去年と今年にかけて不正が話題になっている。金銭面あるいは品質保証で不正を働いていたことが明るみになって問題になっている。不正をする人の大半が「普通の社員」だと著者は指摘している。2つの理由を挙げている。身の回りで不正が起こっているとは考えたことがない。そして、職場で不正をしても逮捕される確率が極端に低いことを挙げている。

 

 

 

 

 

 

 会計不正や粉飾に単独犯はあり得ないとして、「共犯者」の存在を指摘している。日産の場合、あの2人の外国人だけでできるとは到底思えない。役所に提出するのに、日本人の手を借りているはずだが、書類作成に手を貸した人物に関しては不思議なことに表に出てこない。大人の事情でもあるのかな。

 

 

 

 

 

 

 不正は、ちょっとしたことから始まるそうだ。担当者がほかの社員からバカにされた、日常生活で嫌なことがあったからなどということから不正が始まっていく。ウソのようだが、起こってしまう。著者は、いやな上司への復讐で会社の金を使った人の例を挙げている。

 

 

 

 

 

 

 「まさか」という名の坂は、不正を起こす人物についても当てはまる。ニュースでなぜ、あの人がと思う人がダークサイドに転げ落ちてしまうのかと思うことがある。その「まさか」が罠だと指摘している。いい人、あるいは真面目と言った一見するとプラスに見えるが、イメージと違って裏の顔を持っていて、悪事に手を染めていたらなかなか気づかれない。

 

 

 

 

 

 

 不正をなくすには、担当者を定期的に替えることを勧めている。どこかの会社で経費を使ってブランド物のハンドバッグを買いあさったり、「ミッキーハウス」と呼ばれる家を建てて億単位の火炎を使い込んで逮捕された女が話題になっていた。この場合、同じ人物を信用して経理にしていたことが問題だった。

 

 

 

 

 

 

 経理を軽視すると不正につながるとして、人件費惜しさで、まともな経理を雇わずにやけどするとしている。プロの経理は相手が社長でももの申すとある。そして、雑談を利用して、どんな店を利用しているのかなど機会をうかがって聞いてみて何か相手の一瞬の反応を見て判断する。さらに、プロともなるとあえて不正を少し泳がせるとある。尻尾をつかんて首根っこを押さえるための手段だ。

 

 

 

 

 

 

 「数字の乱れは会社の乱れ」と著者は述べている。経理にも市原悦子やミタゾノさんのような人が必要だな。