ようやく起きて、病棟へ移動。


事前にもらった入院計画リストによると、「術後は1日~3日程度、集中治療室に入ることになる」とあったんだけど、私は普通に病棟の個室へ入れられた。


うむ。

どうやらめちゃ順調に終わったらしい。


リンパ節をどうにかする際に大出血するってネットで見ちゃったし、手術の前に自分の血を輸血用に400cc溜めたりしてたので、これはもういっぱい出血するんだ、と思ってたのに。

だってオナカを切り開いて、内臓を取り出すんだもんね。

そりゃ、血もいっぱい出て当たり前だ。


でも、母とダンナが病室に入ってきて、開口一番

「アンタ、100ccしか出血しなかったらしいよ。」


100cc!?

1/2カップじゃん。激少ないじゃん!


ダンナはどうにも納得がいかなかったらしく、ずっとブツブツ言っていた。

「ちょっと切っただけでも血って結構出るじゃん。なんでおなかを切り開いたのに、100ccしか出ないんだろう。

メスで切った時点で、ドバ!って出ると思うんだけど。

おかしい。なんか騙されてない?だって鼻血より少なくない?ありえなくない?」

まぁまぁ、出ないなら出ないほうがいいんだからさぁ~。

でも確かに、鼻血とか生理で出る分より少ない出血って、ねぇ。

オレ、なかなかやるなw


個室に移ってからも、しばらくはウツラウツラしながらダンナの手をギュン握り。

看護学生さんが実習で血圧を測りに来てくれたときも、手を離そうとしなかったらしく、純情な学生さんはオロオロしてたらしい。

がんばれよ、学生さん。

夫婦が手をつないでたって、引き離して血圧を測れるぐらいにならないとね!(いやいや)


1時間ぐらいで目が覚めて意識がはっきり戻ると、信じられないぐらいのスーパーハイテンションが襲ってきた。

なんか元気!しかもなんか楽しい。

手術終わったって事に興奮してるのか、麻酔の副作用なのかよくわかんないんだけど、とにかくハイテンション。

傷は痛いんだけど、正直そんなにめちゃめちゃ痛くはない。

あー切ったんだなぁみたいな、オナカに変な違和感はあるんだけど、ピリピリチクチクするぐらいでズキズキ痛むことはない。


ただ、腹筋を切断してるので、やっぱり腹筋を使う動きはズキっとして「うっっ」って声が漏れる。。。

起き上がるのは禁止だったので寝たままだけど、例えば

・笑う・咳をする・くしゃみする・しゃっくりする

しゃべるのは全然平気だけど、大声は出ない。

会話の中で笑っちゃうと、「いててて・・・」

咳・くしゃみは絶対にムリ!


相変わらずノドが痛くて、痰がからんでて咳込みたいんだけど、「ケホ」ぐらいでもズキーーーン!って痛みが走る。

看護師さんに、「ノドが痛くて咳がしたいけど痛くてムリなんですぅ~」って泣きついたら、

「咳が出るなと思ったら、両手でオナカを思いっきり押さえながらすると、ちょっとは楽ですよ」

なるほどなるほど、早速やってみた。


ケホ!

ズキーーーーン!!!

む、むりぃ~~~~ショック!


「あ゛っあ゛あ゛んん!ん゛ん゛」

なんて、咳にならないようにノドをならしても、オナカは痛いしノドはすっきりしないし、でもやらずにはいられなくて切ない。


くしゃみについては、本当にやばい。


個室の窓が開いていて、風がそよそよ気持ちいいなぁ・・・

なんて思っていたら、、、


「ぶぇっくしょい!」

うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

な、なんじゃこりゃぁ!!!!

オナカを押さえながら「うぐぉぉぉ!!」ってかわいくない叫び声をあげてる私に、ダンナも母もオロオロ・・・

「なんでもいいから、とにかく窓をしめてくれぇ~~」

あれは本当に、すさまじい衝撃だった。。。


しゃっくりも痛い。「ひぃっく!」てするたび、傷がドーン!って痛む。

笑うのも痛くて無理。

腹から笑えないので、声と息だけで「はははは」って笑うしかない。

腹筋って、腹筋ってすごく大事だったんだって、心のそこから実感しましたですよ。


ダンナがDSを持ってきていたので、二人でテトリスの対戦をした。

手術してすぐにゲームができる人なんていませんよとか看護師さんに呆れられつつ、夕方まで熱中。

いつもはボロボロに負けるのに、なんか調子がよくて勝ったりしちゃう。

これも麻酔のおかげ??麻酔のおかげで頭がクリアになるなんてあるのかしら・・・。


途中、看護師さんがクッションを持ってきてくれ、寝返りにも挑戦してみた。

腹筋は全く使えないので、両腕と足の筋肉でどうにかするしかない。

足にはポンプがつきっぱなしであんまり使えないので、腕の力だけで柵をつかんで横を向く。

これって結構どころかかなり大変!

体って重い!二の腕がプルプルしながら、お肉の奥で筋肉が頑張ってモリッってなってるのがわかる。

ほんと、腹筋って大事なんだなぁ~。


仰向けから左を向くのは、比較的楽にできた。

動くときに、オナカの中で何かが下に移動するような、ドロンとした感触があって気持ち悪い。

腸が子宮のあった部分に動いてるらしい。

考えただけでおそろしい。

痛みは少しだけ。やっぱり、腹筋を使わないつもりでも力が入っちゃうみたい。


なのに、右を向くのがなぜか難しい!

左手で右の柵をつかんで、えいっ!って体を傾けようとするんだけど、体が持ち上がらない。

左を向くのは楽なのに、なぜ右は向けないんだろう?


とツラツラ考えてみたら、どうやら左足にうまく力が入っていないということが判明した。

今回は両足にポンプがついてて、シュー!スコー!って常にマッサージされてる状態で、イマイチ足の感覚がよくわからなかったんだけど、アレだ、前回と一緒だ。

前回、脊髄麻酔をかけるときに左を下にしてかけたので、しばらく左足の感覚がもどらなくて気持ち悪かったんだよね。

今回も左を下にしてかけたんだった。

それでまた、しびれてるんだわ。多分。


寝返りのとき、左足はグッとベッドを蹴らないといけないのに、だら~んとなったままだから難しいんだわ。

よし、あきらめよう。

痛いし。


というわけで、初日は仰向けと左向きをゴロゴロ繰り返しながら過ごした。


夜はダンナが泊まって行ってくれた。

それはいいんだけど、私より早く寝るとは何事だ。

消灯になったら速やかに眠りについてしまった。

別にいいんダケド・・・。

もっとさ、心配で眠れないとかあってもいいじゃないか。

ま、めちゃめちゃ元気でゲームしてるぐらいだから、心配もしないか。


看護師さんは1時間おきに、熱と血圧を測りに来てくれる。

ありがたいんだけど、眠りの浅い私はそのたびに起きちゃって眠れない(´Д⊂

しかも某看護師さんは深夜、ようやく寝ていた私を起こしてくれちゃってさ。

「どう~?調子。痛くない?」

って、寝かせろやーーー!

グーグー寝てるダンナが恨めしい~~~


少し痛みも出てきて、何度か痛み止めを追加してもらう。

でも、切った傷が痛むという感じではない。

ズキズキするというより、オナカの中身がバンバンに張って苦しい感じ。

ほとんど眠れずに朝になっちゃった・・・。


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