



-演歌妄想族-



「フ・・、フハハハハ!!」



まるでキッズ・アニメの、

主人公を追い詰めて勝ち誇る、敵キャラのように、

高笑いしたくなる気持ちを抑えきれない。


だがー。



「!!!」



-演歌妄想族-


予想だにしない結果だった。


頼もしく思えていた、シルバーのアームは、

ターゲットを捕えることなく、

すごすごと引き下がってゆく・・。



「・・・・・。」



-演歌妄想族-



現実は、時として残酷なものだ。


いくら認めたくなくても、

厳然たる事実がそこにある。

そしてー、



・・・・・(゜ρ゜)



プライドを見事に打ち砕かれ、

”抜け殻”と化した男。




折しも、季節は秋。

栗きんとんのおいしい季節となった。


しかし、

外は真夏のように、太陽がギラギラと照りつけ、

演歌の聖地を焦がしてゆく。


そしてまた、


温泉にもかかわらず、

ゲーセンにひとり立ち尽くす、場違いな男の壊れた心も、


”砂漠の水”のごとく、


急速に蒸発してゆくのだった・・。



-演歌妄想族-











何しに来た、ヤモメ!?





             (つづく・・・)