バレリーナさんの魚の目~治療のステップその1 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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バレリーナさんの足指トラブル。


素人目にも足への負担が大きいことは容易に想像されるので
小さいトラブルも大きいトラブルも
おそらく頻繁に起きていることでしょう。

プロとして踊っているレベルの方であれば
小さいトラブルならほとんど自分で解決されているのではと思います。

医者である私の目の前に現れるのはおそらく

自分ではどうしようもなくなり
痛くて痛くて踊れない、でも踊らないわけにはいかない。

という状態のときに違いありません。

今までクリニックを受診されたバレリーナさんの多くが

「足指にできた魚の目が炎症を起こし、周りまで腫れてきた」

というケース。

魚の目は、皮膚直下に骨がある部位に長期間圧迫が加わり、ピンポイントで角質が増殖したものです。

中央が深部に向かって凸な形に角質が成長するので
圧迫が加わるたびに「刺さる」刺激が加わり
ズキーン!と痛みます。

さらに、魚の目ができた状態で繰り返し圧迫が加わると
角質下のやわらかい皮膚や皮下組織が傷つけられ

表面には傷がなくても魚の目の下で出血したり、浸出液がたまって
血豆・水ぶくれといった状態
になっていることがあります(A)

さらに、こうした閉鎖空間にたまった液体に細菌感染を起こすとさあ大変。

足指は周りまで腫れ
炎症で薄くなった皮膚が限界を超えて破れ
にわかに魚の目周囲がじゅくじゅくとした傷の状態
になります(B)

バレリーナさんがクリニックを受診されるのは
たいてい(A)(B)の状態になったときです。

そんなときに私が行う治療は基本3ステップ。

1ステップ目は魚の目の除去。

硬くなった角質をハサミで丁寧に切り取ります。

なるべく痛みの出ないようにそーっと行いますが、
指はMAX痛い状態で受診しているので
ちょっと引っ張っただけでも飛び上がられてしまうこともしばしば。
でも、まずはこの硬いところを取らないと圧迫が取れないので
患者さんはがんばりどころです。

炎症を起こした魚の目を除去すると
その下はじゅくじゅくと浸出液の出る状態になっていることが多いのが実状。

ちなみに、一般の方が「魚の目が痛い」といって受診されるときは
ここまでひどくないことがほとんどなので
削ってもそれほど痛くないし
削った後に傷ができていることはまずありません。

バレリーナさんは
たぶんそういうレベルは通り越したところまで我慢し
通り越してなお足への強い負担を避けられないので
メチャひどい状態になってから受診されるのだと思います


さて、そのじゅくじゅくした傷。
医学的には「潰瘍」といっていい状態です。
しかもすぐ下は骨。

加えて目の前の患者さんは、すぐにでも踊りたいと無茶を言う(苦笑)

さあどうするどうなるこの状況

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やばい、続いちゃった