西宮「夙川・短歌と花」その343
in Shukugawa Nishinomiya city
tanka and flowers
「白梅の花」(3)
Plum blossom 梅
❇ 古くから日本人に愛されてきたウメの花。
江戸時代以降の花見といえばサクラですが、奈良時代以前に「花」といえばウメのことでした。平安時代、菅原道真が愛した花としても知られ、道真とその神格化である学問の神、天神のシンボルとしてもウメが使用されます。
学名: Prunus mume
英名:Japanese apricot
和名:梅
別名:好文木(コウブンボク)
春告草(ハルツゲグサ)
木の花(コノハナ)
初名草(ハツナグサ)
香散見草(カザミグサ)
風待草(カゼマチグサ)
匂草(ニオイグサ)
科・属名:バラ科サクラ属
原産地:中国
色:赤、白、ピンク
開花時期:1月~3月
出回り時期:1月~4月(最盛期は2月)
花もち期間:3~7日程度
❇ ウメ全般の花言葉は:
The language of flowers of plum General
「高潔」 nobility
「忠実」 faithfulness
「忍耐」 perseverance
※ 西洋での花言葉・
英語 Language of flowers
「Keep your promise(約束を守る)」
「fidelity(忠実)」
「beauty and longevity(美と長寿)」
❇ 以下は、白梅の花言葉です。
white-apricot
photo: coloredby
白いウメ(White Plum blossom)
「気品」 elegancerefinement
☀「短歌を詠む」compose a tanka
🌼 あさあさの 光すがしも 青空に
沁みてひろがる 白梅の花
河野 慎吾
🌼 淑やかに 咲く白梅の 花なりて
想い秘め待つ 恋咲きの春
Yumetsuki
🌼 白梅の 花の香りに 誘われて
手折る者を 春は恨まん 幸 文
❇ー ウメについての、いわれ 特徴 ー
春の到来を告げる梅の花。春は名のみで寒い日が続いていても、その凛とした姿に季節がやわらいでいくのを感じることができます。梅は、「花よし、香りよし、果実よし」と三拍子揃った花木。しかも「松竹梅」と並べておめでたいもののひとつともされています。 サクラとおもむきの異なる清らかな美しさをもつウメ。原産の中国から日本には薬用として渡来しましたが、万葉の時代にはすでに花を楽しむようになり、万葉集にはウメを詠んだ歌が118首もあるそうです。
✴ ー 梅の花の特徴 ー
梅は落葉性広葉樹で、細い枝が多く、花びらは5枚で馥郁(ふくいく)としたよい香りがします。
分類ではバラ科の植物で、バラ科サクラ亜科サクラ属スモモ亜属に属します。
果樹として栽培される「実梅(みうめ)」と、観賞用に栽培されている「花梅(はなうめ)」に大きく分けられ、実梅だけで約100品種、花梅は約300種類もあるといわれています。
また、白梅が咲く木と、紅梅が咲く木は別ですが、中には1本の木に赤と白の花をつける「思いのまま」という珍しい木もあります。また、黄色い花をつける「蝋梅(ろうばい)」という種類もあります。
❇ ー「松竹梅」のいわれ ー
もともとは、中国では寒さに耐える「松」「竹」「梅」の3つを「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼んで書画の題材としていました。
日本では、平安時代に「松」が青々とした常緑樹で不老長寿を思わせるからおめでたいものとされ、その後室町時代になってから、節目正しく真っ直ぐ伸びて風にも強い「竹」も縁起のいいものとして重宝がられました。さらに江戸時代に入ってから、寒い季節にいち早く花を咲かす「梅」もめでたいものとなり、特に新春を彩るものとして定着していきました。
❇自治体のシンボルにも
梅は日本全国で咲きますが、県の木、県の花としている自治体も多くあります。
県の木:茨城県、大分県(ブンゴウメ)
県の花:大阪府、和歌山県、福岡県、大分県(ブンゴウメ)
❇ 「梅にウグイス」
「梅」は春一番に咲き始め、「ウグイス」は春の訪れ告げる「春告鳥」ともいわれて、共に親しまれました。「梅にウグイス」は「取り合わせがよい二つのもの、美しく調和するもの」の例えとして使われます。しかし、実際によく梅の木にやってくる鳥はメジロだそうで、「梅にウグイス」は春を待ちわびる日本人の理想のイメージから生まれた取り合わせなのです。
[ 暮らし歳時記 ] より