① 音楽療法を楽しむ 私たち樅山会では特別養護老人ホーム樅の木荘、介護老人保健施設コミュニティケアセンター樅山、通所介護事業所デイサロン千波山において音楽療法士の小林尚美先生に来て頂き音楽療法の時間を設けています。音楽療法の取り組みは樅の木荘施設長であり理学療法士でもある圷真毅氏の提案から始まりました。音楽療法は、入居者様に馴染みのある童謡や唱歌などをみんなで歌ったり、楽器を鳴らしたりして脳を活性化する回想療法になっています。また、声を出すことで心肺機能、口腔機能の活性化にもなっています。音楽療法を始めてからは普段から歌を口ずさむ方が増えて、笑顔も増え先生が来るのを楽しみに待ってらっしゃるようになりました。
② 入居者様も職員も同じ時間を共感する喜び 音楽療法の取り組みを始めたのは、入居者様の認知機能と身体機能を活性化するだけでなく、入居者様と介護職員が共に楽しみながら関係性を豊かにすることも目的としました。関係性の豊かさには共に同じ時間を過ごす喜びを感じるための共同体験が重要だと考えています。音楽療法は楽しみながらこの体験が出来ます。実際、介護職員からは音楽療法をしてから、入居者様への声かけがしやすくなって関係性が深まったとの声も聞いています。介護職としてのやりがい、楽しみはこのような体験にあると思います。負のイメージが強い介護職ですが、豊かな人間関係を構築することで、心が豊かになり、やりがいのある楽しい仕事であると思います。介護は心でするものです。心は人間らしさであり、原動力であると思います。
③ 音楽療法とリハビリが介護の架け橋となる 樅山会ではリハビリテーションも積極的に行っています。特養である樅の木荘では作業療法士による個別ケアを実施しています。入居者様の趣味・趣向を把握して、残存機能を生かしながらレクリエーションを工夫して介護職員との共同体験を促しています。この取り組みも音楽療法と同様に、入居者様自身の活性化と介護職員との関係性の活性化を促しています。介護は多職種の知恵が集まることで、より深まると思います。今年度は、音楽療法士と作業療法士が共同する取り組みを行い、さらなる介護の充実をしていきます。入居者様と職員が共に生きていく、樅山会の理念である「共生」・「共感」・「共創」を今年度も実践して、地域福祉への貢献と介護の発展を目指していきます。