梅雨空に 厚い雲が広がり
どんよりとした灰色の風景に
まるで 色調を合わせたように
淡い色彩の紫陽花たちが
控え目に ひっそりと咲く
これから来る
色鮮やかな太陽の季節を
引き立てるように
決して 出しゃばらず
雨に濡れながら
ちんまりと可愛らしく咲く
その姿は
毎年 この季節に
一つ 歳を重ねる私へ
『お誕生日おめでとう
今日まで よく頑張ったね
明日からの一年も
精一杯 生きるのよ。
また来年も この季節に
必ず 逢えますように。』
と 少しはにかみながら
耳に心地良い
落ち着いたトーンの声で
静かに語りかける
控え目だけれど
揺るぎない強さを持った
着物姿の 凛とした女性を
思い浮かばせる
勝手に 擬人化した
紫陽花の そのイメージは
私の憧れでもある
雨に打たれながらも
健気に 咲き誇る
自分の居場所と役目に
自信を持って
淡々と 咲き誇る
今の私に 一番必要な
メッセージを
涼しい笑顔を浮かべながら
そっと 差し出してくれている
今までも これからも
変わらぬスタンスで そこに居る
私は 紫陽花になりたい
誰にも 何事にも翻弄されず
背筋を ピンと伸ばして
凛と 涼しく微笑みながら
強く 優しく そこに在りたい
私の ちっぽけな人生の真ん中に
あの人の これからの人生の
傍らに
二〇一三年七月 七夕間近な夜
ひとり つらつら
そんなコトを 想う
こももの独り言