朝食後、看護師Fさんが採血にしに来た。
採血されながら、「今だ!」と思い、腕のブツブツのことを話す。
ちょっとかゆいのができちゃったんですよね・・・。
「ど、どこですか?」
腕のここの・・・と針が刺さっているほうの腕を指さす。
「じゃあ、これやっちゃったら見ますね」
そう言って、看護師Fさんは採血をちゃちゃっと済ませる。

ここです。
と、右腕のブツブツを見せる。
この名札が当たるとかゆくて・・・。
ついでにお腹の赤い点々も見せる。
「わかりました。じゃあ、タケミホ先生に言っておきますので」

その後、タケミホ先生が来てくれたので、お腹と腕のブツブツを見せた。
お腹と、足の付け根辺りにその赤い点々は出ていた。よく探すと、太ももの辺りにも出ていた。
お腹の点々を見て、タケミホ先生は
「ああ、でちゃったかぁ・・・」
と残念そう。
「普通は二週間ぐらいで出る人が多いので、大丈夫だと思ってたんですけど・・・」
なんかスミマセン・・・。
「かゆみはありますか?」
お腹は全然かゆくないです。腕のほうが、ときどき猛烈にかゆくなります。この名札が当たるとすごいかゆくて・・・。
「こんなの取っちゃっていいのよ」
タケミホ先生は名札になっているプラスチックの腕輪を憎々しげにはじいた。

「背中はどうですか?」
背中は見てないんでわからないんですが。
わたしはパジャマをめくってタケミホ先生に背中を見せた。
「ああ・・・背中にも出てますね」
出てますか。
「じゃあ、結核の薬、一旦中止しましょう」
タケミホ先生のすぱっとした口調に、わたしは不安の「ふ」の字も感じなかった。
というよりもむしろ、そうなることが決まっていたような不思議な感覚だった。

「ぬり薬とアレルギーの薬を出しときますね。それと、皮膚科の先生が後で来ますので」

タケミホ先生によると、こういう場合、一旦薬を全部止めて、少しづつ入れていくと全部入ることも多いという。
それを聞いて、わたしはパソコンのデフラグを思い浮かべた。

その後、皮膚科の先生は来なかったけれど、主治医の先生がやって来た。
お腹の点々のことと薬を中断することを話すと、主治医の先生は
「薬中止するって?」
はい。
「タケミホ先生が?」
タケミホ先生が。
「薬止めないほうがいいと思うけどな・・・」
入院してすぐの頃、主治医の先生に「まあ、ゆっくり療養してください」と言われて、ゆっくりなんかしてられません、と言ってしまったことがあったので、少しでも時間のロスは避けたいと思ったのかもしれない。

消灯近くになって、タケミホ先生が顔を見せた。
「明日もう一日様子見て、薬を中断するか決めます」





服薬
RFP3
INH3
EB3
PZA1g
ピドキサール3

アレロック1

ぬり薬
デルモベート





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