マーラー
亡き子をしのぶ歌*
ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版)
バリトン:マティアス・ゲルネ*
コンサートマスター:伊藤亮太郎
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
マーラー・ブルックナー共に、パーヴォの統率力の見事さがひかる演奏。
パーヴァが振るN響は、もはや世界でもトップクラス。
マーラーの方は、ほぼ完璧な極上のアンサンブルでゲルネの歌声をサポート。
パーヴァの解釈は、就任披露の復活でも感じたけど、濃厚なマーラーではなく、緻密で精妙なマーラーをオケから引き出すのが彼の持ち味。
このあたりは、曲によって聴く側の好き嫌いがはっきりしそう。
ゲルネの歌唱は、情感豊か。ただし、元来がリート系の歌い手なのかNHKホールの3階席だと声が伝わりずらいかも。
後半ブルックナーの5番は、端麗辛口、キリッとしたブルックナー。
N響のアンサンブルも一瞬3番・4番ホルンに疵があったものの、殆ど乱れなし。
高性能オケによる鉄壁の演奏。
今井さんのホルンは、もはや神業級。
植松さんのティンパニーは、阿修羅のごとく。
N響団員が必死にパーヴォの棒に喰らいついて行く様は圧巻。
そして、フィナーレのフーガの壮絶な響きにはただただ圧倒。
全体的に都会的に洗礼されたブルックナーで、田舎者の長閑なシャツのボタンがずれていても気にならないおじさんキャラでなく、都会の綺麗なカフェでバリバリキメているおしゃれなイケメンって感じかな。
スケルツォもリンツ舞曲になってました(笑)
オケは対向配置。
パーヴォN響は、基本今後もこの配置なんでしょうね。
トランペット奏者の佛坂さんが今日の公演で退団。
長い間、ありがとうございました(°∀°)b
2016.2.5(SUN)
NHKホール
15:00
評価:☆☆☆
感嘆する演奏=感動する演奏ではないことを実感。
ブルックナーは、一流のオケと指揮者だからといって必ず名演になならいところが面白いし、難しい(知ったかぶりしてごめんなさい)。